森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日はね、僕がちょっと気になって気になって、ここ何日かずっと考えていることがあるんですけどね。全然グローバル・マーケティングと関係ないような気もするんだけど、実は根っこの部分では繋がっているんじゃないかな、なんていうふうにも思っていて、ちょっとその話を皆さんとシェアしたいなと思ってるんですけど…。
会社の固定電話って必要かなという、そういう悩みでございまして。もう9月に入りましたよね。残すところあと4カ月というところで、実は来年このSPYDERは10周年、1月で10周年を迎えるんですよ。僕が以前やっていたSDIという会社で、僕は12年いたのかな。2年ぐらい、このSPYDERと被っているので、ちょうどいわゆるこのグローバル・マーケティングというか、海外展開支援の領域での僕のキャリアも20年が経つという、そんな節目なので、いろんなことを変えていこうと思っていて、自分のやってきたことの棚卸みたいなことを時間を見つけてはやっていて。
コロナになっていろんなことが変わったんですよね。うちの会社ももう完全自由出社制度というのを導入して、要は社員は出社しなくていいですよと、するしないは自分で決めてくださいという方向、方針に完全に振り切ったんですよね。もともと、うち、海外の従業員は、海外には現地法人は一切持っていないので、基本的には日本から直接雇用して、彼らはSOHOで仕事をしたり、ディストリビューターさんのところに行ってそこで終日仕事をしたり、ある人はずっと外を回っているという、そんなスタイルなんですけど。リモートというものに対しても比較的親しみがあったんですよね。うちの東を中心に、メンバーは海外のメンバーとリモートでずっとやり取りしているし、テレビ会議なんていうのはしょっちゅうやっているわけなので、基本的にはそんなに抵抗はなかったと。ただ、いざ国内を見てみると、僕も本当にこの2年半で変わったんですけど、社員が9時出社で、9時に遅れてくると、自分は時間通りに来ないくせに妙に腹が立つというね、そういうだめな人間だったんですけどね。「会社に来ない=仕事してないでしょ」みたいな、こういう価値観にずっととらわれていたわけですよね、僕が社会人になってからずっとそうだったので。
2020年にコロナになって、もう2020年の後半ぐらいにはそれを決めて、もう来なくていいと。実は本当に無駄で、お客さんのところに会いに行くという行為も、お客さんがどうしたいのかっていうのがもちろん第一優先事項としてあるんだけども、やっぱりお客さんが要望しているニーズを満たすためには、会いに行くというところに時間を使うよりも、依頼されたことをこなすっていうことに時間を使ったほうがいいわけなので、もう気心が知れてたら、正直もう3回に1回来ればいいよとか、4回に1回、5回に1回来ればいいよと、まったく会わないよ、みたいな人もいるので、そういう意味ではそっち側も変わったっていうね。
一方で、社員が来なくなって、リモートでやっているんですけど、僕の頭の中のチェンジって、言ったら人件費が仕入れになるわけですね。経営の頭で考えるときに、A君の人件費は仕入ですと。僕はこのA君を1年間この金額で仕入れますと。それに対してジョブディスクリプション、A君のジョブディスクリプションはこうですと。それのアウトプットというのは定性と定量でこうしてくださいねと。これを超えればボーナスが跳ねますよという評価基準をさらに明確にしたんですよね。そうすると、パフォーマンスが悪かったら、じゃあ、来年頑張ろうと。また来年も悪かったら、もう1回ぐらい頑張ってみようか。でも、それを何年か続けていって、お互いパフォーマンスがなかなか出ないと、A君にとってもうちの会社は合ってないのかもしれないし、会社にとってもA君は本当に必要?という話になってくるので、それは大人だからお互い察するよね、というところだと思うんですよね。一方で、パフォーマンスを上げれば、それはボーナスとしてリターンが入ってくるわけなので、実は会社にいる時間というよりかは、どれだけパフォーマンスを出せるかというところのほうが圧倒的に重要だということを、頭では分かっていながらも、それを実践できてこなかったみたいなね。
