小林:皆さん、こんにちは。スパイダーの小林マアヤです。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん。本日のPodcastの内容なんですけども、前回に引き続き、自社セミナー、以前開催したので、その2部の。
森辺:500回記念セミナーね、Podcastの。この番組の。
小林:はい。500回記念セミナーの第2部の、徹底討論ということで明治大学・大石教授と森辺さんの第2部ですね。この第2部で出た質問について、今回回答していただきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。
森辺:第2部で徹底討論、東をナビゲーターにして討論会やって、ディベートやって、その時に会場から質問取ったんでしたよね。ちょっともう忘れちゃったけど、どんな質問出たんだっけ。
小林:じゃあ、早速いってみます。一つ目の質問なんですけども、「ASEANでチャネルを展開するうえで、財閥と組む際のコンタクトのポイントとは?また、どのようにアプローチするべきなのか?という質問です。
森辺:出てましたね。この会社は、BtoBですごく大きい会社だから、こういう「財閥」っていうあれが出てくるんだけど、つまりは、ASEANで自分たちの商品売りたいですと。その時に、やっぱり財閥と組んでやっていくっていうことが必要なんじゃないかと。その時に、どうやって財閥と上手く組んでいけばいいのかっていう、そういう質問なんですよね。はっきり言うと、これ大手だから言える質問で、中堅中小が、アジア新興国の現代において、もう財閥と組めるなんていうような時代ではなくなっちゃってるんで、もうレベル感が違いすぎる。アジア・ASEANの財閥っていうと、本当に大手なんで。だって、今や伊藤忠の大株主って、タイの財閥だからね。これが60年代・70年代だったら、まだ中小中堅でも、向こうも日本企業だっていうだけで訳も分からず色々できたのかもしれないけど、本当に今は大手でも難しい状態になってますよってのが、そういう観点で一つあると。よくあるんですよ、中堅中小企業向けのセミナーとか行くと。中堅中小企業企業から「財閥と組みたい」って言うけど、でもそんなの日本でも、中堅中小企業が「ソフトバンクと組ませて」とか「SONYと組ませて」とか、財閥なんで商社に喩えた方がいいのかな。「三菱商事と組みたい」とか無いじゃないですか。それと同じくらい無いですよと。ある程度、やっぱり対等でないと付き合えないですよね。一般人と芸能人が付き合えないのと一緒ですよ。僕たちが「女優と付き合いたい」って、付き合えないでしょ。けど、男優と女優は付き合えるでしょ。それとおんなじことなんですよね。だから、すごく大きな「財閥」という力を組んで得たかったら、やっぱ普通じゃ無理だよね。そこに何か、イノベーションを起こしたら、もしかしたらベンチャーでも組めるかもしれないけど。そういう観点が一つと。あともう一つが、これも財閥と組むためのコンタクトポイント、要は、どうやっていい財閥と知り合えるの?って、もう数えるしか無いわけで、コネじゃないですか、そんなのって。結局、ある程度分かりやすく言うと、Aクラス芸能人とAクラス芸能人。Aクラス女優とAクラスの男優と。この二人は知り合いではないですと。でも知り合いたいって男優が言ってるわけだよね。そしたら、誰か共通の知人を通じて紹介してもらう、ってのがケースじゃないですか。それがビジネスの世界だと、三菱商事になったり、伊藤忠になったり、住友商事になったりするわけですよね。なので、そうなるわけで。これも、その紹介する商社も、財閥の中のどのレイヤーを紹介するかって、一番上を紹介するのが一番いいんだけども、やっぱりそのコネって、一生涯のうちに何発しか使えないわけじゃないですか。そんなにしょうもない話を一番トップには持ってけないので。そうすると組んで何するのか、どのぐらいの規模のビジネスをしようとしてるのか。そのA社がね。だから、例えばAクラスの男優がAクラスの女優と結婚までしたいと思ってるんだったら、「よし、分かった」と。もうその事務所の社長から女優の親から、全部紹介しようってなるわけじゃん、もう結婚まで考えて。ただ「ちょっと食事いきたいな」とか、「ちょっと付き合ってみたいな」ぐらいだったら、「まあ、親までは」とかね。「事務所に言うとややこしいし、直接本人に」みたいな。どんな喩えだよって思ってないかな。
小林:いや、分かりやすい。
森辺:分かりやすいよね。
小林:分かりやすいです。
森辺:でも、そういうことなんだよね。そうすると、やっぱりA社が、財閥B社とどういう規模の展開をしようと、一千億のビジネス展開しようとしてんだったら、そりゃあ商社だって本気になるし、そうじゃなくて「なんかとりあえず組みたいんだよね」みたいな、日本企業よくありがちなね。「いや、まあなんか色々できるんじゃないかな」と、ふわっと思ってて、みたいな。そうすると、やっぱり紹介しても部課長レベルしか紹介しないとか。もしくは、紹介もしたくない、みたいな。どうせ介在したって、商社には特が無いわけじゃないですか。それは、商社じゃなくてコンサルタントも一緒で。だから、そういう観点で見るっていうことが、すごく重要だって回答したんじゃないかな。たしかそんな回答じゃなかったかなっていう。あと、やっぱり、財閥と組んでなんとかしようっていう、もう時代じゃないと思うんですよね。日本の旧来の財閥との合弁って、所謂各国の、海外各国の外資規制ってのがあって、外国が独資でその国で、その産業に関わるビジネスをしちゃいけないって法律があったから、現地の企業と合弁を作ってったわけじゃないですか。そうすることによって現地の企業の成長を促すっていうのが国策だったからやってきたっていう、その流れで財閥と組むってのがトレンドになったわけなんだけども、それがある意味、日本企業を思考停止にさせたっていうところもあって、多くの日本企業は、自分たちは作る人で、相手の、パートナーの財閥は売る人ですと。で、販売するっていうことの戦略の多くを、委ねてしまうっていうケースが多くて。それによって、なかなか上手くいかないっていう状況が起きてるので。もう、財閥も昔は日本の技術が欲しかったけど、それだけピャッと吸ったら、プッと口から皮と骨を吐き出すみたいなね。実だけ吸って、みたいな。そんな状態になっちゃってるので。ほんとね、財閥と組む・組まない、その判断も、すべてはやっぱり自社で確固たる戦略があって、その戦略の1パーツとして財閥を利用しますと。活用しますということでの財閥とのパートナーシップってのは、僕はいいと思うんだけども。なんかとにかく、売ることはよく分からないし、向こうに任せた方がいいんじゃないか、っていう意味での財閥の活用は、必ず5年以内に失敗をすると。実際に失敗してますしね。日経新聞なんか見てると、撤退情報がちょろっちょろっと出てますから、そういうの見てるとなかなか上手くいかないんじゃないかなと思いますけど。大丈夫かな、こんな感じで。
小林:はい。
森辺:こんな話をした記憶があります。
小林:はい。じゃあ、森辺さん、ありがとうございました。じゃあ、お時間もやってまいりましたので、本日はここまでにいたします。皆さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>