森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、ディストリビューターでも、小売でも、商談をするときに、新規の、誰と話すかによってまったく回答が変わってくる、いかにライトパーソンに行き着くかということが非常に重要なわけですけども、そのことについてちょっと今日はお話をしていきたいなというふうに思います。対象はいつも通り、ASEAN、インドを中心としたアジア新興国市場で、最近では中東とかね、南米、アフリカなどもご依頼が増えてきております。
そういった中で新規でね、例えばディストリビューターを探すとか、B2Cだと小売と商談をするとかっていう過程においてね、「いいな」と、「この小売に売りたいな」と思うから、その小売と商談をするわけですよね。もしくはディストリビューターも、「このディストリビューター良さそうだな」と思うから、そのディストリビューターと商談をするわけですよね。そういうケースにおいてアプローチをしていく中で駄目…。スキルセットをわれわれは見るわけなんですけどね、スキルセットを見て、スキルセットというのは自分たちよがりで全然構わないので、自分たちがこういう機能が欲しいとか、こういうスキルが欲しいとかっていうことを前提にね、例えば10億やりたいから、売上5億のディストリビューターじゃ、それは10億回せないので、60億ぐらい欲しいよねと、そういうことで消去していって、スキルセットがあるないということを判断していくわけですよね。自分たちがこれらはスキルセットはクリアをしていると判断をして、そのディストリビューターと取引をしていきたいと、可能性があるのでもっと深く探っていきたいというタイミングのときにね、やっぱりまず彼らにわれわれのやろうとしていることを大枠で説明をして、それにピンと来るか来ないかというのが詳細のディールに入る入り口にあるわけですよね。この全体像をお話するときに、われわれが何者で、この国で何をしようとしていて、将来こういう世界を見ていますと、その中でこういうことのできるディストリビューターを探しているというね、まず「Who we are」ですよね、私たちが何者なのか、何をしようとしているのかということと、そこに対して将来こういうことがこの市場では起きるという未来像を見せてあげるということはすごい重要で。特にディストリビューターにそんなに先の未来は見えていなかったりするケースもあるので。その中で私たちはどんなパートナーを求めているのかということを大枠でお話をして、そのときにそれにピンと来たら話が詳細でもっと進むんですけどね。
これ、いつもお話している通り、ディストリビューターなんて高々数十億、数百億なので、基本的にはオーナーと話さないと駄目ですよと。今まであったケースでいろいろあるんだけども、社長と話しているのに物事が決まる手前でとん挫するとか、あと決まった後だらだら動かないとかっていうケースって全然あって。これはどういうことかと言うと、その社長が結局雇われ社長なんですよね。オーナーが別にいて、自分たちのグループ会社の1つがそのディストリビューターで、右から左に配置転換があったりとかしてしまって、結局はオーナーと話さなかった、社長だから大丈夫だろうということでオーナーと話さずにそうなったというケースが1つ失敗事例としてはある。あまりにも大きな会社だとオーナーと話せないというケースもあるわけですよね。だって、自分たちがやろうとしている商売が、「いや、取りあえず向こう3年で5億ぐらいなんです」みたいな話だったら、そういうレベルの話にわざわざオーナーが出てこないとかっていうケースって全然あるわけですよね。だから、非常に難しいんだけれども。あと、オーナーの性格にもよりますしね。でも、逆にそういうところと、じゃあ、始めてしまっていいんだろうかと。だって向こうが、結局それね、オーナーがもうあまり興味ないとかって、提携してやっているのにね、興味ないって言い始めたら、もうもう制御不能なわけですよ。社長の首根っこはつかまえているけど、社長の首根っこをつかまえたところでどうにもならないので。だって、決めているのはオーナーだから。オーナーとは面談はしているけども、かなり遠い存在。電話をかけてお話ができるような間柄じゃない。そうすると、何か問題があったときに膝詰めて話ができない。そんな合意決定、ないじゃないですか、そんなのね。だから、やっぱり僕はそういう自分でコントロールが利かなさそうな会社とは組まない。確かに大きくて魅力的なんだけども、結局、今のお客さんのレベルで考えたらね、向こう3年で5億、6億の商売をやろうと言っている、そんなまだ規模なのに、こんな大きい相手と組む必要ありますかという話なので、大きければいいという話じゃないんですよね。だとすると、ある程度、僕は経営者が40~50代で、まだ1代で、自分で最後あと1発、2発、人生かけてまだ球を打てるような年齢でね、まだ活力もあって、後継ぎもしっかりスタンバっていて、もう1つの事業の柱が欲しいというようなね、そういう会社を僕は選ぶので、こういう失敗の事例も過去にはある。
逆にいうと、華僑ですよね、ディストリビューターはほとんどが。ファミリーでやっていて、親戚の子が会社にいたりとかで重要なポジションにいると。これはもう一族の事業で、この親戚のラム君がやっているから、ここと話しておけば大丈夫だみたいな、こんなの全然駄目で、自分の直系の息子、長男とかっていったらまだ、まだお父さん、おじいさんで、ほとんど長男に権限を委譲しているとかっていう状態だったらいいですけども、親戚って、これ、創業社長の、オーナーの弟の息子じゃないとか、妹の息子じゃないとか、そんなのだったり、娘というケースもあるわけですよね、ASEANだとね、女性が優秀なポジションで働いていますから。そうなったときに、そこと合意が取れたんだけども、その先のオーナーで駄目だったというケースもあるし。逆にいうと、そこはピンと来ていなかったと、「いやいや、うちはもう興味ないのよ。もっと大きいところを扱っているんだから。あんたたちみたいな日本のメーカーがちょっと出てきて、なんかしょぼいことちょっとやって、駄目だったらすぐ撤退するんでしょう」みたいな偉そうなことを言っていたんだけども、オーナーとしつこくそのあと交渉して会ったら、「いやいや、そんなことはまったく思っていない。何ならもう欧米のやり方にはうんざりしているから、日系と地に足つけてやっていきたい」みたいなオーナーも中にはいるし。
なので、どのレイヤーで、もうこれ以上行かないって決めるかということはすごい重要で。オーナー社長と話せる会社なのかどうなのかということもそうだし。あと、話せない会社なんだったら本当にそことやるべきかというのも1つそうだし。これももう超大手だったら、まだすべてがシステマチックにいっているんだとするとあれですけど。でも、僕はそれでも日本の大手のB2Cのメーカーがこれからビジネスをやるのに、言ったら0→1でチャネルつくっていくみたいなステージで入っていくわけですよね。今、既存で少しやっていたとしたって大して大きな商売じゃないと。そうすると、これ、かなりスタートアップの立ち上げに近いような馬力が必要になっていく中で、それを売らせようとしている相手としっかり膝詰めて話ができない、首根っこをつかまえられないとか、そういう状態でアンコントローラブルな状態で僕はビジネスするのは嫌いなので、僕はそういう選択はしてこなかった。やっぱりそういう選択をしてしまったことで失敗をしたという経験が相当にあるので、今こうして25年を振り返ってみると、やっぱりそこはコントローラブルで、自分がいかに当事者としてそれをコントロールできるかというところがめちゃめちゃ重要かなというふうには感じています。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。