ASEAN・インド 強固な販売チャネルの『実装』に必要な3ステップ
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、強固な販売チャネルを実装するための3つのステップについてお話をしていきたいと思います。対象は製造業全般、B2B、B2C問わずで構わないと思います。ちょっと事例がB2C、いつも通りね、日用消費財のB2C寄りになるかもしれませんが、基本的には製造業全般でございます。対象エリアは、ASEAN、インドなどを中心とした新興国市場になります。強固な販売チャネルの実装に必要な3つのステップということですけど、この番組でもいくつか前のエピソードで、強固な販売チャネルをつくるためには販売チャネルのまず設計が非常に重要ですよと。この日本の多くの製造業、シェアの低い製造業というのは設計思想をそもそも持っていないと。設計できていないので、結局、弱い販売チャネルしかつくれない。欧米の先進グローバル企業とか、今、成長著しいローカル企業は、販売チャネルの設計思想をしっかり持っているので、設計ありきで実装していきますよということがあるので、まず設計が重要ですよということをご理解いただいて。
ちょっとスライドを見てもらったほうがいいかな。スライドをお願いします。このスライドの通り、まず設計がある。販売チャネルの設計がある。赤いほうですね、左側の。この設計というのは、市場環境であったり、競合、競争環境であったり、流通環境であったり、こういったものをしっかりと可視化をした上で、基準値をしっかりつかまないといけないですよね。シェアを上げるというのは、独りよがりでシェアは上がりませんから、他人から5%のシェアを奪うから自分のシェアが5%上がると。そうなってくると、市場環境や流通環境を加味しながら、競争環境を見つつ、敵を100とした場合に今の現状の自分たちがどれぐらいで、それをどういうふうに、どこまで高めていくのかということを完全に可視化するから設計することができるわけですよね。なので、非常に調査能力が求められる。この設計がしっかりと出来上がっていて初めて実装に入れるので、まずは設計をしっかりしないといけないと。
この設計をしっかりしたあと、実際に実装していくわけですけど、設計したものを実装できないというケースもあるんですよね。また、設計が絵に描いた餅、こんな設計、現実的には実装できないよねとかっていうケースもあるし、見た目きれいな設計なんだけども、実際には実装するとダメな設計というのもあるので、ここはもうまさにノウハウになってくると思うんですけど、設計があって。その設計が、じゃあ、最適な設計ができているということを前提に、じゃあ、実装していった場合に、実装も実装でやっぱり絵に描いた餅をどうやって現実にしていくかということなので、ここもものすごい経験値が必要になってくるんですけど。
その実装に必要な3つのステップということで、次のスライドをお願いします。大きく分けて、実装には、まずディストリビューターの発掘選定、それからディストリビューターとの契約交渉、それからディストリビューターの管理育成、この3つのステップを必ず通って、しっかりとステップを踏んでやっていかないと、われわれの経験上、強固な販売チャネルはできない。強固な販売チャネルをつくるということの成功確率を100とした場合に、設計で50なんですよね、この実装で50です。この実装を3つに分けると、発掘選定と契約交渉と管理育成があって、実装の50のうちのこれを、50を100とした場合にね、発掘選定で7割決まると言ってもいいかもしれない。いかに適切なディストリビューターなりパートナーを発掘選定していくかということがめちゃめちゃ重要で、これは単に大手であるとか、実績があるとか、そういうことではなくて、具体的に自分たちは「誰に」売りたいのかということがあって、じゃあ、その「誰に」売れる相手は誰なんだという、「誰と」売りたいのか。「誰に」売りたいのかということを明確にして、「誰と」売りたいのかということを決めていく。「誰と」売るなんていうのは、「誰に」売るよりも優先順位は下なので、ただ、日本の多くの製造業の場合は「誰に」売るということがぼんやりしたまま、とにかく「誰と」売るか、大手と実績のあるところ、大きくて財閥系で実績があってみたいな、ここの執着をしていってしまうんですけど、必ずしもそれが良いとは限らない。大手になればなるほど求める利益やシェアが大きいので、もしくは投資額が大きいので、導入期に大手と組んだって、大手が経営資源の大半をそこの小さなビジネスに注ぎ込んでくれるかというと、必ずしもそうじゃないので、実は少しコントロールのしやすい中堅規模のディストリビューターのほうが良かったりとかっていうこともあるし。