小林:こんにちは。ナビゲーターの小林マアヤです。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん。本日も前回に引き続き、マーケティング研究協会主催の、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー向け「先進グローバル企業に学ぶ アジア新興国における戦略的チャネル構築」、こちらのセミナーで出た質問について、リスナーの皆さんと共有していきたいと思います。
森辺:はい。長かったね、今日もね。
小林:長いですね。お願いします。
森辺:はい。
小林:本日の質問なんですけども、ちょっと声が遠くて聞き取りにくかった質問なんですけど、企業が持ってるブランドイメージ、色々あると思うんですけども、そのブランドイメージをちょっとでも崩し、現地に適合していくのか、それともそのまま自分たちのブランドを守り抜いて、そのまま世界に生きていくのか。その現地適合化とグローバルイメージ、二つあると思うんですけども、その意思決定というのはどのようにすればいいのか?という質問なんですけれども。例えばグローバルイメージだったら、Luxだったりコカ・コーラであったり。本当にブランドイメージって強いじゃないですか。そのブランドイメージを、現地に適合化と、変えずに、そのまま企業●(3:30)
森辺:なんかあったね。そういう質問ね。
小林:を、世界にうっていくべきなのか。その意思決定はどのようにすればいいのかっていう質問なんですけども。
森辺:多分この質問された方は、現地適合化が重要なのか、それとも世界標準化が重要なのか、どうなんですか?っていうことを聞きたかったんだと思うんですよね。よく、ありきたりなアジア進出成功虎の巻みたいな本を読むと、「現地適合化が重要だ」的なことがよく書いてあるんですよ。それは別に間違っていないんだけども、重要なのって、世界標準化なんですよね。さっき言ったLuxとかコカ・コーラが何が長けてるかっていううと、世界標準化と現地適合化の絶妙なバランスが非常に上手いわけですよね。コカ・コーラって190か国以上の国で飲めるんですよ。で、国によって値段が違うし、味も若干違ったりするんだけれども、飲みやすくなってるわけですよね。日本は、中でも高い方なんじゃないかな。コカ・コーラってね。その彼らどこ行ったってコカ・コーラじゃないですか。どこ行ったって同じCM、同じブランドイメージ。だから、アメリカで作ったCMを世界中で流せばいいだけなので、安上がりですよね。各国でCM作らなくていいし。Luxも、基本的には金髪のお姉さん出てきて、「Lux!」つって髪を後ろにフワってやるのが世界中どこでも、じゃないですか。それが彼らの世界標準化戦略なわけですよね。世界標準かって何がいいかって、まずコストを低く抑えることができて、にも関わらず、これだけグローバルで人が行き来して、インターネットで情報なりビジュアルなり写真なり映像なりが行き来し合う中で、おんなじイメージを世界中双方向に行き交わせることができる世の中。っていうか、効果的にブランディングが形成されていくんですよね。だから、単国だけで見てないっていうのが、やっぱり欧米の先進グローバル企業のすごく賢いところで。グローバルで見るから、すべてがROIがいいですよね。リターン・オブ・インベストメント、要は費用対効果が圧倒的に高い。で、じゃあ何を現地適合化するかっていうと、例えば現地によるマネージメントとかって、スイス人やアメリカ人やイギリス人が現地に行って何かしてるかっていうと、そうじゃなくて。進出当初は居たかもしれないけども、居たかもというか居たんだけども、それを現地の人をハイヤリングして、現地の人にそれを任せて、それをモニタリングするんだよね。管理をするってことに徹するわけだよね。リージョナルヘッドクォーターとか、本国からね。なので、現地の人による統治が行われていくわけで、そこの部分を現地適合化していくわけだよね。売り方なんか、まさにそうだよね。Luxなんかも、本当はボトルで売りたいわけですよ。我々が使ってるカシャカシャカシャと押すやつね。ポンプのね。なんだけども、あれだとやっぱり1か月分2か月分、なんなら3か月分のシャンプーを買わないといけない。一括で。それが苦しいと。毎日俺はシャンプーしないんだと。週に2回なんだって人がいっぱいいるわけですよね。そうすると、シャセットで、シャンプーしたい時に買うと。グラム当たりは高いんだよ、その方が。けど、そっちの方が個人のキャッシュフロー痛めないんで、消費者にとっては、アジアのね、優しいわけですよ。で、そういう売り方をするっていう、そこが現地適合化であってね。そこのバランスがすごくいいんですよね。日本の企業の場合は、とりあえず日本で実績のあるものを「プレミアム戦略!」つってドーンと持って行くんだけども、それが売れない。プロダクトアウトではだめだ、マーケットインだ、現地適合化!つって、今度現地適合化して、極端に真逆にいくんだけども、いやそうではなくて、世界標準化と現地適合化のバランスが重要であるということだと思うんですよね。そこを上手くやれれば、もっと上手くできるんじゃないかなと思うんですよね。ASEAN攻めるのにタイだけ攻めるとかは、本当にこれ効率悪いんでね。ASEANだったら主要6か国、ここを攻めますと。その中の基軸がタイです、とかっていうんだったらいいんだけど、やっぱり、世界標準化していった方がいいと思いますよね。
小林:なるほど。ありがとうございます。
森辺:はい。ありがとうございます。
小林:では、お時間やってまいりましたので、本日はここまでにします。ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>