第106回 世界を牛耳る10大消費財メーカー
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テキスト版
皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は、世界を牛耳る10大消費財メーカーについてお話をします。皆さんは、この図を見て、何だかお分かりいただけますでしょうか? この図は、世界を牛耳る10大消費財メーカーと、それぞれのメーカーが保有するブランドでございます。クラフトから始まり、ネスレ、P&G、ジョンソン&ジョンソン、ユニリーバ、マース、ケロッグ、ジェネラル・ミルズ、ペプシコ、コカ・コーラと。現在、われわれのこの世界はこの10大消費財メーカーに牛耳られています。これは、決してアメリカとかヨーロッパだけの話ではなくて、アジアにおいても、世界ではもうこの10大消費財メーカーがトップ10と。われらが花王やライオン、メディアなどでグローバル化が進んでいるというふうに騒がれているユニ・チャームやキッコーマン、味の素、こういった企業はただの1社も入っていないのです。このFMCG、食品、飲料、菓子、日用品等の消費財メーカー、ファースト・ムービング・コンシューマー・グッズというふうに言いますが、FMCG及びその周辺業界のいわゆる企業というのは、いかにたくさんの人に売るかということが、商売上大変重要になってくる。いかにたくさんの人に、いかに早い頻度で繰り返し、いかに一生涯にわたって購入をしてもらえるか、というのがビジネスとしての最大のポイントになります。決して、お金持ちだけを狙っているものでもないと。豊かな人からそうでない人まで、すべての人をターゲットにしているのが、このFMCG及びFMCGの周辺事業です。
この業界において、やっぱりその中間層というミドルクラス、最もボリュームゾーンをグローバルに狙っていくということをしなければ、決して企業は大きく成長していきません。特に、日本の場合は1億2,700万人のmaxの人口から、今後どんどん、どんどん、少子高齢化、人口減少が始まると。一説には1億人を切ってしまうと。人口が1億人切ったときの、いわゆる生産労働人口というのは、5,000万人ぐらいになってしまうと。老人の胃袋にはそんなにたくさんの食品も飲料も入らないと。菓子も当然入らないと。日用品もそんなに多くは消費されない。そうすると、この業界というのはどんどん、どんどん、成長著しいアジア新興国に出ていかないといけない。
ただ、出遅れてしまったがために、今現在、世界を牛耳っている10大消費財メーカーというのは、すべてが欧米の企業。この欧米の企業との差をどれだけ埋めていけるか、というのがこれからの日本企業の大きな課題になっています。次回以降、この欧米の先進的なグローバル消費財メーカーが、いかにしてこの地位を世界で築いていったのか、そのキーサクセスファクター(KSF)、主要成功要因について迫っていきたいと思います。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。