小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastの内容なんですけども、前回に引き続き、日本企業にとってのグローバル人材の定義とは、どうあるべきなのか、それについてちょっとお話いただいたんですけども。
森辺:そうだったね。
小林:前回ちらっと、それはダイバーシティではないか?ということをおっしゃっていたんですけども、その続きについてお話いただけますでしょうか?
森辺:そうだね。このサムスンのグローバル人材うんぬんという話は、まあまあ、サムスンというのは別にグローバル企業だけど、グローバル人材がたくさんいるというんじゃなくて、結局、グローカルの人たちがいっぱいいるんだと。地域専門家がいっぱいいるんですと。サムスンのグローバル人材というのは、100人200人1,000人の地域専門家が集まって、それでグローバルになっているというのが彼らの強みなんじゃないかと。だから、彼らはグローバル人材というものを最初から定義付けしていて、それはもう特定の地域にめちゃめちゃ詳しいと。ほかの地域のことはよく知らんけど、この地域のことにはめちゃめちゃ詳しいという専門家をたくさん集めて、それが集まって、集団になってグローバルなんだというのが、彼らのグローバル人材の定義なんだと僕は理解していて。一方で、日本企業は過去20年、サムスンがそんなことを地道にやってきて、相当だと思うよ、地域の専門家。それを、20年、日本企業はグローバル人材が重要と言いながら、一体日本企業のグローバル化って何だったの? グローバル人材の定義すらふわふわしてんじゃないの? というそんな話をした。そしたら、あなたが、じゃあどうあるべきなんですか?という質問をたぶんしたんだよね、きっとね。それは1つ、ダイバーシティで。なんか難しいんだけど、グローバル人材って英語がしゃべる人がグローバル人材なのか、MBA持っている人がグローバル人材なのか、留学経験者なのかって、いろいろあるじゃない? 僕、これね、世界これだけ広いのに、グローバルのこと全部知っているなんていうのはないわけで。だから、やっぱりサムスンのような地域専門家制度でもいいし、何だろう、別のかたちでもいいし。ただ、1つ日本企業がやっぱり根底としてあるのは、ダイバーシティ、多様性をどれだけ受け入れられるかということがすごく重要で。日本企業ってほら、人と違ったものを毛嫌いするでしょ。自分と違ったものを毛嫌いする。これをやっぱりなくしていかないと、僕はグローバル人材集まらないと思うんだよね。だから、例えば、うちの、僕の妻はね、たぶん、自分の生活の大半を海外で過ごしていて、妹たち兄弟は、みんな今、アメリカに住んでいて、日本語は大坂なおみレベル、なんかちょっと、なんかちょっとって言ってるの、日本に帰ってきて、僕にね。なんだけど、言ったら、すごくグローバル人材なんだよ、たぶん、きっとね。そういう意味で、だって、日本語ができないぐらい、兄弟で英語でしか会話ができないぐらい、日本語で話そうと思うと、なんかちょっととなっちゃうわけだからね。そういうのも、ある意味グローバル人材なんだけど。でも、そういう子たちが日本に帰ってきて、日本の企業で仕事をするということになかなかなっていかない。それってやっぱり、変ジャパすぎちゃって受け入れられないんだよね。変ジャパというのは、変なジャパニーズの象徴なんだけど、帰国子女の大半は、どこかで分かれ道があって、変ジャパになっちゃうと、もうその国で過ごすしかないんだよ。例えば、スペインの帰国子女で、もう10年とか15年とかいると、もう日本に帰ってきてもノリがスペインだから、もう毛嫌いされちゃって変ジャパ扱いだから、もう僕はスペインの世界で生きていくと。アメリカもそうだよね。でも、5~6年ぐらいだとまだ日本人だから、僕は戻って来れたけど、でもそうじゃない人もいて。帰国子女も、たぶん、感じていると思うんだよね、多様性の受け入れが日本企業ってなかなかできないって。そうなってくると、外国人なんてもっともっと感じていて。今、やっているじゃない? 外国人の労働者の受け入れのガチャガチャ、政界でね。
小林:そうですね。今、増えているので。
森辺:そういう意味でも、外国人なんかもっとやっぱり日本の単一民族の中での受け入れのあれが大変だというのがね、たぶんあって。この辺を変えていくことが、僕はたぶん、日本企業にはすごく必要で。島国だからしょうがないのかもしれないけど、やっぱり自分と違うものを認めるということを1つの定義にしていく必要があるんじゃないかなと思っていて。それをしないとたぶん地域の専門家すら育たないと思うんだよね。だから、あ、時間オーバーしちゃった? 大丈夫?
小林:はい。
森辺:もうそろそろだね。
小林:もうそろそろですね。
森辺:だから、なんかそこなんじゃないかなと思って。本当の意味で、日本企業はダイバーシティから最も遠い国だと思うから、遠い国というか、遠い国だし遠い企業だと思うから、本当にそれを率先して進めることが、つまりは、僕は、グローバル人材の育成につながるし、女性の社会的地位の向上、これもダイバーシティじゃない? 多様性、これすら遅れているのに、外国人なんかますますだよね。グローバル人材になればなるほど、向こうの国とか向こうの人に近くなっていくわけだから、向こうの国や向こうの人の理解度が深くなっていく、自分から遠くなっていくわけですよ、日本からね。だから、そういうものをやっぱり受け入れるということに、もう尽きるんじゃないかなと思うんですよね。
小林:森辺さん、ありがとうございます。お時間やってまいりましたので、本日のPodcastはここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。