森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、前回ディストリビューターとの契約解除のお話をしました。どういうふうに解除していくのか。今回は、じゃあ、解除、解除というか、すぐには解除しないので、今までのディストリビューターをある一定の、独占でね、ほとんどの場合は理由なき1カ国1ディストリビューター制でやってきたところに、もう1社のディストリビューターを加えていきながら、得意・不得意を整理してあげて、得意な地域、得意なところだけを既存のディストリビューターにやっていただいて、さらに上積みをしていきたい部分に関しては別のディストリビューターでやらせていくと。その先どうなっていくかは数字次第で意思決定していくということになるんですが…。
今までのディストリビューターとは38℃ぐらいのお湯で、ぬるま湯でやってきたと。むしろぬるま湯にしてきた理由というのもやっぱりあって。前回もお話した通り、主体的にディストリビューションチャネルをつくったのか、販売チャネルをつくったのか、それとも先方任せでやってきたのかという、こういう背景があるわけですよね。やっぱり何℃にお湯を設定しなきゃいけないのかというのはね、これはもう競争環境なんですよ。まず見るべきは、今の既存の競合がどうしているのかということを絶対に見ないといけない。新しい販売チャネルをつくるのもね、そもそも新しいディストリビューターと契約をすればいいんだという単純な話でもないので、新しくチャネルを設計し直すという、こういう話になってくるわけですよね。新しく販売チャネルを設計し直す。今までは設計思想を持たずして、主体的にやってこなかったけども、これからは販売チャネルの設計思想をしっかり持って主体的にやっていくんだと。そんな中で、じゃあ、どういう販売チャネルを設計すればいいのかというのは、基本的にわれわれは主要競合がどうやっているのかということをしっかりと可視化して、100%理解して、そこから分析をして、お客様の経営資源、それからお客様の今の現状、こういったものもあるわけ、その多くは経営資源ですけども、それを加味した上でどうあるべきかという最善の提言をしていくわけですけど、それに基づいて設計というのはされるので、お客さん個々で変わってくる。ただ、重要なのは、シェアとか売上というのは、他人からシェアを1%奪うから自分のシェア1%上がるので、競争環境を無視して自分よがりでやるなんていうことにはならないので、敵がどう戦っているのかというところから勝ち筋を見出していかないといけないので、徹底的に敵を可視化するということからまず始まると。その可視化で得たインプットを分析して、お客さんの経営資源を理解して、われわれの過去の知見を織り交ぜながら、こうしていこう、ああしていこうという設計が出来上がっていくんですよね。
その1つに新たなディストリビューターとの契約というものが出てくるわけですけども、この新たなディストリビューターとの契約でやっぱり一番重要なのは、契約そのものが重要なのではなくて、目的なのではなくて、契約をどう決めていくか。契約までのプロセスがすごい重要。なぜならば、契約って、今までやってきた契約はね、もう本当に、「うちのディストリビューション契約のひな型はこれなので、ぜひやってください。お願いします」と、希望的観測で、きっとここならできるだろうと、どうできるのか、いつまでに誰がどうできるのかということはぼわーんとしたまま、希望的観測で契約をイベント事のように進めていく。そんなのはまったく不要で、契約締結までに「自分たちはこのラインナップの中のこのカテゴリーをこういう市場に売っていきたいんだ。なぜならばこういう市場構造が今後この国には来るから。そして、それを、じゃあ、売っていくためには一緒にマーケットサーベイしましょう」と。そうすると、「やっぱりこれぐらいの需要は確実にあるよね」ということをディストリビューターにも腹落ちさせて、そうすると、「あなたたちがこれぐらいのセールスマンを日々これぐらい営業先に訪問させると、これぐらいのコンバージョンするんで、きっとこれぐらいはいけるよね。これを一緒にやっていきませんか」ということを散々話し合って、握った上でそれを加味した契約をするというのが契約書上は一番重要なので。契約書の中には守りだけじゃなくて、やっぱり攻めの部分というものがしっかり入ってないといけない。メーカーとしてやれること、やれないこと、メーカーとしてやってほしいこと。こういうものをしっかりと整理した上で、ディストリビューターのオーナー社長と意思疎通をしっかりやって、絶対に、確率論を上げていくんですよね。確率論を上げるというプロセスをやらなかったら、絶対に成功することはないので、この確率論を上げるプロセスをやっていく。
いろんな企業さんの契約書を僕はレビューしてきましたけど、やっぱり攻めの部分が非常に弱いし、契約締結が目的になっているので、基本的にはイベント。重要なのは、契約締結後に本当に初回の注文がダーンと入って、それがリピートし続けるかということがすごく重要で、散々時間をかけて契約したのに、初回の注文で、はい、おしまいって、こんな無駄な時間はないし、1度ディストリビューターと契約したらね、それを、じゃあ、単年ですぐ切るなんていうことはないわけですよね。そうすると、少なくとも数年は時間を無駄にすることになるので、駄目な相手とだったらもう契約しないほうがいいぐらい、時間が無駄になる。そうすると、やっぱり契約締結までに確実に「この人とだったらやれる」という、この実感を掴むことが契約書上はめちゃめちゃ重要で。むしろ契約書という紙にサインをする行為は二の次であって、「この人となら絶対にわれわれがやりたいこれができる」という確信を持つ行為が、われわれが言っている契約交渉なんですよね。なので、相当なマンパワー、われわれも、われわれの主要なメンバーがこの取り組みには参加をして、最後ね、意思決定をするのはお客さんなので、お膳立てしたところに対してお客さんにご登場いただいてシェイクハンドしてもらうというプロセスをするんですけど。でも、やっぱりそういう契約をしていかないと、そのあとね、契約したあと思っていた通りじゃなかったと、そしたらまた前と一緒じゃんと、また駄目なディストリビューターがもう1社増えただけじゃないと、そんなことになったら最悪なパターンなわけなので。そういうことが、われわれが定義している契約交渉ですよというお話でございます。
この辺の話はね、言って教えたから、はい、じゃあ、すぐできるかということでもないのでね、経験値がやっぱりすごくものを言うので、これはやっぱり時間をかけて一緒にやっていくということしかないのかなというふうに思いますが、参考までのお話でございました。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。