阪西:皆さんこんにちは、スパイダーの坂西です。今回も弊社東が海外出張のため、私阪西がナビゲーターを務めさせていただきます宜しくお願い致します。
森辺一樹(以下、森辺):皆さんこんにちは、スパイダーの森辺です。東ちゃんはまた海外出張ですか。
阪西:今回は、中国です。
森辺:中国。ニューヨークから帰ってきて、タイ行ってインドネシア行って、で中国。なるほど。リスナーの皆さんすいません、ナビゲーターの東がまたしても海外出張中ですので、秘書の阪西がナビゲーターを務めます。
阪西:お願いします。
森辺:それでは阪西さん、今日は何の話を。
阪西:今日はリスナーからの質問です。匿名希望ですので、大手メーカーさんとだけ申しておきます。質問内容ですが、弊社もいくつかの国に海外進出をしていますが、上手くいっている国、上手くいかない国、どちらもあります。上手くいってるっていっても大したことはないんですが、うまくいかない国の原因を探っているところ、森辺さんがポッドキャストでも再三おっしゃっている、販路構築が築けていないということが原因だと分かりました。この問題は他の企業さんも同じ理由でしょうか。もしくは弊社だけでしょうか。また、どうすれば販路を構築できるのかお教えください、とのことです。お願いします。
森辺:まず最初の質問なんですけども、日系企業の海外進出とか海外展開の撤退や失敗の理由が、販路が築けないという理由か否かということなんですけど、答えはイエスです。総じて多くの日本のメーカーさんの海外の撤退理由っていうのは、出たはいいけど結局販路が築けずに大して売上が上がらずに撤退と。もしくは現法なんかを作ってしまった場合には、現地法人の固定費が補えなくなって累積赤字が積み上がって、何かのタイミングで撤退の経営判断をするという理由が大半ですと。
結局メーカーが海外に展開した時に撤退をする理由って、その国で売上がしっかり上がってれば撤退する理由なんて全くないので、ほぼ撤退の要因の全ては、現地での販路が築けないと。物が売れない、簡単に言うこと。いうことが理由ですと。そのものが売れないっていうのも、物がダメで売れないというよりかは販路が作れずに…結局物が良いとか悪いとかの判断に至っていない。なのにメーカー側は自分達の物はその国には受け入れられなかったんだと思って撤退していくんですけど、これが僕は凄くもったいないと思っていて、いやいやそもそもあなたたちの商品は、まだ評価に値してないですよと。評価するところまで行ってないですよ、その手前の販路を築くというところに至っていないというケースが、やっぱり多いというのは大半だと思います。
なので、一つ目の質問はイエスであって、他の日本の企業さんも大手であろうが中堅中小企業であろうが一緒なので、ご安心くださいっていうのが一つですよね。
二つ目の質問、じゃあどうやって販路が作れるのという話なんですが、基本的に販路って、どうやって作っていくかっていう具体的なテクニックの論の話、スキルの話はひとつあるんですけど、まず日本のメーカーさんが理解しなきゃいけないのはその前段の話で。経営者から現場までが、本当に販路の重要性を会社として理解しているのかということがすごく重要で、ここがぶれると強固な販路って作れないですよね。
私が見てきた日本のメーカーさんの多くは、販路の重要性は頭では理解していても、結局どこかに物の良さとか自分たちが日本で作り上げてきた実績、それから高付加価値の商品などが邪魔をして、本当の意味で販路の重要性っていうのを理解をしている企業は大変少ないと。その中で、販路の本当の重要性を理解してないので、途中で戦略がぶれてっちゃうんですよね、どんどんどんどん。
結局メーカーにとってこの30年間、メーカーにとっての価値の源泉って大きく世界で変わっていると。価値の源泉て何、価値の源…つまりは、市場にとってのメーカーの値打ち、それが変わってきてるわけですよね。市場はその昔20年前30年前、メーカーの値打ちというのは作る力にあったわけですよね。作る力が高ければそのメーカーの値打ちが高かった。そのメーカーが作る商品の値打ちは、高かったと。これが30年前の話。つまりは、日本のメーカーが世界でも一世を風靡した時代。それが30年経ってみて、いろんな国のメーカーがいろんな物を作っているので、今ではアジアの企業でも大概の物は作れますよと。多くのものがコモディティ化したと。コモディティ化というのは、つまりは誰でも作れるようになっちゃったね。その結果、競争が激化して競争環境が変わったので、価値の源泉…いわゆる、市場に対してメーカーの値打ちっていうのは、作ることができるっていうのがもう大前提で、それ以上に売ることができる、つまりは強固な販路を作れるかどうかってのが、メーカーの値打ちを凄く決めていく大きな要因になってますよと。
ここに気づいているのかいないのか、もしくは気づいていながら「いやいや、そうは言っても高い技術で」と。「うちの商品は高付加価値だということになってしまっているのか、その両方なんですけどもね。中々その販路の重要性っていうことをからぶれていくということがあるので、まず会社としてその販路が重要ですと、チャネルが非常に重要だというこの一本軸を、しっかり頭の先からつま先までぶっ刺すって言う事がやっぱり凄く重要で、ここがあって初めてその販路を作るというテクニックとかスキルの方に行けるので、まずここの社内の共通認識が絶対に僕は重要だという風に思うんですよね。
なんで、また今日は時間もそろそろ来てるので、次回その残りのテクニック・スキルの所の話をできたらと思います。
阪西:はい、お願いいたします。
森辺:いいですか?じゃあ。
阪西:ではそろそろお時間になりましたので、この辺で終わりたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。