アジア新興国 販売チャネルを『実装』するための3つのステップ
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、販売チャネルを実装するために必要な3つのステップについてお話をしていきたいと思います。対象は、いつも通り日用消費財が中心ですが、製造業全般で構わないかなというふうに思います。対象エリアは、ASEAN、インド、中国、その他新興国市場ということになります。何回かにわたって強固な販売チャネルを構築するためには、まず販売チャネルの設計思想がすごく重要で、基準値をベースにいかに正しく設計をするかと。その設計したものをいかに現地で機能するような実装をしなきゃいけなくて。これは単に実装じゃ駄目で、ちゃんと機能する実装というのがすごく重要で。なので、この設計と実装って、僕はフィフティフィフティぐらいで重要だと思っていて。そもそも設計がされてないものというのは実装もくそもないので、基本的に設計なくして実装ないですと。ただ、トータルで100で成功するとすると、やっぱり設計の重要性って50、残り50が実装です。じゃ、この残り50の実装において、これから説明する3つのステップがあって、このステップがなくしてこの実装、現地で機能する実装というのはできないので、今日はそんな話をしていきたいなというふうに思います。
スライドをお願いします。結論から先に申し上げると、販売チャネルの実装において最も重要なのは、ディストリビューターの発掘選定、それから契約交渉、管理育成、このステップをしっかりとやっていくということなんですが。さっき、私、設計で50ですと、成功確率の50はもう設計で決まりますよと。この設計をしっかりやっても実装をしっかりやらなかったら駄目なので、もう残りの50は実装ですと。じゃあ、この残りの50を100とした場合に、発掘選定と契約交渉と管理育成はどれぐらいの比率でポートフォリオされるかというと、もうディストリビューターの発掘選定で7割決まると言ってもいいぐらいにこの発掘選定が重要です。これ、発掘選定というのは…。ちょっと全体の話を先にしようかな。発掘選定が重要で、契約交渉が3割、もうここで100%決まるんですよね、100%。じゃあ、管理育成要らないじゃんという話なんだけども、この100%を継続するために、維持するために管理育成というのはあるので。まずはもうこの発掘選定、それから契約交渉が重要、そして、これを維持させるための管理育成という、こういう流れになっていると。
このディストリビューターの発掘選定、契約交渉、管理育成、この番組でも散々やったので、過去のエピソードをちょっと振り返って見てもらえば詳しく説明していると思いますけど、今日簡単にご説明すると、発掘選定というのは、自分たちに今ふさわしいディストリビューターをどれだけ選べるかという話で。まず設計思想が最初にあるのでね、設計しているので、よく日本企業でありがちな理由なき1カ国1ディストリビューター制とか、それとかあと、自分たちのターゲットと今現状で取引ができないのに、なぜかこのディストリビューターに任せているとか、ターゲットとディストリビューターとの不一致なんかがあったりとか、特に1カ国1ディストリビューター制とか、あと、MTなのになぜかディストリビューター経由で販売しているとか、そういう合理的な視点で見てもおかしなディストリビューション選定というのは結構あって。この発掘選定って、自分たちが今やろうとしている、誰とやるかということですよね、発掘選定って。でも、誰とやるかよりも、誰と売るかということよりも、誰に売るかのほうが圧倒的に重要なので、まずターゲティングが不明確な場合が結構ほとんどです。もっともっとターゲティングを明確にしていくと、自分たちは別に財閥系じゃなくていいよねと、自分たちは別にこれ、なぜこんな大手と組もうとしていたんだろうと、単なる安心感じゃんと。でも、蓋を開いてみたら、大手だからといって、それは他社との実績で大手であって、これから新規でやるメーカーの商品、それは彼らの求めている売上規模からしたら、5年10年は大きな事業にならないと判断されたら、それは経営資源を投下されないよね、みたいなことが見えてきて、結局、規模も定義も全然違う。こういうディストリビューター、40代前後のまだ若い社長で、まだ成長意欲が非常に高い、自分たちの柱の商品がまだ2品3品ぐらいしかないようなところとガッチリやっていったほうがいいね、みたいなことにも当然なっていくので。この発掘選定というのがもう本当にすごく重要。駄目な相手とどれだけやっても本当に駄目で。教育って、管理育成って書いていますけど、これはね、ある一定の基準をクリアした人たちを、もしくはクリアした企業を管理して育成していくというのはいいんですけどね、これ、駄目な企業とか駄目な人を0から育成してって、これはもう駄目なものは駄目にしかならないので。教育するぐらいだったら選定に力を入れたほうが、これは圧倒的に良いので。どんなに期待しようが、それは希望的観測にしかすぎなくて。短いですからね、自分たちの勝負できる時間というのは。なので、一生かけて教育するんだったら、それはやったらいいでしょうけども、その時間軸の中で考えたときには、もう圧倒的に選定に力を入れるということは僕は重要だと思います。そんな選定をやって。
契約交渉も、よく日本企業でありがちなのは儀式的な契約交渉ね。とにかく自分たちの契約書のひな型はこれですと。はい、これでやります。儀式なんですけど、契約交渉の調印なんていうのはぶっちゃけどうでもよくて。結局、自分たちと一緒にタッグを組んだときに、自分たちのターゲットに対して、あなたたちはどんな経営資源を、どういうふうに投下して、何を実現してくれるんですかという攻めの部分を決めていくと。じゃあ、それを忘れないように紙に書いてお互い調印しましょうねというのが契約なので、契約書なので。この契約書に調印するまでにどれだけ自分たちがやりたいことのプロセスを現実のものにしていくかという、ここの交渉をするのが契約交渉なんですよね。ここがまったくないまま、とにかくイベント、お祭りですというようなことになってしまっているケースが少なくない。
最後の管理育成というのは基本的に皆無なので、ディストリビューターを管理しようとか、育成しようという思想はほぼなかったりします、日本の製造業の企業の場合。どんどん、どんどん、中がぎすぎすしていく。管理する側と管理される側はやっぱりシンプルな指標で管理をしないといけないし、「データください。どうですか。情報ください」と言って、それを見て「ふーん」って安心しているようだと、やっぱり情報を出している人たちも「何のために出してるの?」ってなるので。活用できない情報はもらわないと、安心したいだけの情報はもらわないというのはね、これは鉄則だと思うんですよね。情報を得た人の責任って僕はあると思っていて、これは部下・上司の関係でもそうだと思うんだけども、じゃあ、情報を得て、それがどういうふうにその会社に、ディストリビューターにね、もしくは部下に活用されているのかというのがディストリビューターとか部下が感じられなかったら、その情報の一方通行の提供ルートというのは長くは続かないですよね。なので、そこはすごく重要だし。あと、育成するのにディストリビューターよりもマーケットのこととか競争環境、市場環境、流通環境のことを知らなかったら、これ、育成も何もないので、基本的には誰よりもマーケットについて熟知をしているということが大変重要であると。
ということで、この実装というのは発掘選定、契約交渉、管理育成、ここはもう実体験から来るノウハウなので、何か参考書を見て、はい、すぐ学ぶというよりかは、やってみてっていう、そういう話になると思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。



