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ASEAN・インド ディストリビューターの契約解除 その1

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、ディストリビューターとの契約解除についてお話をしていきたいと思います。

ディストリビューターとの契約解除ですが、B2C、いつもお話しているB2Cの日用消費財に限らず、製造業さん全般に向けての話ですけど、新興国市場で今の現状のディストリビューターに必ずしも満足していないと、「もっとやってほしい、もっとできるはずだ、もっとやらなきゃいけない」というような思いを持ちながら、なかなか不完全燃焼な状態が長く続いているという企業は決して少なくないんじゃないかなと。そうは言ってもディストリビューターを変えていくというダイナミックなアクション、意思決定がなかなかできていない。それで5年、10年、15年と来ている、こういうメーカーも非常に多い、少なくないですねと。なぜこういう状態が起きているかということなんですが、先進国と比べて新興国市場って…。先進国って日本のメーカーが自ら市場をつくりにいった、主体的につくりにいったので、販売チャネルも主体的につくりにいった市場なんですよね。これは欧米も日本国内もそうですけど。一方で新興国市場というのは、そもそも日本や欧米市場で使うものを安くつくるために生産拠点として発展をして、その生産拠点としての発展の恩恵として消費市場がそこに生まれたので、基本的には主体的に消費市場にモノを売り込みに行ったかというよりかは、生産拠点として出ていって、生産拠点が発展したのでそこに消費市場が生まれて、現地側から「あなたたちの商品を売らせてくれ」という、そういう話が出てきているので、必ずしも主体的に販売チャネルをつくったかというと、そうじゃなくて、ディストリビューター側から、ディストリビューターにもう任せきりで何十年と来ていると。そうなんだけども、今、新興国市場がかつてよりも非常に重要な市場になってしまったがために、もっとやらないといけない、もっとやれるはずだという、こういうメーカー側の思いと、ディストリビューター側の最少の投資で最大の効果を生みたいと、ファミリー企業ですから、今まで投資してきたもの、今あるアセットで利益を最大化したいという思いがなかなかかみ合わなくなっていると、こういうご相談を非常に多くわれわれも受けるんですよね。

結論から言うと、まず何がどう駄目なのかを数値でしっかり把握するということがめちゃめちゃ重要で。とにかく満足していないんですと、何が満足していないのか、分かることはもっと売上を上げたい、もっとシェアを伸ばしたいということだけで、なぜ今のディストリビューターで上がらないのか、競合と比べて相対的にどう問題があるのか、何が足りていて、何が足りていないのか、そういったことがまったく数値で見えていない中、漠然と今のディストリビューターではなかなかというね、こういう課題認識になってしまっていて。このままだと何の対策も打てないので、われわれがやるのは、まず今のディストリビューター、いわゆる今のお客さんの販売チャネルがどういうレベルにあるのかということをまず客観的に診断をするということをやるんですよね。それは市場の競合に比べて何が足りていて、何が足りていないのか、例えばディストリビューターの数や質、そこに組み込まれている組織、それからその組織が日々どういうマネジメントをされていて、どういう活動をしていて、だから、その結果、今こういうシェアがあると、売上があるとかっていうことを全部見ていって。その中で今後の当該国の市場の成長率を考えたときに、5年後、10年後、こういう未来が今のままだと待ち受けているということを推計立てていく、仮説立てていく。だから、変えなきゃいけないんだという。まずお客様の中でも意思決定をする人がやっぱり意思決定をしないといけないと。意思決定をする人が、火を見るより明らかにAよりBだと分かれば、これは意思決定ってすんなりいくわけですよね。じゃ、なぜ意思決定が進まないかって、これ、決めるべき人が決めない、決められないというのもあるのかもしれないですけど、なぜ決められないのかというのは、やっぱり材料が数字で目の前にないから決められないんですよね。なので、われわれは今のディストリビューターではいかに駄目かということを数値でしっかり可視化する、分析する。その上で、さらに決めるということは、じゃあ、どうすればさらに改善できるのか、そしてもっと言うと、どうすればリスクを最小限に抑えた上で将来のポテンシャルに対して改善をしていけるのかというところまでを設計をしていくというのがわれわれの主な仕事で。われわれは販売チャネル屋ですから、やっていることは2つしかなくて、お客様の販売チャネルの設計とその実装を日々やっているわけですけど。言っても9割のお客様はすでに進出している大企業なので、基本的には今あるチャネルを、設計思想なんてもともとない中で、今、結果としてこのチャネルがあるという状態なので、それを、再設計と言っていいのか、今まで設計思想を持っていなかったですから、1から設計し直して、勝てるチャネル設計をして、それを実際に実装していく、つくっていく、こういうことをしていくんですけど、そのときも同じようにやっぱり今のチャネルを数字でしっかり見ていく。

