森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、販売チャネルの「設計」において最も重要な指標とでも言いますかね、は何かということについてお話をしていきたいと思います。
強固な販売チャネルを構築するためには、まず販売チャネルの「設計」をしっかりしないと駄目ですよと、「設計」なきまま属人的に進めたりとか、過去やってきたことを何のあれもなしに引き続き同じようにやるとかっていうことではなくて、しっかり「設計」をしていくと。日本の製造業のアジア新興国市場におけるシェアが伸び悩む要因は、もうこの販売チャネルの「設計」なんですよね。感度の高い企業はここ6~7年でわれわれと一緒にこの販売チャネルの再設計というのをやって、今まで「設計」したことなかったので、再設計というか、もう1回「設計」をしっかりやり直して、その上で合理的に強固な販売チャネルをどう組み上げていくかということをやるんですけど。その販売チャネルの「設計」においてわれわれが最も重要視しているポイントは何なのかということを今日話していくわけですけど。
結論から先に申し上げると、それはこの番組でも何回もお話をした「基準値」なんですよね。多くの企業が、自分たちの販売チャネルが、なんとなく、めちゃめちゃ強くはないよねということは分かっているんだけども、じゃあ、どのレベルにいるのか、どの位置にいるのか、競合を100とした場合に自分たちの販売チャネルは80なのか、60なのか、40なのか、30なのか、その辺が具体的に数値で理解している人ってほぼいなくて。また、じゃあ、シェアを10%上げたい、20%上げたいというときに、何をどこまでどうすると、それが実現するのか、要はシェアを10%上げるための最も重要な指標は何なのかということがぼんやりしてしまっている企業というのは非常に多くて。これを明確にすることが「基準値」を持つということなんですよね。例えば自分たちがシェアを5%、10%上げていこうとしたときに、シェアをというのは独りよがりではないので、他人からシェアを1%奪うから自分たちのシェアが1%上がると、そうするとやっぱり競合との競争力、日々行われている、市場で行われている競争力に差があったら、これは奪うどころか日々シェアが開いていってしまうわけですよね。そうすると競合はどんな販売チャネルのストラクチャーを持っていて、そこにはどういう組織が組み込まれていて、その組織が日々どんなことをやっているのか、どんなマネジメントをしているから、その結果としてのシェアが出ているのかということを丸裸にする、可視化していくという、これが非常に重要で。これはシェアを上げるでも、売上を上げるでも、利益を上げるでも、何でもいいんですけど、基本的には「基準値」がすごい重要なんですよね。競合を意識した場合はやっぱり競合対比の「基準値」だし、自分たちがシェアを伸ばしていくっていうと、その伸ばすために最も重要な指標からの「基準値」を導き出していかないといけないですし、この「基準値」がないと追うものがないので、やっぱり目指している方向にはなかなか持っていけない、進んでいかない、時間軸で進むということがなかなか難しくなってくる。
「設計」をする。「基準値」を持つ。この「基準値」の中で僕が特に日本企業がしっかりやらないといけないと思うのは、これは別に日用消費財だけじゃなくてね、特に日用消費財ですけど、新興国に行けば行くほど、競合の販売チャネルのストラクチャー、これはストラクチャーってデザインなので、どういうふうな、例えばその国の、フィリピンだったらフィリピン、タイだったらタイ、インドネシアだったらインドネシア、インドだったらインドで、どういう販売チャネルストラクチャーを組んでいるのか、もうここが骨格になるので、どういう規模のディストリビューターを、どの地域に持っているのか、例えばネスレ・リーバ型でやっているのか、P&G型でやっているのか、それとも何とか型でやっているのかというね、必ずシェアの高い企業は、ディストリビューション・ネットワークに型があるのでね、ストラクチャーに型があるので、その型をしっかり見ていくということはそうだし。その中の組織が、そのストラクチャーの中で組織が動いていて、どんなリーダーのもと、どんな組織が組まれているのか、これが最後の、どうマネジメントされているか、言ったらどう動かされているかによってシェアが上がる、売上が上がる、利益が上がるということが結果としてもたらされるわけなので、この3つを特に可視化していく。このインプットなくして分析も何もないので、この3つを可視化して初めて必要なインプットを自分たちの中に入れられる。だから、このお客さんの販売チャネルはこういう設計じゃないと駄目だとか、ああいう設計じゃないと駄目だということが提言できるわけなんですよね。なので、「基準値」をしっかり持つということは大変重要ですよというお話でございます。
今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。