これは競争環境にもよるんですよね。あと、自分たちが何年でどこまで行きたいのかということにもよって全然違ってくるので。そもそもどういうディストリビューターを選定するかというのは、実装の前のステップの設計の段階である程度決まってくるわけですから。だから、設計が重要ですよと。単に大手で実績のあるところ、そこを選べばいいんだということではなくて、市場環境と競争環境を見たときに、いや、ターゲットはここなんだから、自分たちは今、こういう時間軸で、こういう数値を引いているので、こういうディストリビューターがいいよねということが設計されているから、初めてそこの発掘選定にいけるというね。ここで発掘選定するというのは、設計したものを見つけにいく、選定しにいくということなので、基本的には設計がしっかりしていないと、発掘選定も意味がないということになるわけですよね。
その次に重要なのが契約交渉なわけですけど、多くの場合ね、日本の企業の場合、ディストリビューターとの契約交渉自体が儀式になってしまっていて、イベントになっている。これはイベントじゃなくて、契約交渉までにどれだけ契約締結と同時に初回の注文がガンと来て、その何カ月後かにリピートオーダーがバンと来るようなすり合わせをしっかりするかということで。結局、ディストリビューターに在庫取らせて、はい、終わりじゃ、もうこれはセルアウトしていかないので。いかにマーケットの現実をディストリビューターと一緒に共有しながら、「これだけの市場があるので、これだけの経営資源を投下したら、これだけ売れるよね。だから、あなたたち、こういうスパンでリピートオーダーできるよね。だから、年間これぐらい買えるよね」ということをロジカルに詰めていく。これをやらずになんとなく頑張ってください、ボーンで契約しても、そんなのはもう性善説なので。日本の市場だったら通用するかもしれませんけども、アジア新興国市場だとなかなか通用しないので、それをディストリビューターの候補を絞り込みながら、絞り込んだショートリストの相手とすり合わせていく。KPIの設定等をしていく。そんなことをやって、それが握れたので初めて契約書を合意すると、締結すると。契約書には守りの部分と攻めの部分があって、特に日本の企業は契約書の攻めの部分が弱いので、そこをしっかりやっていくと。
3つ目の管理育成。ディストリビューターを管理育成するという発想自体がもうほぼ、ほとんどのメーカーでは持っていないので、年に何回か定期訪問して、ディストリビューターが見せたい現場だけを見せられて、困ったときには景気と為替の言い訳をすると。売れないのは値段が高いからだ、安くすれば売れるんだと。安かったら誰でも売れるので、いかに1円でも高く売るかということはすごく重要なわけで。この管理育成というのは、契約のときに決めたKPIをしっかりとモニタリングできる状態、これを維持していかないと、性善説で進んでいってもなかなかその通りにはいかないので、常にモニタリングをして、常に問題や不正が起きない状態を物理的につくっておかないといけない。抑止力に近いようなものですよね。さらに管理をするということは、管理される側は窮屈なので、いかにシンプルに管理されていることを意識しないで管理をしていくかということはすごく重要で。営業から帰ってきて、5時6時に帰ってきてからExcelのなんかよく分からない報告をさせてね、管理する側はそれを見て「ふーん」と頷くだけですと。何かデータを出させるということは、それに対してやっぱりフィードバックができないんだったらデータなんて取っては駄目で。安心のためにデータ取らないという。もし安心のためにデータを取りたいんだったら、それは自動化して収集するようなことをしないと長続きしないし、相手の、管理される側の不満にもなっていくので、そこはしっかり気をつけないといけないとかね。あと、キーマンの育成。必ず筋の良い人材が出てくるので、こういうキーマンをどうやって育成していくかということもそうだし。あと、管理をするということは、競合の2倍も3倍もたくさんの密度の濃いコミュニケーションをしっかり取らないといけない。これはセールスのレベルのコミュニケーションもそうだし、中間管理職レベルでのコミュニケーションもそうだし、オーナーとのコミュニケーションもそうだし。何よりも管理する側が管理される側よりも、市場や競合のことをよく理解しているということが大変重要になってくるので。
こういう3つのステップを経て初めて強固な販売チャネルというのは実装されるので、ここをしっかり考えていくと、ステップを踏んでいくということが大変重要ですよというお話でございました。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。



