小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林マアヤです。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん。本日は、前回に引き続き、先日森辺さんが登壇した日本経済研究センター主催の、タイトルが「ASEANでの事業機会をどう捉えるか ASEAN経済統合の視点から」というセミナーですね。こちらのセミナーで出た質問について森辺さんにご回答いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
森辺:はい、よろしくお願いします。
小林:はい、よろしくお願いいたします。では、本日は第2回目の質問なんですけども、内容がですね、「以前、日本企業は信頼性や品質で世界を席巻していたと思うが、口下手な日本人が、信頼性や品質で太刀打ちできる方法はないのか」といった質問でございます。お願いいたします。
森辺:なんかありましたね、そんな質問が。セミナーの中で、日本企業は、信頼性・品質とか技術で今まで世界で地位を築いてきたんだと。ただ、それっていうのは、欧米の会社から日本企業がその地位を、製造業という地位を奪い取って、彼らよりも安くて小さくていいものを作るようになってきた中での話でね。でも、そっから競争環境が劇的に変わって、中国や韓国や台湾の企業でも作れるようになっちゃって。むしろ、彼らの方が安く作れるようになっちゃったと。たしかに、技術力もまだ日本企業の方があるのかもしれないし、品質もいいのかもしれないんだけども、どんぐりの背比べみたいな品質の良さ。目に見てパッと分からないような品質の良さとかで、勝てないよと。だから、そういうことではないと。時代は大きく変わっていると。そういう話をしたんですよね。それに対して、「まあそうなんだけども、口下手な日本人が信頼性や品質で勝つ方法はないですか?」っていうのが、質問だよね。たしか、僕「だから、『男は黙ってサッポロビール』みたいなことでどうにかならないか、っていうことですよね?」って言ったら「その通りだ」っていう風に、質問の方、仰ってましたけども。そうなんですよね。僕も言ったとおり、「男は黙ってサッポロビール」。大変いいよね。高倉健の「自分、不器用ですから」ってやつで勝てないか、っていう話なわけだよね。
小林:仰ってましたね。
森辺:そんな話をしたと思うんだけど、僕もそれで勝てたら一番いいと思うんだけども、残念ながら、高倉健の「自分、不器用ですから」とか「男は黙ってサッポロビール」みたいなのって、残念ながら、グローバルでは、本当にそれを理解してくれる人って1割くらい。他の9割は理解をしてくれないので、そこはなかなか難しいんじゃないかなと。じゃあ、理解をしてくれたとしても、そこにお金を払うかっていうと、それってまた違う話なので、すごく難しいんじゃないかなっていう話をした記憶があるんだよね。面白い質問でしたけどもね。
小林:そうですね。
森辺:そう。そうなんだよね。だから、人としては「男は黙ってサッポロビール」でもいい。「自分、不器用ですから」って、高倉健のようにね。いいと思う。これは日本の男の美学だと思うんだけども、じゃあ、いざ企業として世界で、グローバルで、ASEANで戦った時に、「自分、不器用ですから」なんて下向いて言ってたら、「あ、そ」っていってアジアの華僑にこてんぱんにやられるの、目に見えてるじゃない。「男は黙ってサッポロビール」飲んでたら、市場に置いてかれんのはもう目に見えてるから、やっぱりそれじゃだめだと思うんだよね。口下手な日本人、だめ。言う主張しないと、と思いますよ。
小林:なかなかグローバルでは通用しないですね。
森辺:うん、通用しないって回答をしたと記憶してます。いいですかね、こんな感じでね。
小林:はい。という回答でした。ありがとうございます。
森辺:はい、ありがとうございました。
小林:では、次回がラストの質問ですね。
森辺:ラストね。
小林:はい。じゃあ、本日はここまでにいたします。ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>