東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回、2つ傾向があるということだったんですけども、1つは前回お話したチャネル戦略の戦略性、戦略を考えるようになってきたというのが1つのトレンドで、2つ目は具体的にどういったことですか?
森辺:2つ目は、輸出で始まるわけじゃないですか、最初、大手だろうが、中堅中小であろうがね。その輸出がある一定のシェアにいって初めて現産しようかと。現産現販しようかという話になるんですけど、その輸出も2タイプあって、ただひたすら日本や海外の問屋さんにお願いして、モノが輸出されている、いわゆる昔ながらの貿易、単なる貿易、こんなものグローバルビジネスでも何でもないですよね。ほとんどの場合、日本の国内の問屋さんに渡して以上みたいな。その会社がどこの国のどの流通を通じてどの小売に商品を売って、どういう消費者がそれを買って、何を思ってリピートしているのかみたいな話を全く無視してきていると。ただ、それでは伸びないということに気付いて、いかに自分たちが現地を理解しないといけないか。逆に、海外に輸出している日本の問屋も海外のマーケットのことなんて理解していないじゃないですか。海外で●引きたい●(03:40)と言っているような問屋さんに商品を卸しているだけで。そういう問屋の多くも、いわゆる日系スーパー、日系飲食店、そういったところにしか流通させることができないので、現地の本チャン、メインストリームに商品が並ぶなんていう能力はないわけですよね。それじゃあだめだ、ということに気付いてきていて。そんなのはグローバルビジネスでもないし、そんなことに注力するんだったら日本の地方都市を攻めたほうがよっぽど実になる。なので、より現地の駐在員を狙うようなビジネスではなくて、現地の、僕はあんまり好きな言葉ではないけども、上位中間層ぐらいまでを狙ったビジネスをしていきたいと。中間層ど真ん中を狙えなくてもね、そんな意識になっているというのには、経営陣がね、感じることだなあと。経営層がそういう意識にならなかったら、その会社の海外事業部、部課長以下、そういう意識にはならないので、これは非常にいいトレンドだなあと思うんですよね。
東:それって、その2つのトレンドがあるとすると、そうなってきたのってどうしてなのかなというのは、森辺さんなりには?
森辺:やっぱり国内の景気、今、景気がいいんだと思うんですけど、これからどんどん悪くなるというような見方もあるし、将来が読めないんだと思うんですよね。事業計画を5年間とかで立てていくときに、右肩上がりのきれいなグラフが今の国内市場の材料だけでは描けない。そうすると、当然アジアに、もしくはグローバルにその活路を見出していかないと、人口は減少していくわけで、オリンピックのあとの世界をもう、経営者は見ているわけじゃないですか。やっぱりそこのシミュレーションをすると、海外がより具体的に必要になってきているということだと思うんですよね。そんなときに自分の会社を見渡したら、輸出貿易しかできないような人材しかいないし、グローバルマーケティングだとかチャネル戦略だとかそういうことに長けた人材がいないと、再教育しなきゃいけないし、再教育したりとか人を雇っていたんじゃもう時間が足りない、どうしよう…で、問い合わせにつながっているという、そんな感じだと思うんですよね。
東:そうすると、徐々に海外を本気で戦略的にやらないと間に合わないという、少し焦りというか、本気で取り込むという覚悟が強くなってきているということなんですかね。
森辺:強くなってきているね。この15年、16年、僕、グローバルの仕事をしていてずっと右肩上がりなんですよ。企業のニーズはどんどん、どんどん、高まっていくんですよね。これ、なんか海外ブームでアジアブームとか、ベトナム第1次、2次、3次、4次ブームとか、中国1次、2次、3次、4次ブームとかいろいろありましたけど、●(06:55)1次、2次とかね。なんだけど、そんなことじゃなくて本当に、急角度で上がると株みたいに急降下するじゃないですか、なんだけど、いい角度でじわじわじわっとこう、上がっていってるから、今後の日本の人口動態とか、少子高齢化、人口減少を考えてもグローバルというのはやっぱり捨てられないし、仮に日本の人口が伸びたとしたって、グローバル市場をやらなかったら日本も攻め入られるわけですから。日本だけとかじゃないので、これからますますグローバルの勢いも強くなってくるんじゃないかと思いますけどね。
東:分かりました。森辺さん、今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>