森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、先日お会いした方が10年以上前に私がやっていた連載を読んでくださっていて、その話をされてとても懐かしくうれしかった、そんな思い出話をしたいなというふうに思います。少しグローバル・マーケティングも関係しているかなと思います。
10年前だよね…。私、このSPYDER INITIATIVE、2社目の創業をして、この会社は2013年に新しく創業したので、そこから13年だから、13年ぐらい前なんですかね。その前にやっていた会社、ストラテジック・ディシジョン・イニシアティブという会社があって、僕のつくる会社は全部「イニシアティブ」が最後につくんだけど。(笑)SDIというふうに言われていた会社で調査会社だったんですよね、新興国市場に特化をした。もともと中国で創業したんですけど。その会社のときに、その会社の創業期からだから、結構10年以上やったんだと思うんですよね。たしか毎週書いたんじゃないかな。僕ね、ほんとこれだけは自分で自分を褒めてあげたいんですけど、産経新聞のね、当時発行している新聞でね、産経新聞というのがあると思うんですけど、それのサブ新聞みたいのでフジサンケイビジネスアイという新聞があったんですよね。ブルームバーグと一緒にやっているような、少し国際情勢などの情報も入れたような、そういう新聞があって、その新聞の1つの紙面に「新興国にかける」というシリーズで連載がありまして。隔週で始まって、一時期は毎週になって、ずっと記事をね、コラムを、連載を書いていたんですよ。それが結構大変で。短いのでね、すごく短いので1,200文字とか、たしかそれぐらいでまとめないといけないんですよね。1,200文字とかぐらいで「新興国にかける」というタイトルでね、新興国ネタをまとめるって意外に大変で、それを毎週ですから、すごく大変で。当然、フジサンケイビジネスアイという紙面と、あとネットに掲載をされて、それがいろんなとこにバーッと転載されていくんですけど。まあまあ、非常にいろんな人から「読んでいます」というふうに当時も言われていたので。そこからもう10年以上経っていて、その新聞が、フジサンケイビジネスアイってもう廃刊になってしまったと思うんですよね、終わって、連載も終わって…。
話していたら、たまたまお会いした、会合でお会いした方が、「いやー、森辺さん、実は知っているんです、森辺さんのことを。当時、産経新聞でやっていた連載をずっと読んでいました」と言って、「えーっ!」と言って。「エスカレーターの速度が新興国は速い」という、そういう連載を、私、連載というかコラムを書いていたんですよね。これはどういうあれかというと、新興国市場ってエスカレーターのスピードが速いんですよ、日本のエスカレーターより。要は日本は何を最優先にするかというと、安全安心をもう何よりも最優先にするので、エスカレーターが遅いんですよね。たぶんわれわれはそのスピードに慣れているので、エスカレーターのスピードっていいと思うんですけど。これ、例えば、どこでもいいですけど、シンガポールとか、タイとか、インドネシアとか、どこか行ってもね、エスカレーターのスピードがピューッと速いんですよ。結構ね、何だろうな、もちろん安心安全は最優先に考えているんだけども、その設定基準が日本の安心安全、安心安全に行き過ぎがあるのかどうなのかという議論も1つあると思うんですけど、でも、やっぱり現実的にエスカレーターのスピードが違うんだから、これはやっぱり基準が違うんですよね。これも品質基準もそうで、よく日本企業の品質ってオーバースペックとか言われるわけですよね。そんなに良い品質は要らないと。でも、極限まで品質磨いて、それがガラパゴス化していった。機能もそうですけども。だから、結局現地の人たちの基準ってどこなのかということを考えていったときにね、これはやっぱり日本基準が好まれるケースと、やっぱりそうじゃないケースって、モノと地域によって全然あるので、ここの見極めってね、結構、僕はすごく重要だなというふうには感じますし。あと、何よりもこのエスカレーターの速度がね、やっぱりいろんな事業のビジネスの意思決定の速度にもやっぱり大きく関わっていて、「本当にこのディール大丈夫か」って、石橋をバンバン叩きまくって安心か安全かって確認している間に、アジア新興国の人たちはどんどん意思決定をして前に進んでいってしまうので、そこの違いもすごく大きいなと。
エスカレーター、一番分かりやすいのは空港に行ってもらったら分かると思うんですけど、空港でエスカレーター、何て言うんだろうな、あれ、上に上がるやつじゃなくて、まっすぐ前に進むエスカレーター、あれのスピードがもう圧倒的に羽田とアジア新興国だと違うので。華僑だからせっかちとか、そういうのもいろいろあるんだとは思うんだけども、でも、やっぱり新興国の勢いというんですかね、そういうエスカレーターのスピードが違うってね、これは本当に感慨深くて。こういう違いがビジネスのいろんなシーンに出ているので、僕はすごく当時ね、10何年前ですけど、「速いな! エスカレーター」と、「この感覚で事業をやっていかなきゃいけないよな」と、10何年前じゃないな、20年ぐらい前ですかね、感じた次第で。ちょっと最近エスカレーターね、あまり考えてなかったので、もしかしたらASEANもだいぶスピードを落としてきているかもしれないですけど、20年前の当時はめちゃめちゃ速かったという、そんな思い出話でした。
その記事のことを覚えていてくださっていて、「読んでました!」とかって言って、具体的に記事のこともその人の頭の中に残ってくださっていたのはうれしいなと思ってね、少し懐かしいのとうれしいのと、そんなことがありましたというお話でした。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。