◆アズマ
こんにちは、ナビゲーターのアズマタダオです。
◆森辺
こんにちは、森辺一樹です。
◆アズマ
森辺さん今日はいろいろ、前回は伝統工芸品ということできたんですけれども、チャネルを作るにあたって、チャネルを作るのは比較的大手のメーカーさんなんかは世界中何十か国にチャネルがありますと。ディストリビューターがいますのでいいですけど。なかなかそこで売上が上がらなかったりどうしたらいいのかっていう形でご相談が来ることが非常に多いと思うんですけれども。それの原因じゃないですけど森辺さんなりの見解を少しお聞かせいただければなと思ってるんですが。
◆森辺
そうですね、チャネルを作るっていうこと自体は、チャネルの出来栄えがいい悪いっていうのは当然あるので、売れるチャネルが作れてるか、そうでないかっていう差はあれど作れますと。チャネルが作られると商品が小売りの店頭に並びます。並んでいくんだけど結局日本企業のアジア新興国展開見てると、プロモーション投資が非常に中途半端というかできてないというか、売れたらいいな、とりあえず置いてみたみたいな。置いても売れないですよね、プロモーションへの投資をしないと。チャネルづくりをしながら合間、合間でしっかりプロモーションを打っていくっていうことがすごく重要で、プロモーション戦略っていうものを日本の企業はしっかり考える必要が僕はある。プロモーションって投資ですよね。自分たちの企業そのものの価値とかポジショニングを確立させるものだし、その企業が売っている商品の認知度やブランド力を高めるものであって、それが最適化、最大化されて消費者がそれを棚から取ってそれを買うという行為になるわけですよね。だからチャネルがないと物理的に商品が棚にないので消費者は手に取ることができないわけですよ。ただ仮にチャネルを作って棚に置かれたとしても、その商品のプロモーションをしないと決して消費者はその商品に手を伸ばさないっていう、この二つって両輪なんですよね。でもちょっと前の日本企業は、今でもそういう企業いっぱいいますけどもね。その両輪すらやらなかったわけですよ。ゼロ輪だったみたいな。今チャネルの重要性わかってきたんで一輪になったんだけど、それでもやっぱりプロモーションに対する意識っていうのは非常に低いのは低いですよね。うちでもチャネル作って差し上げてプロモーションしないとかって。しないというかプロモーションの投資がいまいちという事例がたくさんあるんですよ。だからやっぱりそこは両輪であるべきだというふうに思うんですけど。
◆アズマ
なるほど。するとチャネルを作ったと同時にプロモーションをかけてかないとせっかく作ったチャネルも生きてこないということなんですかね。
◆森辺
そうね。チャネルを生かすも殺すも結構プロモーションにかかってて、特にチャネルに商品を並べた最初の数年間はしっかりプロモーションをしていかないと、それがなんなのかわからないですからね。見てわかるものもありますよ。見てわかるものもあるけど、アジア新興国の人たちにとって100円使うっていうことは我々が100円を使うっていうこと以上にすごく大きな決断というと仰々しいけどね。ダメだったら食わないで捨てればいいやとはなかなか思いにくいわけですよね、所得から考えても。そうするとその100円を使うっていうことに対して確実性を求めるわけですよ。例えば我々も一万円使う時に失敗したくないじゃないですか。だからよくよく考えます。でもよくよく考える時に情報がなかったら考えようがないんでその一万円の商品は買わないということとたぶん同じことだと思うんですけどね。なのでプロモーション投資というのは僕はすごく重要で今の日本企業には少し足りてないんじゃないかなっていうのはあると思うんですけどね。
◆アズマ
なるほど。そうすると森辺さんがよく言うグローバル先進企業なんかは、そこは積極的に投資をされるということなんでしょうか。
◆森辺
そうですね。例えばネスレ、P&G、ユニリーバ、最近なんか日本でもすごい目立つけどもレッドブルなんかもすごいじゃない。レッドブルなんてあのエネルギードリンク1本であんだけやってるわけですよね。あれは彼らの中でち密な計算があって、グローバルでこれだけ投資をして、これだけの消費者にこれだけの本数売ったらプロモーション投資が賄えるからこうだっていうことで、あれだけの巨額な投資をやり続けていますと。そこの計算がちゃんとできてるんですよね。よく欧米企業はプロモーション投資ダイナミックだからっていうんだけど、そんなダイナミック怖いにきまってるじゃないですか。アメリカ人だってスイス人だってみんな怖いわけですよ、ダイナミックなことするのは。その怖さを打ち消すのが計算式なわけじゃないですか。だからいくら投資をしたらいくら返ってくるというち密な計算があるから彼らはそのジャッジができるわけで。日本企業はうちは欧米企業とは違うからそんなにプロモーションできないんだよねが大前提で入ってますよね。でも商品がいいから、高いけどねっていうことじゃないですか。日本で売上上がってるからいいものの、アジア新興国では日本の製品だからじゃなかなか売れないっていう。そこで訪日観光の日本製品ブームみたいな波がちょろちょろ来て何となくその波に乗るんだけど、そんなのは恒久的な売上を確保するようなものではなくて、瞬間風速的な台風みたいな話なんで、それではグローバル消費材メーカーにはなかなか勝てないよねとは思いますけどもね。大きな投資をいきなりやれっていうんじゃないんですよ、僕が言ってるのは。それは日本の企業の肌にも合ってないだろうし。ただやっぱり計算をして投資をしていくっていうことをしていかないと、やってみて売れたらいいなみたいな話だと競争に勝てないというのは一つあるんじゃないかなと思いますけどね。
◆アズマ
わかりました。森辺さん今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
◆森辺
ありがとうございました。
◆アナウンス
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森辺一樹のグローバルマーケティング。この番組はスパイダーグループの提供によりお送りしました。
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