東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、私、結構、久しぶりの。
森辺:相当久しぶりだよね。お帰りなさい。
東:Podcastでございまして。
森辺:たぶんリスナーの皆さん、東さんやめたんじゃないかと思っていたんじゃないかと思うけど。
東:やめていいですかね?
森辺:いやいや…。お帰りなさい。
東:はい。久しぶりということで。前回までは結構、森辺さんが気になる企業等を取り上げていただいたんですけども、結構、中堅どころの企業さんが多くて、一方で、結構、大企業さんからも同じようなと言ったらあれかもしれないですけど、悩みごととして、現地法人があるところに関しては、結構、きちんと人を配置してチャネルビジネス的なことをやっていると思うんですけども、片や結構、輸出で50カ国やっています、30カ国やっています、10カ国やっていますみたいな、まだまだ企業さんもあるじゃないですか。そういったところって、結構、今、悩みに直面されているようなかたちで何件かお問合せとかご相談を受けることが多いと思うんですが、その辺どう考えますか? その辺は中堅企業の悩みと少し似ているのかなという感じも受けるんですが。
森辺:そうですね。僕が言っている、輸出ビジネスから輸出型のチャネルビジネスに変わって、最終的に消費財、食品、菓子に、商品の消費財は現産現販のチャネルビジネスをしないといけないと言っていますと。輸出ビジネスとは港から港の商売なので、基本的に国内外の輸出入業者に丸投げしてその先知りませんと。どんな中間流通を通じて、どんな小売に置かれて、どんな消費者が買っているのか知りませんという商売が輸出ビジネスですと。それをやめてビジネスモデルとしては輸出型でもいいんだけども、中間流通や小売や消費者のことを可視化しましょうというのがチャネルビジネスじゃないですか。特にディストリビューションをね。でも、最終的には現地でつくって現地で売るというのが最もRYがいいので消費財メーカーはそこにいかないといけない。そういう中で本当に中堅中小企業は完全なる輸出ビジネスで、輸出ビジネスがいけないなんていうことを言われたことがないし、そういう発想で来ているから、そもそも…。
東:そういうものだと思っているという。
森辺:思っていて、それ以外の方法って何なの?って思っているんですよね。大手になってくると、例えば、売上が数千億とか一兆を超えてくると、この現産現販型のチャネルビジネスと輸出型のチャネルビジネスと輸出ビジネスが国ごとによって混在しているんだよね。ベトナムではチャネルをやっているけどもほかの国では輸出ビジネスだけとか。インドネシアでは現産現販だけどほかの国では輸出型チャネルビジネスだとかという、国によってステージが違う。チャネルビジネスと言ってもMT限定のチャネルビジネスで、TT含めてやれているところは少ないというのは事実だと思うんですよね。そんな問い合わせが、ご相談が多いですよね。種類としては2つあって、現産現販していると。現産現販しているんだけどMTは何となくいいですと、ただ、TTが取れないので赤字から脱却できない、何とかしてくださいというご相談。もう1つが、純粋に輸出額を増やしたいと。これは日本でつくったものの世界への輸出もそうだし、タイやベトナムやインドネシアの工場でつくったものの世界に対する輸出額の増加もそうだし、この2種類の相談がやっぱり多いですよね。
東:その辺は具体的にどうチャネルビジネスで転換していくかというのは1つの課題だと思うんですけども、森辺さんから見て大枠の課題認識とどうしていったら解決できるのかというのは、どういったかたちが望ましいのかというのはどうでしょうか?
森辺:僕は2つあると思っていて。まず、輸出ビジネスをやっている、輸出貿易部なのか、海外事業部なのかのメンバーのマインドを変えるということをやらないといけない。それは冒頭でも申し上げた通り、輸出ビジネスが悪いと思っていないわけですよね。それは別に決して悪くないし、今までそうやって、やってきたんだからそれを否定するものではないんだよね。ただ、それをさらに良くしようということを考えていくときに、やっぱり今までやってきたものよりも輸出型のチャネルビジネスのほうがいいよということをメンバーが理解をしないといけない。でも、輸出ビジネスって冒頭でも申し上げた通り、自分たちの商品がどういう中間流通を通じて、どういう小売にどういうふうに並べられて、どのような消費者がそれを手に取って何を思っているのかというのは全く無視していて。消費財メーカーは日本でそれをやったら終わりですから、そんなことは絶対やっていないんだよね。でも、海外に行くとなぜかそこは目をつむってしまうと。そうすると、結局、港から港の輸出入業者任せのビジネスをやると言いわけ2つしかなくて、景気が、あと、為替が。景気はというのは、インドネシアの輸出が進まない。インドネシアの現地の経済成長が落ち込んでいてなかなか今年は難しいです、か、為替が円高に振れてなかなか輸出が伸びないので難しいですのこの2点で言いわけになっちゃうけど、景気と為替が言いわけにできるんだったら、それってどうなんだろうと。でも、チャネルビジネスに入れば、このアンコントローラブルな景気とか為替というものに当然左右されるんですよ、ビジネスなのでね、左右はされるんだけども、そこだけに左右されなくはなりますよ。だから、そこをまずは理解して、「ああ、そうか、自分たちの港to港のビジネスじゃなくて、チャネルのビジネスをやらなきゃいけないんだ」ということをまず理解をするということと、あと、具体的に「チャネルビジネスってどうやるの?」というところなんだけど、今、使っているディストリビューター、もしくは、輸出入業者を使っている人もいると思うんだけども、今使っているディストリビューターの先を見ていく。今使っているディストリビューターが競合と比べてどうなのかということを見ていく、そこからすべてが始まっていくと思うんですよね。結局、ディストリビューターの力が配荷力につながっていくわけじゃないですか、輸出の場合、自分たちの法人が現地にないですから。そうすると、やっぱりディストリビューターの競争力を客観的に見るというところからまずは始めるというのが通例というか一般的ですよね。
東:分かりました。今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>