東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、引き続きベトナムの話になってしまうんですけども、前回のお話でディストリビューターを管理育成しながらセールスをしていかなきゃいけないですよというようなお話があったんですけども、リスナーさんの方で、ベトナムで事業をやったことのある方はそのことがピンと来るのかもしれないですけど、ベトナムのディストリビューターとあまりやり取りをしたことがない方々もいらっしゃると思うので教えてほしいんですが、その管理育成というのは具体的にどういうイメージというか、どんな感覚なんでしょうか。
森辺:基本的にディストリビューターに日本の消費財メーカーが期待することって、TTのストアカバレッジを上げてくれということと、TTにおけるインストアマーケットシェアをBTL的要素で上げたい。さらにBLTをやってくれと言っているのではなくて、店先の現場でインストアマーケットシェアが上がるような取り組み。例えば、一番いい場所に置く約束で置いてもらったのに、次の日行ったら別のメーカーに隅によけられているとか、自分たちの商品の前とか上に別の商品が置いてあるみたいなことが往々にしてあるので、それを調整していくという意味なんですけど。それをすることによってインストアマーケットシェアを上げていくと。ATLと言ったらもっとマスでドーンとやるわけだからメーカーがやる話でディストリビューターは一切介在しないという話なので、それをディストリビューターにやらせるわけじゃないですか。そうすると、そのシンプルなその2つの業務、ストアカバレッジを上げるということと、インストアマーケットシェアを上げるということを実現するためのKPIを非常にシンプルに最大で3つぐらいにまとめて、それをひたすらやらせる。それを管理していくということを欧米の会社なんかはよくやっていますよね、先進的なグローバル消費財メーカーと言われるところは。とにかく管理指標を非常にシンプルにして、複雑にするとそれがルーティーンで回っていかないのでとにかくシンプル。例えば交通量の多い道、そこを例えば担当者A君は毎日2キロ歩いて、そこの2キロの間に何十店舗ってTTがあって、そこから注文を取って現金回収して自分の担当の商品の置き場所をチェックしてみたいな、この3つをひたすらやるみたいな、そういうことをやらせるというのが管理で、絶対にもうすでにやっている先進的なグローバル消費財メーカーが何をやっているのかというのを見たほうがいいんですよね。これを表面だけ見るんじゃなくて、やっぱりわれわれのような専門的な会社に、うちじゃなくても別にいいですから、委託をしてしっかり可視化する。進んでいる企業が何をやっているのか可視化して、それを開いて、それを参考値にして自分たちがまず真似るということをしたほうがいいんですよね。後追いで全然構わないんです、完コピをまずやって、完コピの上に自分たちらしさを乗せていくということをしないと、端からベトナムでマイウェイみたいな、われわれのやり方みたいなことをやってもこけますから、まずは完コピじゃないかなと思うんですけどね。
東:分かりました。それは、まずは可視化をして、やっていることをそのまま真似てやってみるみたいなこと。
森辺:ほとんどの会社は可視化できていないんですよ。競合ってこんなことをやっているというのは大枠では言えると。ただ、それは具体的にどうなっているのかという具体論の話になると全くよく分からないと。自分たちが具体的によく分かっていないことにも気づいていないというケースが多くて。やっぱり駐在していたら「分かっている」って言いたくなっちゃいますよ。「分かっている」って言うんですけど、具体的には分かっていないというケースが結構多いので、そこはしっかり可視化していったほうがいいと思うんですよね。どこも共通して一般的にこんな感じだと思うんですよね、日系の会社さんね。
東:分かりました。今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>