小林:こんにちは。ナビゲーターの小林マアヤです。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん。本日も引き続き、5月18日に参加させていただいた、マーケティング研究協会主催の、
森辺:長いの来るよ。
小林:いきます。食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー向けの「先進グローバル企業に学ぶ アジア新興国における戦略的チャネル構築」、こちらのセミナーで出た質問について、リスナーの皆さんと共有していきたいと思いますが、いかがでしょうか。
森辺:はい。もうね、リスナーの皆さんね、ただでさえこの番組イントロが長いのに、最初のね、「森辺一樹はこんな思いからこの番組を」みたいな。その後サカニシのビデオキャストのご案内が入ってね。で、小林の「食品・飲料・菓子・日用品」が入るからね。長ぇんだよイントロと思ってると思うんですけど、すいません。早送りしてくださいね、はい。今回もいい質問いっぱい出ましたからね。
小林:そうですね。
森辺:リスナーの皆さんとどんどん共有していきましょう。
小林:はい。では、本日の質問なんですけども、現在はTTが主流なんですけども、今後はMT化していく中で、どのようなバランスを保てばいいのか?という質問です。お願いいたします。
森辺:出ましたね、そんな質問。要は、TTが主流なんだけどMT化していかないの?どうなの?ていう質問と、であればMT化してから出たらいいんじゃないの?もしくはTTって本当にやる意味あるの?そのバランスってどう考えればいいの?っていう、そういう質問だったんですよね。アジア新興国は、特徴としてはTTが優勢であると。国にもよりますけど、二八の八でTTですよというのが、アジア新興国の市場であると。ようやくタイとかマレーシアとかシンガポール、まあシンガポールは100%MTだけども、タイとかマレーシアが半分ぐらいMT化が進んできたというような状態ですけど、VIPなんてのは、まだ8割ぐらいはTTですと。これが将来TT化するのかって質問に対する問いですけど、答えを先に言うと、Yesですと。ただ、じゃあそれが、ここ2・30年ですぐにそうなるのかっていうと、私はそうは思わない。なぜならば、そういう風に考える日本の方ってのは結構年配の方が多くて、日本の小売りの近代化をまさに目にしてきてる世代の人は、よくそういう風に言われるんですよ。日本って小売り急激に近代化してね、コンビニがアメリカから入ってきて、そっからさらに近代化してったってのがあるんだけども、一つはコンビニと日本人の相性が合ったってのがあるんだけどもね、そもそもその前段として、日本ってやっぱり、当時色んなことが素晴らしくて、政治家も企業家も皆素晴らしくて、北海道から沖縄まで津々浦々、すべてのインフラが同時並行的に近代化してったんですよ。道路、それから水道、ガス、電気、物流、システム。結局、小売の近代化ってどうやってなされるかっていうと、小売だけが単体で勝手に「はい、近代化します」って近代化なんかできなくて、小売っていうのは、色んな基本インフラの上に成り立ってるじゃないですか。例えば、道路が無いとそもそも小売で売る物が運べないし、物流が整ってないと小売で売る物はそもそも運べないわけで。小売が近代化するってことは、近代的な小売の量が増えるっていうことですから、そこにシステムが繋がってないといけない。もっと言うと、電気ガス水道っていう基本的なインフラが整ってなかったら、小売なんて絶対近代化しないわけですよね。そうすると、基本的なインフラの近代化無くして、小売の近代化なんて絶対ありえないわけですよ。アジアの経済成長がいくら速いと言ってもですね、皆さん行ったことあると思いますけども、ああいう感じですからね。田舎の方まで考えると、小売が日本みたいに近代化するなんていうのは、そんな2・30年じゃ成し得ない、4・50年かかるんじゃないの、という風に私は思います、と。じゃあ、4・50年待つの?と。待たないですよ、というのが一つ。仮に2・30年で近代化したとしても、2・30年て長いですよ。ね。僕もうおじいちゃんなっちゃったけどね。だから待つの?ったら待たないし、逆に2・30年待ったら、近代化したんで、はい、僕たち日系企業参入しますって言って、市場が受け入れてくれるわけがないですよね。なので、やっぱり今から出ないといけない。で、近代小売はもちろんのこと、伝統小売も取るということをしないと、そもそも儲からないと。それはなぜ儲からないかは、この番組でも多分色んなとこで話してるんで、また、今回は話しませんけども。話した方がいい?話そうか。なぜ儲からないか。近代小売がお金がかかるからね。リスティングフィーかかる。半矯正プロ●(7:46)もかかる。そうすると、近代小売でおきながらも、伝統小売やらないと儲からないし、近代小売の数がそもそも少ないし、近代小売で売れてるものでないと伝統小売のオーナーは扱わないし。伝統小売のカバレッジが高い商品は、近代小売も評価して、リスティングフィーを下げてくるし、力関係を有利に築けるけども、やっぱ伝統小売でカバレッジの低いものは、小売が優位に立っちゃうので、結局これはもうバランスなんですよ。伝統小売で売ると、ブランド力を下げるっていうのは、単なる思い込みだし。FMCGは、伝統小売含めて売っていかないといけないっていうのは、アジア新興国のポイントですよね。なので、変わらずバランスを取ってやっていくっていうことが重要だと思います。
小林:分かりました。ありがとうございます。
森辺:はい。ありがとうございます。
小林:では、お時間やってまいりましたので、本日はここまでにしたいと思います。
森辺:はい、皆さん、ありがとうございます。
小林:ありがとうございました。
<終了>