でも、世界3大ファームみたいなところは、とうの昔からそういうスタイルで、会社に席がありませんみたいな、席借りるのに1時間200円取られるんですと。僕、周りにアクセンチュアとかマッキンゼー、ボスコンに行ってる友達も多くいるので、そんな話をいっぱい聞いてて。席取るのに200円ってすごいなという発想だったんだけど、まあまあ、そうだよねみたいなことを遅ればせながら2020年に考えて、そうしたわけなんですよね。
そこから、とにかく自分の会社の中にある非合理、合理的でないものを全部排除しようと思って、いろんなことを排除してきたんですよね。わけの分からない会員とか会費とか、取りあえず、これ、ずっと入ってるから入っておこうみたいな。もう要らないでしょうと、この意味のない会みたいなものも全部切ったんですよね。そういうものも全部整理して、いろんなことを選択をしていったら、コストも当然圧縮されるし、いろんなことがよくなったと。
本題に戻るんだけども、固定電話要る?っていう話なんだけども、03-6407-2607…、違う、6405-2607だったかな。覚えてないぐらい使ってないわけですよね、固定電話なんて。03-6435-2607ですね。わが社の固定電話と、その隣にファックスって書いてあるんですよね、03-6435-2608。いまどきファックスって、ええっ?みたいな。けど、TELの横にはFAXって書いてるのが普通でしょ、みたいな価値観にずっと僕はとらわれてきてるので、いまだに誰も使わないFaxを置いていると。うちからFAXを出すってことはまずなくて。じゃあ、誰がFAX送ってくるの?って言うと、この港区芝三丁目の周辺の焼き鳥屋さんが「今日、席空いてます」とか、文具の通販屋さんが「文具買いませんか」とか、そういうFAXが送られてくるだけと。もう間違いなく要らないですよね、と思っていて。
一方で、じゃあ、固定電話って、この固定電話、会社にこれ何て言うんだろう、PBXというのかな、装置があって、NTTさんにものすごい煩雑なあれを引いてもらってインターネットに繋がって、という話なんだけど、もちろんインターネットは要るんだけども、この固定電話は本当に要るのかなっていうことに悩んでいて。誰が電話してくるって言ったら、営業の電話しかないんですね。新規の問い合わせで電話をしてくるって、ほとんどないし、メールですよね。突然電話して来られても、たぶんあまり話がスムーズにいかないので、まずメールをもらって、内容を見て、然るべき担当者から折り返しをするというほうが圧倒的にお客さんのためにも、われわれの社内のフロー的にも合理的だから。固定電話、本当に要らないよねと。なんだけども、「会社に固定電話がないって、えっ、えっ、それってどうなの? 取りあえず置いておこうよ」みたいな価値観にとらわれてしまっていて。でも、そういう、「まあまあ、そうなんだけど、一応、今までそうだったから、そうしておこうよ」みたいなことをとにかく振り切るぐらいにやめないと、僕は大きく変わらないんじゃないかなと思っていて。人がちょっと引くぐらい、驚くぐらい、引かれちゃったら困るね。驚くぐらい、いろんなことを変えていかないと。特に、こういうのって日々常に変えるんだけど、なんかこの10周年とかね、僕の個人としてのキャリア20年という中でね、そんなことをよく考えるんだけども、固定電話必要ですかね? 僕は必要ないと思うんですよね。もう忙しいのでね、解約するのどうするんだっけ?とか考えると、うちの、僕のアシスタントも今、謀殺されているんで、「電話解約しておいて」と言っても、彼女もまた仕事が1つ増えちゃうので、ちょっと放っておくかもしれませんけど。でもね、僕は要らないと思うんだよな、固定電話。皆さん、どう思いますか? …という悩みでございました。近いうちに結論を出していきたいと思います。
すみません。今日はこんな話でまた長くダラダラと話しましたけど、また次回お会いいたしましょう。