小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林マアヤです。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん。本日の内容なんですけども、ちょっと前回と被るかもしれないんですけども、企業が海外進出する際に、いいインプットをしないといいアウトプットもできないということで、戦略の重要性、今回戦略ということに関してフォーカスしたいと思うんですけども。日本企業というのは、戦略ということを理解できてないということでお話あったんですけども、森辺さんが考える”戦略”というのはどういうものなのか、また戦略というのはなぜ重要なのか、森辺さんが考える”戦略”についてお伺いしたいんですけども、大丈夫ですか。
森辺:そうですね。「日本企業は戦略というものを理解できていない」なんてそんな、僕がそんなことを言うのは大変おこがましいので。そんな風には言ってない気がするんですけども。
小林:あ、ごめんなさい。
森辺:まあ、弱いよね。戦略はね。その戦略の必要性を、多分あれだよね、前回っていうか、上司がインプットを入れるための調査の費用を出さないと。いいインプットがないと、アウトプットっていう戦略ってのは生まれませんよと。だから、戦略を満たすっていうところは、もうインプットするっていうところからアウトプット戦略でアウトプットまで、一連の作業がすごく重要だよと。ただ、それをそもそも企業として理解が低いってことは申し上げたと思うんだよね。その通りだと思う。戦略ってなんなのかっていうことの理解が、当然低い。おっしゃるとおりね。今までって、もの中心できたから、基本的には1P戦略だったんですよ。1Pってのは4PのうちのプロダクトのPだけ。ものさえ良ければ、すべてよしと。高い技術と高い品質でいいもの作ってりゃ売れるんだ、ってきて、実際売れてきたんだよね。で、世界、もう今第3位だけども、第2位の経済大国という、日本という非常に大きな市場、少子高齢化もまだ叫ばれていない中で、日・欧・米の市場が好調であればそれでよかったという時代を、ずっときたのでね。あまり戦略って無かったんですよね。戦略ってそもそも何なの?って言った時に、僕は、戦略とは、「これから起こりうるに危機に対する対策を考えること」。もっと分かりやすく言うと、これから起こりうる課題に対する対策を考え出すことが戦略であって、課題にぶち当たる・問題にぶち当たる、今既にある課題に対する解決策を考えることというよりかは、少し先の未来で起きうる課題、それを先回りして解決していくことが、僕は戦略だと思っていて。当然アジア新興国でビジネスしてりゃ、日々課題にぶち当たるんですよ。その課題を一つ一つ解決していく。それも戦略の一つなんだけども、結局、もう既にある課題を解決するためのものが戦略なんではなくて、未来を予測して、少し先の未来に起こりうる課題を、先回りして解決をする、解決策を用意をするっていうことが、戦略だと思うんだよね。
小林:なるほど。
森辺:そうしないと、これだけ競争が激化して、色んなことがスピーディーに進んでいるグローバル競争時代に、勝っていくっていうことはなかなか難しいわけで。そこを、多分理解していない、もっと言うと、課題がなんなのか分かっていない、そもそも課題があることにすら気付けていない。なぜならば、少し未来に起こりうる課題に対する対策を考えることが戦略だとは思っていないから。そもそも。だから、基本的には、問題が起きてからその問題に対する対策を考えるっていうことを繰り返すわけで。戦略のない会社は常にそう。問題が起きてから、その問題に対する対策を考えて、前に進んでいくと。そんなの、企業経営してたら毎日色んな問題があるわけだから、本当に重要な、戦略という風に言われるような本筋の部分は、やっぱり先回りをしないとだめだと思うんですよね。なので、繰り返しになりますけど、少し先の未来に起こりうる課題に対して、課題をまず明らかにすること。これがすごく重要なインプットで、その少し先に起こりうる課題、明らかになればね、その課題がね。それに対して対策を考えることができるわけで。その考え出された対策こそが、戦略であって。今起こっている課題に対する対策なんてのは、もう戦略じゃないわけですよ。なので、そこが僕はすごく重要なんじゃないかなと。日本企業が意識しなきゃいけないのは、そこなんじゃないかなと。だから、日本企業がアジア新興国に行く時に、行ってから課題にぶち当たるってのは、「そもそもこんな問題は、行く前から僕に相談してくれ」つってたら、分かってた話だよねってことがすごく多い。こんな初歩的なところで、なんで想定できなかったんですか?っていう間違いしか起こしていないので、これは仕方ないねと。「なるほど、これだけの解決策があったんだけども、まだこういう問題・課題が出てきたのか」っていうことじゃないんですよ。基本的に、「そんなの出る前から分かってるでしょ」と。「ベトナムでシェアが上がらない」「そりゃ、こんな戦略じゃ上がらないのは分かってるよね。だってMTの数が2000しかないのに、TT後からやってたら、そりゃ赤字になって工場の稼働率上がらないよね」とかね。例えばね。インドネシアで、アルファマートとインドマレットが3万店あるのに、そこの流通と同時に300万店のTTのうちの何万店、10万店取らないと、リスティング・フィーと強制プロモで死ぬっていうのは分かってるよね、とかね。そんなのはもう、行く前から分かってることなんですよ。だから、そういう想定に対する課題認識力が、すごく弱い。っていうのは、やっぱりあるんじゃないかなと思うんですよね。そういうところにこそ、僕は、専門家を使わないといけない。コンサルタントを使わないといけない。コンサルタントや専門家の価値は、それですよ。だって、そのことばっかりやってるわけですから、そこの部分に対して、事業会社とは比較にならないぐらいの知見を持ってるわけですよね。経験値を持ってるわけですよね。それがあるから高いフィーが請求できるわけで。それを、やっぱり、金で買う。そのナレッジを自社のものに変えていく。盗み取っていく・学んでいく。そういうことをやっぱりしないとだめだから。それこそが、専門家やコンサルタントを使う価値だと思うんだけど、なかなかそれも理解されている企業ってのは、やっぱりトップの、本当に一流企業ばかりなので。そこがなかなか苦しい、苦しいっていうか、日本企業のまだまだ解決していかないといけない部分なんじゃないかなと思うんだけども。そんな感じなんだけど。話が長くなっちゃったけども。よろしいですか?
小林:はい、私も理解できました。
森辺:はい、よかったです。
小林:じゃあ、お時間やってまいりますので、本日はここまでにいたします。リスナーの皆さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>