東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、しばらくアフリカの話が続いたんですけども、東南アジアというか、アジアに話を戻しまして。アジアでもうまくいっている、日本企業に限って言ってもうまくいっているところとそうじゃないところがやっぱりあると思うんですけれども、それの差というか、その辺はどう森辺さんの目には映るのかなと思っていて。
森辺:うまくいっているところとうまくいっていないところ、すごく根本的な根底的な深いところから話そうか。
東:はい。
森辺:そうすると、本当にどれだけうまくいきたいと思っているかだよね。それは、まず本社がどれだけうまくいきたいと真剣に思っているかということと、それを理解した現法の社長がどれだけうまくいきたいと思っているか、ここなくして何事もうまくいかないので、本社の海外担当役員の本気度と現法社長の本気度、ここがやっぱり大きく関わってくるんじゃないかなというのはまず前提としてあると思うんですよね。
東:なるほど。そこはどういった差になるんですかね?
森辺:結局、本当に目標があってそれを実現しなければいけないと、当然そこに対策を講じるわけじゃないですか。手を打つと、軌道修正をして自分たちが目指しているところに会社を導いていくわけですよね。けど、見ていると何の手立ても打てずに、もしくは打たずに、ただただ目標からの乖離が広がっていくという会社は多いじゃないですか。だから、それってやっぱりできるできないの前にどれだけ本気でやろうと思っているか思っていないか、そこが大きいのかなという気がするんですよね。
東:なるほどね。そうすると、できるできないの前に本気度というのはあると思うんですけども、結構できない理由がつらつら、つらつらと並ぶこともあると思うんです、一方で。その辺はどうですか?
森辺:特に現法のトップができない理由、大企業になればなるほどたぶんその傾向って強くて、できない理由がつらつら並んだときはもう帰任でしょう。帰任しかないんじゃないかなと思うんだけど、ありますよね。だけど、それを並べてもたぶんできないから、できない理由を1個1個つぶしていくしかないと思うんですよね。それが対策を講じることになるので、そうですよね。
東:なるほどね。一方でうまくいった企業も、うまくいった状態しかわれわれは見ていなかったりするじゃないですか。われわれは内部的に見ているところもありますけど、一般の人たちはうまくいったところしかメディア報道されないから、その状態が最初から戦略的にあったのか、かたちそうなったのか、ちょっと言い方が悪いかもしれないですけど、その辺はどう感じられますか?
森辺:最初からうまくいく企業なんてないですし、どれだけ周到に戦略を準備してもその通りいかないわけで、戦略をカッチリ固めたってそんなの3割で。ただ、3割固めるというのはすごく重要で右上狙っているのか、左上狙っているのか、右下狙っているのか、左下狙っているのか、だいたい4方向ぐらいあって、その4分の1の確率で正しい方向を定めるという意味で戦略が僕はあると思っているんですよね。そこからまずは走る、実際にやるということをやりながら、修正修正修正で手を打っていくという話になると思うんですよ。だから、成功している会社も、もともとは全くない中でいろんな失敗をして今があるわけだと思うんですよね。その中で感覚を掴んで、こことこことここのポイントだけ見ておけば前に進む方向を間違えないとか、シェアを上げられるとか、利益出せるとかということになっているんだと思うんですけど。やっぱりそれは苦労してということの繰り返しだと思いますけどね。
東:そうすると、どれだけ行動が伴うかというのが1つ大きなところではあるということですね。
森辺:そうですね。行動が伴うということもそうだし、事前の準備ってやっぱり3割だと思うので、そこをやらないのはだめだからやるということと。あと、動くということもそうなんだけど、やっぱりうまくいっている企業って圧倒的に情報量が多いですよね。競合の情報だったり市場の情報だったり、情報は非常によく分かっているというのが傾向としてあるんじゃないかなと思うんですけどね。
東:分かりました。森辺さん、今日は時間が来たのでここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>