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第527回 アジア新興国 成功するために持つべき「基準値」

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も前回に引き続きで、この過去10回前後ぐらいで私がお話している、「思考」の話と、「基準値」の話と、「視点」の話、この話の総集編ということでまとめをやっています。

前回、「思考」を改めましょうと。どういう「思考」が間違っている、失敗する企業の思考と、成功する企業の思考みたいなお話をしていて、僕の無駄話が長くて、3つやるつもりが、「思考」の話で終わってしまったということで、今日は「基準値」のお話をしていきたいなというふうに思うんですが。

「基準値」、結論から言うと、日本の製造業がアジア、グローバルサウスを中心とした新興国市場に展開する際に、自分たちの勝利の「基準値」を持っていない。勝利の「基準値」と言うと大げさですけど、自分たちの目標を達成するため、もしくは競合を負かす、打ち負かすための「基準値」を持っていないということが往々にしてあって。例えば、「シェア2割獲りたいんです」とか、「あの競合よりも高いシェアを獲りたいんです」と、「じゃあ、それをやるための「基準値」って何ですか」とお伺いすると、「えっ、何の話?」ということになってしまって。「基準値」というのは、目標や目的を達成するための基準となる値のことを僕は言っていて、例えば、シェア20%を獲るためには、どれぐらいの、B2Cだったらストアカバレッジが必要なんですかと。その上で週販何個売る必要があるんですかというのが「基準値」なんですよね。じゃあ、このストアカバレッジを、例えば、20万店やるためには、何社のディストリビューターを、どういうふうに配置することが必要なんですかと。これも「基準値」ですよね。さらに深堀りしていくと、じゃあ、その1社あたりのディストリビューターの中には、何人のセールスマンがいるべきで、そのセールスマンがどういう活動をすると、この20万店につながるんですかという、深堀っていくという、逆算逆算でゴールから深堀りをするということは非常に重要で。この「基準値」がないと、永遠にこの「シェア20%にいきたい」という目標や目的って、ずっとぼんやりしてしまっているんですよね。着実に近づいていかない。この「基準値」がなかなかやっぱりなくて、とにかく大手のディストリビューターがとにかく頑張るみたいなね、頑張ったってシェア20%にはならないので、そこがすごく重要で。

特に競合をベースに自分たちの「基準値」を掴むということはすごく重要。例えばね、競合の競争力を100とした場合に、自分たちが70なのか、60なのか、はたまた40なのか、30なのかということを見極めないで市場で戦う、こんなナンセンスな話はなくて。その差を埋めていく、その差を3年で埋める、5年で埋めるということをやっていかなきゃいけなくて。じゃあ、シェア20%を獲っている競合は、どういうディストリビューターを何社使って、日々どういう活動をしているのか、どういう経営資源を、どういうタイミングで、どこに投下しているの?とか、こういうものは全部「基準値」なんでうしょね。こういうものを全部把握して、自分なりに目標や目的を達成する指標を掴まなきゃいけなくて。ここがないと戦略がぼわっとしてしまう。なんとなくこんな感じでドーンといきます。ストラテジーみたいなね、そういう話になってしまうので。細分化なんですよね。アニュアリーをマンスリーにして、ウイークリーにして、デイリーにして、時間にするみたいなね、それぐらいに細かく細分化していくので、でかいディストリビューター、じゃあ、その中身は何なんですかという、それも細分化だし、とにかく細かく細かくしていって、自分たちの目標や目的を達成するための「基準値」というのは何なのか、この「基準値」を持っていない企業というのはシェアも低いし、競合にも勝てないというのが実態でございます。「基準値」を持つということは大変重要です。

今日も話が長くなってしまって、「思考」「基準値」「視点」と3つあるうちの最後の「視点」の話ができなかったので、「視点」の話は次回お話したいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。