東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:前回、前々回の話の続きになりますけども、前回はMTができないのであればTTできるディストリビューターを補ったほうがいいですよねという、その見極めはちょっと難しいかもしれないですけど、商品が並んでいるか並んでいないかというのは1つの目安になるんじゃないかと。そうすると、森辺さんがおっしゃっているのは、ディストリビューターが弱いところというのをきちんとメーカー側が補って市場にアプローチしないといけないということだと思うんですけど、その辺の大切さを教えていただきたいんですが。
森辺:それはもう、めちゃめちゃ大切ですごく重要なことなんですよね、今、東さんが言われたことって。結局、日本の消費財メーカーさんって頭のどこかに「自分たちはつくる人」と、つくりますと。売るのはあなたたちで「ディストリビューター契約しているんだからあとはお願いね」のスタンスで来ているんですよ。これ、古きよき合弁時代の流れで、結局、海外のことよく分からないから地場の財閥系なのか名門企業と合弁つくってやりましょうみたいな時代が80年代、外資規制もあったから、あったわけじゃないですか。そうなってくると、当然「現地のこと考えるのは現地の企業だ」という流れがあったからそうなっちゃのかもしれないんですけど、あまりにも自分たちが理解をしていないで任せちゃってすぎみたいなところはやっぱりあって、自分たちの使っているディストリビューターが本当にTT強いのか弱いのか分からないって、もう僕考えられないんですね、それが分からないで今も付き合っているって。自分たちのディストリビューターは何ができて何ができないのか、そうすると、できないところを補わないといけない。TTができない、できない会社に「やれ」って言ったって一生かかったって絶対できないですよ、そんなのね。そこを補うために自社でセールスを抱えてやっていく。例えばベトナムなんか全部そうですよね。TT全部自社でやっているわけじゃないですか。ネスレにしろ、ユニリーバにしろ、P&Gにしろ、日系で言うとエースコックなんかもそうですしね。だから見極める、見極めというところまでもいかないんだよな。どっちかと言うと可視化、事実を明らかにするということをまずやらなさすぎだし、その事実を可視化した上で見極めるわけですから、見極めるということは可視化をしないと見極められないんでね、やっぱりそこが重要で。見極めたら、今度足りないところをどうやって補うかということを考えないといけないので、そこって何でもセットだと思うんですよね。ディストリビューターを選ぶときもそうだし、ディストリビューターをマネージメントするときもそう。だから、すごくこの2つというのは、僕は重要だというふうに思いますけどね。
東:メーカーが自分たちでも売るという姿勢を取らないとなかなか難しいということですかね。
森辺:そうですね。例えば、ベトナムのTTとかなんかは特にそうだし、逆に自分たちで物理的にセールス部隊を持たなかったとしてもですよ、ディストリビューターが基本的には売るんだったとしても、売ることのすべてを理解した上で相手のディストリビューター、パートナーにどこまでをどうやらせるのかというのを知っている欧米の先進グローバル企業と、それを知らないでほぼ丸投げの定期訪問みたいな日本企業だと、やっぱり何かあったときの対応力が全然違いますし、前回か前々回、東さんが言っていた、Promotionの力をないと分かったんだったら補うという話ありましたけど、そういうこともできないわけですよね。だから、今までアジアの市場って日本の企業にとっては国内がよかったしそんなに重要視してこなかったと。輸出でやっているし、キャッシュオンデリバリーかキャッシュファーストだったら、特に痛みもないから適当にやらせておけの流れできちゃっているから、そこをもっと違うやり方でやろうなんて発想がなかなか生まれないのかもしれないんだけども、やっぱりそこは気をつけないといけないですよね。
東:分かりました。森辺さん、最後にまとめていただければと思いますけど。
森辺:ディストリビューターの選定は非常に重要であると。それはMTとTTというのはアジア新興国にあるので、どちらの市場に押し込む力があるのか、要は並べる力があるのか、MTに関して言ったらスーパー系、ドラッグ系、コンビニ系、大きく分けて3つの流通があるわけで、そのどこに並べられるのか、もしくはいずれもに並べられるのか、そこをやっぱり見抜いていかないといけない、見極めていかないといけないし、自分たちの商品がTTにも並ばないと儲からない市場なのであれば、特にVIPのようなTTへの配荷力がどうなのかというのを見極めていかないといけないと。仮に足りないところはメーカーが別の方法で補わないといけない。これはPlaceだけじゃなくてPromotionに関してもやっぱり補わないといけないというふうに思うので、とにかく現状のディストリビューターが何ができて何ができないのかということを可視化するということは、僕はすごく重要だと思います。
東:はい、分かりました。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>