HOME » 動画番組 スパイダー・チャンネル » ASEAN シェアの高い会社のマーケティング・ミックス

動画番組 スパイダー・チャンネル

ASEAN シェアの高い会社のマーケティング・ミックス

番組への質問はこちら » お問い合わせフォーム
新刊はこちら » https://www.amazon.co.jp/dp/4495650238
定期セミナーはこちら » https://spydergrp.com/seminars/

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今回も前回に引き続き、4Pとターゲティングのお話をしていきたいなというふうに思うんですが…。前回お話した通りね、製造業全般です。この番組ね、どちらかと言うと、FMCGのB2Cに偏ったお話をずっとずっとしてきているんですけど、ちょっとしばらくね、両方、製造業両方に向けてお話をしていきたいなというふうに思います。

前回ね、4Pとターゲティングの話で、シェアの上がらない会社の4Pとターゲティングってこうなっていますよというお話をして。ちょっとスライドをお願いします。この通りね、4Pが、プロダクト・プライス・プレイス・プロモーションが、また前回の繰り返しになってしまうので、もしあれだったら前回のエピソードを見ていただいて、こんな感じになってしまって、自分よがりの4Pが出来上がっていて、4Pありきでターゲティングが、ターゲットが決まってしまっているのでね。日本で実績のある商品をできればあまり変えたくないと、新興国なので価格は少し安くするけど、日本と同じぐらいの価格でやりたいよねと、なおかつ日本で慣れ親しんだ販売方法でやりたいし、できれば実績が出るまでプロモーション投資はしたくないよというものが根底にあった4Pが出来上がってしまっているので。結果として、ターゲットは2BCの製造業だったら、市場の大きな中間層にはやっぱり売れなくて、数の少ない富裕層に偏ってしまっている消費財メーカーがたくさんあるわけですよね。B2Bの製造業だったら、市場の大きなローカル企業には売れずに、数の少ない日系企業プラスアルファに偏ってしまっていますよと。でも、ここを変えないと、なかなかシェアを上げるっていうことは難しくて。絶対に重要なのは、ターゲットなんですよね。自分たちが、まず目的があるわけですよね。どんな目的でこの市場に出ているんですかと。その目的を達成するための目標、数字ですよね、具体的な数字ってどれぐらいなんですかと。じゃあ、その数字を上げるためには、ここをターゲットにしないといけないですよねっていうのがまず絶対ありきで。じゃあ、このターゲットが買うためには、どういう4Pでなければいけないのかっていうことを考えていかないといけない。

ここで言うのは4Pじゃなくて、もう考え方を4Cに変えていく。4Pというのはメーカー側の視点なんですよね。一方で、4Cというのはカスタマー側の視点なので。例えば、プロダクトはカスタマーバリューに変わるわけですよね。どんな商品を売りたいのかじゃなくて、お客様はどんな価値を求めているのかと、顧客が求める商品、顧客価値は何なんだ。プライスは、メーカー側の視点ですよね、価格。でも、逆にコスト、費用って考えると、これは顧客側からしたら、顧客が許容できる価格じゃないといけないんだと。消費財なんかだったらね、数十円、数百円のものが、新興国だと言ったって1回2回買うことはできるわけですよね。でも、やっぱり消費財っていうのは、いかにたくさんの人に、いかにより早い頻度で、いかに永遠に買い続けてもらえるかってことはすごく重要で、1回2回買って終わりじゃ駄目でね、生活の中に取り込んでもらわないといけないと。そうすると、やっぱり生活に取り込める価格って、適正な価格があるわけですよね。B2Bもそうですよね。日系企業には許容できるけど、ローカル企業に許容できないと。これってなんかおかしくて、やっぱりプロダクトが品質が良過ぎて、そんな品質を求めてないのに、そんな品質のものをつくるから、価格が高い、許容できないとなるので、顧客にとっての費用を考えていく。あと、コンビニエンス、プレイス。チャネルはね、顧客の利便性なので、顧客が買いやすい方法、先進国で売っていた方法じゃなくて、顧客が買いやすい方法。これ、どのインダストリーを見たってね、新興国市場でシェアを上げたものっていうのは、顧客が使いやすい方法で、一番分かりやすい例で言うとね、携帯電話の普及がなぜあんな爆発的に新興国で起こったかって、あれはプリペイドにしたからですよね。先進国は固定費用を払って、固定に従課金しているわけですよね、通話料を。でも、新興国では、固定費は払いたくないと。でも、通話料が1分あたり割高になったとしても、なったとしても使った分だけ払うというプリペイドにしたいと。プリペイドのカードを買って、10ドルのカードを買って、その中でかけていくっていうね。これは顧客にとっての利便性だし、提供側、サービスの通信の提供側にとっても取りっぱぐれがない、非常に良い方法。これはまさにリバースイノベーションで、新興国から先進国にも導入された良い事例だと思いますけど。あと、エムペサの事例とかね。ちょっと話が逸れてしまうのであれですけども、利便性。それから、あと、プロモーションは、顧客とのコミュニケーションですね。顧客が選びたくなるような仕掛けをしていく。

この4Cを最適化する、4つをそれぞれにバランスを整えて最適化するということと、個々を最適化するという、これをターゲットにぶつけていくっていう話なので、つまりは、前のスライドにあったような、4Pありきのターゲットではなくて、ターゲットに対してどうやってそのターゲットが求める4Cをつくるかっていうことが、シェアの高い企業の4P・4Cになっているんですよね。これ、僕はもう何十社という、何十社じゃきかない、100社ぐらいの先進的な企業を調べて、全部4Pとターゲティングを分解して、その上で、やっぱりシェアの高い会社ってね、必ずターゲットに対して4Cが最適化されていると。一方で、じゃあ、シェアの低い企業を見てみると、4Pありきのターゲットになっているというのを自分で分析して見てきていますから。ぜひね、皆さんの実態をね、この表に当てはめながら、戦略の練り直しをしていただければよろしいんじゃないかなというふうに思います。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。