森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、販売チャネルの「実装」についてお話をしていきたいなというふうに思います。
前回まで販売チャネルの「設計」のお話をさせていただきました。「設計」が非常に重要ですよと。「設計」するためには「基準値」を持たないといけないよねと。どういう「基準値」ですかと、競合の競争力のチャネルストラクチャー、それから組織体制、マネジメント体制、この3つに絞ってインプットを入れてくださいと。インプットがないと「設計」なんてできませんよと。「設計」なくして出来上がった販売チャネルは、万に1つうまくいっているように見えても、それは長続きしないし、再現性がないので他国で応用できませんよという、そんなお話をさせてもらったと。
じゃあ、しっかりと「設計」をしたチャネル、ここで半分ぐらいなんですよね。まだ成功を半分掴めたという、そんな状況で、残りの半分はやっぱりこれをどう「実装」していくかという。この「実装」はね、もうやってきた人たちしか、たぶん説明がつかないというか。われわれの「設計」も「実装」もノウハウになるので、どこまでこの番組でお話をするかということにもあれなんだけども、やっぱりこの「実装」というのはやっていかないと、たぶん本当の意味で自分たちのものにならないですし、われわれもまだまだ修行中の身と常に言っていますけども、それでもやっぱりこなしてきた数があるので今があると思っているので。
大きく分けると、やっぱり「実装」の中ですごく重要なのは、ディストリビューターの発掘選定をどうするか。もうね、ここで本当に、「設計」で50%、「実装」で50%と言いましたけど、この50%のうちの7割ぐらいを、もうこのディストリビューターの発掘選定で決まってしまうんですよね。どんなディストリビューターを発掘できるか、選定できるかで、成功確率の7割が決まると。駄目な相手とどれだけやったって、これは駄目にしかならない。これは冷たい言い方ですけど本当にそうなので、いかに良いディストリビューターを選ぶかということはすごく重要。次が、ディストリビューターの契約交渉なんだけども、ディストリビューターとの契約交渉ってイベント事じゃないし、単なる定型ひな型契約にサインする儀式でもないので、いかに締結までに彼らのモチベーションをさらに高みに上げて、本当の意味で彼らに腹決めさせるかという、こういう期間なんだと僕は思っているんですよね。この契約も、守りももちろん重要なんだけども、攻めの部分をどうやって契約に入れ込むかということもそうだし、ここをしっかりやっておかないと、締結した瞬間に初回の注文をドーンともらって、そのあと予定通りに注文がバンバンバンと入っていくというようなことにならないので、締結までにマーケットリサーチをしっかりやって、客観的・合理的に「この数字できるよね。やってくださいね。これぐらいの経営資源を投下してくださいね」ということを理詰めで話していかないといけない。「私たちはこれぐらいやりたいのでお願いします」という話ではなくて、市場環境や競争環境を見たときに両者で「これぐらいの量はできますね」「はい、できます」という合意をここでしっかり取っていかないといけないので、ただ「あなたをこの地域の非独占、もしくは独占のディストリビューターに指名します。はい、調印式です」って、そういう話じゃないんですよね。なので、この締結、契約交渉、ここは抑止力みたいなものにもなっていて、やっぱりここをしっかり。先進的なグローバル企業なんてここをしっかりやっていて。これをやらないと、ディストリビューター側も「やっぱりありきたりな日本企業だな。優しいよね」と、「まあまあ、これぐらいやっておけばなんとかなるでしょう」ぐらいのマインドセットになってしまうので、ここはやっぱりしっかりやっていくということが重要。最後がディストリビューターの管理育成。日本だと、皆まで言わずとも、もう決めたことをしっかりやるというのがお互いの責任なんですけど、この感覚値はなかなかすべての人たちがね、海外の、アジア新興国は特にね、持っているとは限りませんので、いかに管理育成をしていくかと。あれ? これだと計算合わないよねと。選定で7割決まる、成功のね。残りの3割は契約交渉で決まる。もうここで100%だから管理育成要らないじゃないと思うんだけども、この100%を継続して維持し続けるためにはこの管理育成が絶対に必要なので。「実装」というのはまさにこのディストリビューターの発掘選定、契約交渉、管理育成ということになるということでございます。
強固な販売チャネルは「設計」と「実装」をどれだけしっかりやるかと。ここにしっかりと時間と労力とお金をかけて1回やってしまえば、あとは本当に楽だし、これは資産として販売チャネルが積み上がるので、土台づくりみたいなものですよね。ビルを建てるときに杭をしっかり地下までね、何10メーターまで下までしっかり打っておくということをやれば、そのあと、どんどん、どんどん、ビルが上に高く建っていくわけですよね。でも、これ杭打ちもしないで何もしなかったら、やっぱり2階建て、3階建てで終わってしまうので、お金はかかる、時間もかかる、労力もかかる、苦しい、でも、しっかり杭を打っておくと。杭さえ打っておけば、あとはゆっくり上に高くビルを建てていけばいいということだと僕は思っています。
皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。