森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、売ることをディストリビューター任せにしないということについてお話をしていきたいと思います。
私、こういう仕事をしていますから、ディストリビューターの社長さんとかオーナーさん、アジア新興国中のオーナーさんとお話をする機会が多いですと。うちのチームも含めてですけども、そういうことをする中、やっぱりディストリビューターと話せば話すほど、売ることを本当に絶対にディストリビューターには任せてはいけないなと。同時に、いかにたくさんの日本のB2Cの消費財メーカーがかなりの部分をディストリビューター依存になってしまっているか、ディストリビューターに主導権を握られているようなところ、こういう企業は非常に多いと。ディストリビューターは重要なので、活用するということはもちろん大切なんですよね。ただ、これって、どういうディストリビューターをどう活用するかということがめちゃめちゃ重要で。やっぱり日本のB2Cの消費財のメーカーのアジア新興国展開って、どちらかというと受け身で始まっているんですよね。どちらかというとというか、完全に受け身で始まっていて。例えばアメリカの市場って、こちらから望んで出て行ってるので、比較的いろんなことが戦略的に進められているという歴史的背景があるんですよね。これは戦略もそうだし、ディストリビューターの選定もそうだし、自分たちが自らその市場を開拓しに行ってるので、その昔ね。一方で、そうこうしている間に、アジア新興国市場というのはもともと生産拠点で、その生産拠点としての地位が確立されてくると当然そこに消費市場が生まれるので。その消費市場が生まれたタイミング、これも20年30年前ですけど、そのタイミングで向こうから売りたいと、商品売らせてくれと声がかかり、やってみた、こういう受け身の始まりが非常に多いので、任せちゃってきたという、これ非常に多いですよね、20年30年任せてきていますと。当然ながら、年成長、非常に高い経済成長しているわけですから、ASEANもインドも、新興国という国は。普通にやってたって伸びるわけですよね、グーッとね。
今こうして蓋を開けると、中途半端にB2Cだと数十億とかっていう売上が1カ国立っていますと。でも、もっとやれるはずだと、もっとやらないといけないという中でディストリビューターがもう守リに入ってるので、それ以上はやりたくないと。かといって、もらってる独占を他人に渡す、権利を他のディストリビューターにばらまくなんていうことは許さないと、こういう状態で膠着してしまっていて、弱気の日本企業の中にはのれん代払って無駄な経費を積み上げて何とかディストリビューターごと買収するとか、もしくはのれん代払ってどうするとかっていうことになっている企業もあると。こういうのもやっぱり欧米の先進的なマーケティングオリエンテッドのB2Cのメーカーなんかは、ディストリビューターの交換なんてもう本当にパンパンパンとやっているので、そんな仰々しく、そんなことまでっていうことはやってないんですよね。問題が起きることが嫌なので、もうその分お金払って解決してしまいますみたいな、そういうシーンもたくさん見てきているし。散々時間かけて切り替えが遅れたのに、さらに最後にそんなにお金積むんですかみたいなね。時間とお金、両方結局無駄にしたじゃない、だったら最初からお金だけ積んでおけば時間は有意義に使えたのにというケースも当然たくさんあるし。もっと早く動いていればみたいなね。そういうことを日々の仕事の中でたくさん見るんだけども、やっぱり分からない人たちが分からない人たちだけでそれを推し進めようとすると、当然何か問題が起きないようにしたいので、問題が起きそうなところに問題が起きないようなパッチを貼っていくという作業にしかならないので。やっぱり何かを変えるってことは何か起こるんですよね。それは起こっていい問題なのか、起こってはいけないイシューなのか、イシューの種類をしっかりと分類するということのほうが重要で。起こってはいけない問題を起こさせない。起こっていい問題は受け入れないとやっぱりいけないと思うんですよね。今まで何十年もディストリビューター任せにしてたものを急に切り替えますっていうのは、これはやっぱりなかなか大変で。我々もやるんですけど、すべてが気持ちよく、みんなが最初から気持ちよく合意して、「はい、行きましょう。気持ち切り替えて」なんていうのは絶対に起こりえない。だからこそステップを踏んでやっていく必要があるんですよね。二度とディストリビューター任せにならないように、しっかりと戦略的に次のディストリビューターとのディールを組んでいく、そういうことがこれからの日本の製造業の新興国市場の本当に重要なTo Doなんだろうなというふうに僕は思っています。
一部の絶対的に製品優位性を持ったB2Bの製造業以外、自分たちしかつくれないというような技術、革新的な技術を持ったB2Bの製造業以外、B2BもB2Cも基本的にはプロダクトもプライスも自分たちでどうにでもなる。一番競合との競争で遅れているのはチャネルで、チャネルが遅れるとプロモーションの投資ができないので、チャネルをやっぱりいかに主体的に戦略的に描いていくか、ディストリビューター任せにしないということは重要で。やっぱりディストリビューターにはディストリビューターの都合があるので、ディストリビューターは基本的には長期で物事は見ません。今、この利益をどうつくるかという、中期でも見れないですよね。基本的には短期で見ていくし。やっぱり自分たちのディストリビューターとしての事業をどう伸ばしていくか。結局、彼らは常に、最初は我々がやって、市場が大きくなったらメーカーが出てくるんだろ、そして取り上げるんでしょという恐怖を常に持っているので、やっぱり完全に腹が割れるということはないんですよね。なので、うまくやれている先進的なグローバル企業は、やっぱり彼らが戦略を持って、それを握って、その中で任せていく。分からないから全部任せるのと、分かっていて部分的に任せていくことでは得られる結果は全然違うので、やっぱりディストリビューター任せにしないということを、ディストリビューターと話せば話すほど、僕はそう感じる今日この頃だなというふうに思っております。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。