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消費財メーカーにとってのタイ+VIP(ベトナム・インドネシア・フィリピン)

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、タイ+VIP(ベトナム・インドネシア・フィリピン)ということで、消費財メーカーさん、食品・飲料・菓子・日用品等のFMCG並びにFMCG周辺の消費財メーカーに向けてのお話になってくるかなというふうに思います。

前回、RCEPのお話をしました。RCEP、ちょっとスライドをお願いします。地域的な包括的経済連携協定のことをRCEPというふうに言いますと。この中国から、紺色、ネイビーと水色の部分ね、色のついている部分、ここに書いてある国名すべてを合わせて、人口で世界の約3割、GDPで世界の約3割、そして貿易総額で世界の約3割、世界で最も大きなフリートレードディールが今まさに存在していると。この魅力的な市場が日本の消費財メーカーにとっては、消費財メーカーだけじゃないですよね、日本の製造業にとっては大変重要。今までの日・欧・米の経済支配の時代から、アジア新興国市場に富がシフトしていっていると。そして、日本の少子高齢化を考えたときに、この特に食品とか飲料・菓子・日用品メーカーなんていうのは数が勝負ですから、食品だったら胃袋の数、いかに若い胃袋を取るかということが重要だというふうに前回お話しましたけども、そうすると、このエリアって本当に重要になってくると。この中でも特にASEANがやっぱり、弊社でもここ何年か見ていても、もうご相談、プロジェクトの数が圧倒的に多いのがこの…、次のスライドをお願いします。この4つの国、タイ+VIP(ベトナム・インドネシア・フィリピン)ということで、なぜこれはタイ+VIPと書いているかと言うと、タイはSMTの一角なので、シンガポール・マレーシア・タイ、SMTと僕は呼んでいますけども、先進ASEANですよね。ASEANの中でも先進的なASEAN。つまりはFMCGで言うと近代小売だけでも十分利益が確保できるような市場。そして、人口も少なめ。例えばシンガポールなんていうのは600万人程度だし、3,000万人4,000万人がマレーシア、タイが7,000万人ということで。一方で、振興ASEANと私が呼んでいるVIP(ベトナム・インドネシア・フィリピン)は、ベトナムで9,800万人なので、1億弱いるわけですよね。インドネシアで2億7,500万人なので、もう時間の問題で3億人を突破しますと。そして、フィリピンで1億を超えていますねと。この平均年齢を見てもらったら分かると思うんですけども、タイで38歳、なかなか大きくはなっているものの、ベトナム31歳、インドネシア29歳、フィリピンなんてまだ24歳なんですよね。小売の市場規模、これはちょっと為替で、150円の為替で書いているのであれですけど、17.5兆円、23.4兆円、45.3兆円、そして23兆円ということで、もう110兆円規模の小売市場がこの4カ国だけであると。日本の小売市場規模が150兆円ですから、3分の2あるわけですよね、この4カ国で。ASEAN6で考えると、もう130兆円を超えていますから、ほぼほぼ日本の小売市場規模と変わりませんよと。このASEANの見方なんですけど、国単位、都市単位で見ていくっていう視点も重要ながら、やっぱりこれはこの地域一体を1カ国として見るという視点もすごく重要で、シンガポール・マレーシア・タイ・ベトナム・インドネシア・フィリピンを、東京・名古屋・大阪・福岡・札幌みたいなね、こういう観点で見れなかったら、これはやっぱりこのASEAN地域のこの連携、私が住んでいた80年代後半とか90年代に比べて、ASEAN6の各国の連携度合いとか、人・モノ・カネ・情報の行き来の度合いなんていうのはもう格段に進んでいるので、この地域をいかに1つの国として見ていくかということもやっぱりすごく重要で。もう、ベトナムだけやりましょうとか、フィリピンだけやりましょうみたいな、国別戦略みたいなのはね、それはミクロは戦術を考えるときには重要ですけども、やっぱり全体最適、もしくは標準化戦略みたいなものをちゃんと設定した上で、それは部分最適、現地適合化していく必要があるので、基本的にはマクロの視点で考えたときに、この地域全体で見ていくというのはやっぱり大変重要かなと思います。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。