アジア新興国 – 改めて調査の重要性
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この放送の要点
- 消費者調査はサンプル数より深さ。突撃型でなければ真実は見えない。
- それ以上に重要なのが競争力の比較。シェアは競合から奪って上がる。
- 理由なき1カ国1ディストリビューター制や、不得意地域への独占付与が実態。
- 調査で終わらせず、戦略に変え、実行して成果に変えられる相手を選ぶ。
闇雲な調査は費用の無駄です。消費者調査はサンプル数より深さが重要で、調査に答えることを生業とする人から得た情報には懐疑的であるべきです。それ以上に重要なのが競争力の比較です。調査というインプットを戦略というアウトプットに変え、実行して成果に結びつけられる相手を選ぶ必要があります。
テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、この番組でも再三お話をしてきましたが、調査の重要性、これについてお話を今一度していきたいなというふうに思います。これは調査の重要性と言うんですけど、闇雲に調査をしても、僕はこれはもうお金がもったいないだけなので、どこに調査の資源を充てていくかというね、予算を充てていくかっていうことはすごく重要で。もちろん消費者を知るということはすごく重要なので、B2Cの場合は消費者理解のための調査というのは僕はすごく重要だと思います。ただ、これはやっぱりバイアスがすごく大きくかかる話なので、僕はサンプル数よりもやっぱり深さだっていうことを僕自身はすごく感じていて。いかに真実を見れるかということがアジア新興国市場の消費者調査ではものすごく重要で、インターネット調査で、「はい、何百サンプル、1,000サンプルに対してこんな質問をしてみました。こんな傾向が出ました」って、それはどこかが発表しているデータをさらっと見たらよくて、そういうことではなくて、もっと少ない母数でもっと深い消費者実態を見る。だから、オフラインの消費者調査で、なおかつバイアスがかからない。そもそも、僕、調査に答える人たちの、調査に答えることを生業としている人たちに質問して得た情報というものに非常に懐疑的。特にアジア新興国市場の場合。だから、突然聞くとかね、突然訪問するとか、そこで本当に真実を見る。答えていることが真実じゃないケースって往々にしてあるわけじゃないですか。「何が欲しいですか」「りんごが欲しいです」と。口では「りんごが欲しい」と言っているんだけども、実はその頭の中に「もも」というものが今出てきてないから「りんご」と言っているだけで、ももを目の前に出したら、りんごよりももを掴むみたいなね、こういうことって人間って全然あるわけなので。本当に調査設計がすごい重要だし、真実を見抜くということをすごくわれわれは大切にしているので、かなり突撃的な消費者調査しかやらないんですけど、それは1つ、消費者調査はすごく重要ですよねということは1つですと。
ただ、これよりももっと重要なものがあって、それはやっぱり競争力の比較なんですよね。この番組でも再三お話してきていますけども、結局、シェアの奪い合いをすると。シェアはひとりよがりじゃないので、売上はひとりよがりかもしれないですけど、シェアはひとりよがりじゃないので、他社から1%シェアを奪うから自分たちのシェアが1%上がると。そう考えると、日々、市場で競合とぶつかり合っているわけですよね。競合が大き過ぎるからとか、競合はこうだからとか、自分たちのほうが品質がいいとか、そんなことはまったく関係なくて、消費者にとって競合と見えているか見えていないかという話でね。ほとんどシェアがなければ、自分たちが競合と見られていないというケースはあるかもしれないけども、基本的に消費者にとって競合になっているのか、なっていないのか、消費者の視点で考えるというのはすごく重要で。そう考えたときに、やっぱり日本のメーカーはアジア新興国市場で何が絶対的に劣っているかと言ったら、商品でもないし、価格でもないし、チャネルなんですよね。チャネルが弱いとプロモーション投資がダイナミックにできないし、仮にやっても砂漠に水をまくような話になるので。やっぱりこのディストリビューション・チャネルというものをサボってきた歴史的背景があって。分かりやすく言うと、理由なき1カ国1代理店制、1販売店制、1ディストリビューター制というふうに言ったほうが正しいですが、そういう状況だったりとかね。あと、全然強くない地域で独占を与えていたりとか、その国全部に独占を与えてしまっていて、この企業はホーチミンが強いのに、ハノイ、ダナンにまで独占を与えていましたとかね、ジャカルタが強いのに、なぜかスラウェシとか別の地域にも独占を与えていましたとかね、メトロマニラが強いのに、セブ、ダバオにも独占を与えていましたみたいな、そういう状況があるわけですよね。だから、付き合っているディストリビューターの質、数、そしてそこで働くセールスマンの数、質、それから専属の有無、それから店舗の訪問数、特に消費財の場合は伝統小売は重要で、1日に10件しか回っていないとかね、競合は25件回っているのに自分たちは10件でしたみたいな話が往々にしてあって。こういうところを可視化して、自分たちが何年までにどこまでチャネルを高めていくとどういうストアカバレッジが獲れて、そのストアカバレッジが獲れるとプロモーション効果がこういうふうに跳ね上がってくるので非常に効率がいいと。そこまで投資を投下しようと、資源投下ですというふうに組み立てていかないといけないし、それをもって上を説得をしていくという話になるわけですけども。こういう競争力に関する調査というのがやっぱりすごく重要で。
問題は、やっぱりこれら消費者調査も競合調査も然るべき専門家にしっかりお願いをするということがめちゃめちゃ重要で。われわれは特にこのチャネルの構築を専門にした会社なので、競争力の調査というのは日々やっているわけですけども。極端な話で言うと、消費者調査会社に競合調査をお願いしてみたりとか。競合調査といってもピンからキリまであるのでまちまちなんですが、やっぱり調査するだけじゃ駄目で、インプットを得るだけなのでね。インプットを戦略というアプトプットに変えてくれるところ、なんならそのアウトプットを実行してアウトカムに変えてくれるところ、こういうところをやっぱり選択していかないと、つながっていかないですよね。インプットだけだったらまったく意味ないですよ。これはただ詳しくなるだけなので、お勉強しているだけと。じゃあ、アウトプットという戦略を描いて、これも絵に描いた餅までですよね、戦略を描く。実際にそれをやってアウトカムにするというところまでがセットなので、そこまで見通して支援ができるところ、こういうところとやっぱりある一定期間、覚悟を決めて一緒に進んでいくということが重要なんじゃないかなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。