1つ言えるのは、ディストリビューターのほとんどは華僑ですよね。ディストリビューターを変えていくということに対してね、もしくは…。段階がもちろんあるんですよ、いきなりスパッと変えないですから、まず今後、まず市場をディストリビューターより理解していないという現状が日本企業の場合あるので、徹底的に市場調査をやって、リサーチをして、競争環境を見て、市場環境を見て、流通環境を見て、お客様に市場を理解していただくということがまず1つですよね。その中で、今現状こうなんだけど、私たちはこういう世界を描いているので、今後こういうふうにやっていってほしいという、まずチャンスを与える。彼らがそれをやってくれれば、当然それですんなりいくんですけど。もうね、9割方それはできないですよ。今まで、やれるんだったらもうとっくにやっていて、やれないから今の状態なんですよね。なんだけども、独占を、権利だけは主張する、独占が欲しい、何とかが欲しい、ああが欲しい、権利だけは主張する状態になっていて、それを20年、30年、やらせてきているので、いきなりこっちが厳しくいきますよと言ってもね、それはなかなか難しいので、正直、時間をかけて併用していく。日本企業の場合、理由もないのに1カ国1ディストリビューター制とかって言ってやってきているのを、2ディストリビューター制に切り替えて多少の競いをそこに持たせたりとかっていうことをするんですけど、そういうことをやっていく。まず、チャンスを与える。でも、それはね、彼らに「ほら、できなかったでしょ。だから、もう1社のディストリビューターを使うんですよ」ということを納得させるためのプロセスでもあるんですよね。でもね、結局、華僑は銭金なので、それを粛々とやっていったからといって、「もう俺は売らない!」なんて言って、今のビジネスを捨てるほどお金を安易には考えていないので、基本的にはずっと駄々こねていると思います。納得は最後までしない。でも、それでいいんです。むしろ彼らに「分かった。それでやっていこう」という理由はないので、ずっと反対し続けるんですよね、通常ね。なぜならば、「分かった」と言ってしまったら、それでおしまいだし、「分かった」という理由はないので、ずっと反対しておけば基本的には何かの折にまたいい好条件をメーカーから引っ張れると思いますから、それでケツをまくったり、けんかを売ってきたりとか、そういうことは基本的にはないので、法律面の契約書上のことは粛々としっかりやって、一方で先方の同意を得るとか、先方の納得を得るというのは最後まで100%は得られない中でもう1つを立ち上げていくという、そういうプロセスが通常。なので、それは健全なかたちですよと。

多くの場合は、やっぱり同じエリアで競わせても、なかなかこれは自社内競合してしまうので、基本的にはエリアを分けて競わせるという。結構、日本企業の現状のディストリビューション契約を見ていると、単年度になっていて、単年度だとやっぱりディストリビューター側の投資意欲も落ちるしね。だって1年契約ということは正味10カ月ぐらいなので。やっぱり成功している企業というのは、先進グローバル企業とかは2年ないし3年ぐらいで契約をするし。あと、ディストリビューターの何が得意で何が不得意かを理解していない状態で契約をしているので、全部に対して独占を与えていたりとか、そういうこともあるので。彼らの得意なところには独占を与えて、複数年契約を与えて、でも、コミットメント、最低年間これは買ってねと、一方でそれ以上に目標はこれだけやりましょうねというような設定値がないといけないので。新しいやり方に、新しいディストリビューターとはしっかり整備をしていく。こっちはもうぬるま湯でやってきてしまったので、いきなり厳しくいていきますと言ってもね、これはステップ踏んでいかないと、やっぱり慣れさせるということはすごく重要で。こっちは最初からできるので。こういうやり方が、競合と比べていくと、「自分たちはなんて間違った契約をしていたんだろう」とか、「なんて間違った組織づくりをしていたんだろう」とか、「なんて間違ったマネジメントをしていたんだろう」ということが分かってくるので、そういうことをやりながら移行していく。1年、2年かけてやっていくわけですけど、非常に繊細な作業なのであれですけども。

でも、やっぱり駄目だということが分かっているのに、その状態で続けたとしてもね、自分の担当が変わればもう関係ないのかもしれないですけど、でも、やっぱり会社は自分が担当を変わってもずっとその市場で成長し続けないといけないわけなので、やっぱり本当に駄目なのか、何がどう駄目なのかを数字でまず可視化するというところからすべては始まっていくと思います。その可視化がなければ設計も実装もできないので、そうやってディストリビューターは切り替えをしていくというお話でございました。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。