森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、販売チャネルの「設計」と「実装」ということでお話をしていきたいと思います。森辺、毎日、最近チャネルの設計、実装ってうるさいなとお思いかもしれませんが、お付き合いいただければと思います。(笑)
われわれも事業を特に絞っていて。絞っていてというのは、「販売チャネル構築のSPYDER」というふうに言われている通り、われわれは販売チャネル構築を専門としたコンサルティングファームなので、もともと販売チャネルの構築をアジア新興国市場に限定してやってきているわけですけども。販売チャネル構築と言ってもいろいろあるんですよね。その中でも最近特に販売チャネルの設計と実装みたいなところに本当に事業を特化させていて、それでそんなお話を結構しているんじゃないかなというふうに思います。
販売チャネル、われわれは、どちらかと言うと規模というよりかは強さみたいなところをすごく意識しているので、そんなにたくさんのお客さんのご支援はできないので、どちらかと言うと限られたお客さんのために、本当にわれわれを必要としてくれる限られたお客さんのためにフルスイングしていこうという事業にますますフォーカスをしている。この25年の私のキャリアの中で、1,000社以上の企業を支援してきたというのは、うちのたぶんホームページなんかのキャッチコピーになっていると思いますけど、プロジェクトで言ったら3,000プロジェクトぐらいやっているんだと思いますけど。この中には小さなプロジェクトもあれば、大きなプロジェクトもあるし、小さなご支援もあれば、大きなご支援もあるので、まちまちだと思うんですけど。かつて数や量を追っていた時期もあったんですけど、同じことを25年もやっていると、やっぱりその同じことの中でも自分たちが本当に大切と思っている、本当に重要で、本当に得意で、本当に誰にも負けないような領域がやっぱり見えてくるので、そこにフルスイングするということで、それがアジア新興国市場における販売チャネルの設計と実装であるというふうに、うち自身の事業の在り方というか、そういう上でもフォーカスをして、強く、その分野で強く、そして本当に必要としてくださるお客様のためにフルスイングするということをね、最近、社内の方針…、方針会議というか、方針でも決めたところで、そんな話が続いているのかなというふうに思います。
でも、本当にこの日本の企業の海外展開、なぜうまくいかないのかってね、設計がないんですよ。もう本当にこれに尽きる。中小企業になればなるほど、これ、設計思想なんて、そもそも概念がないですよね。これ、大企業でもないので。やっぱりこうがいいんじゃないか、こうあるべきなんじゃないかということで属人的につくられてきたチャネルが今のチャネルで。じゃあ、それが主要競合と比べて具体的に何が足りていて、何が足りていないのか、どこに改善余地があるのかということを明確に数値で語れる人に僕はほぼ会ったことがないと。結局、日本企業は人材が優秀で、非常に長けていて、モノもすごく良いと。戦略が悪いとかって言われるんですけど、別に戦略悪くなくて。頭が良いので、考えることとか戦略そのものはそんなに間違ってなくて。もしかしたら、すごく大きなビッグピクチャーを見ながらの戦略を描くみたいなね、グランドデザインを引くみたいなところは不得意なのかもしれないけども。やっぱり一番は、チャネルの設計のところがやっぱり弱くて。どちらかと言うと、やっぱりつくることに専念をするので、売るというのは、良いものをつくれば売れるという大前提がかつてあったわけですよね。だから、そんなに重要視されない中、売るんだったら、じゃあ、広告でしょう、プロモーションでしょう、売るんだったらセールス、営業でしょうと。いやいや、売るって、つくるから売るまで一貫してマーケティングなんですよという概念が確かに薄いと。そのマーケティングの全体像の中の一部にチャネル戦略というのがあって、ここがやっぱり相対的にめちゃめちゃ遅れていて、ここを改善すればまだまだ日本企業のアジア新興国市場のシェアというのは伸びていくし、良いものが売れる時代じゃなくなってしまったって、これはもう薄々というか、完全に皆さん気づいていると思うのでね。
なので、これからは、いかにそういう市場環境、競争環境を理解した上で自分たちのあるべきチャネルを設計していくかと、その設計通りにしっかりと実装していくかということが大変重要になってくる。ここにしっかり時間と労力とお金をかけてつくり込まないと、これ、チャネルは一夜にしてならないので。でも、一旦つくってしまえば、模倣困難性が高いし、それが自社の型となるので、基本的には他国にも応用が利く。なので、投資対効果としては非常に良いはずなんですよね。なので、これを本当に日本企業はどれだけやれるかっていうところに僕はかかっていると思います。それこそチャネルの設計がしっかりしているところ、ゼロからね、最初からこのことを分かって設計したという会社はね、たぶんそんなにないと思いますよ。僕、ほとんど見てきていますけど。結果としてね、すごく良い設計になった、それは途中途中で設計に近しいことをやっていったんだと思うんですよね、その試行錯誤の中でね。なので、そういう会社は当然ある。日本企業だとヤクルトとか、ユニ・チャームとか、味の素とか、そういう企業は、結果として見てみたら、設計思想が非常によくできていて、その実装ノウハウが社内に蓄積されているので、それが回っているという、そういうことなんだと僕は理解しておりますが。なので、この次の5年10年は、日本の製造業は、アジア新興国市場においてまずやるべきは、自分たちの向かいたい場所に向かうための販売チャネルの設計をしっかりやって、それを一緒に実装していく、回していくということが僕は本当に重要だと思います。
皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。