第113回 ASEAN5ヵ国の近代的小売の店舗数
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テキスト版
皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日はASEAN5カ国の近代小売の店舗数についてお話をします。このシリーズ、先進グローバル消費財メーカーのキーサクセスファクター主要成功要因を探っていくということでお話をしておりますが、2個目のキーサクセスファクターである、ストア・カバレッジを最大化するための戦略的なチャネル構築が上手ですよと、それが先進的なグローバル消費財メーカーの主要成功要因になっていますよ、というお話の中での続きなんですけども、その中で、いわゆる中間層が重要であって、その中間層に到達するためにTTが重要であって、TTというのは数が多いので、ディストリビューションネットワークをしっかりつくらないといけないと、ディストリビューションチャネルをしっかりつくらないといけない、というお話をしてきた中での話なんですけど。MTも当然重要なんだけど、TTが非常に重要であると。なぜTTをやらないと儲からないか、ということを近代小売の数の原理から説明すると非常に分かりやすいので、今日はその話をしたいと思うんですけども。これは、ASEAN5カ国の近代小売の店舗数の数なんですけど、例えば、インドネシアで最も近代小売の店舗が大きい、多いインドネシアで3万5,000店舗なんですよ。日本はコンビニだけで5万店舗あると言われていて、インドネシアは3万5,000店舗、ASEANでは一番多いんだけども、この3万5,000店舗のうちの3万店はアルファマートとインドマレットなわけですよね。ということは、アルファマートとインドマレットに置けなければ、インドネシアの店舗数は5,000店舗になっちゃうわけですよね。3万5,000店舗から5,000店舗になってしまうと。しかも、昨今、アルファマートとインドマレットは、「ハラルの承認を取っていない商品は並べない」と言っているわけですよね。なので、そもそも承認が取れていなかったら並べないし、承認を取って並べてもらえたとしても、アルファマートとインドマレットは相当なリスティングフィーを取ってきます。レジ前に置こうなんて思ったらそれなりのお金がかかる、ということを考えると、かなり近代小売だけで稼いでいくというのは厳しい。
一方で、インドネシアには300万店伝統小売があって、それを同時に攻略していかないと、そもそもインドネシア獲れないですよと。マレーシアとかタイみたいな先進ASEANは、近代小売の比率が約々半分であると。その店舗数が1万3,000店舗、6,200店舗。この中で、比較的高い所得の人たちがいるわけで、そういったところを狙っていけば、商品単価も高いし、現法を出さなければ赤字にはならないと、輸出でやっていれば、それなりに儲かるんじゃないかなと。現法を出したとしても、小さな規模であれば、タイなんかだと十分プラスには転じれると。
一方で、問題はベトナム。ベトナムの近代小売1,500店舗しかないわけですよね。そのベトナムで近代小売しか攻略、ターゲットにしていなかったら、仮に100%の配荷率、こんなことは現実的にはあり得ないですけど、を得たとしても、1,500店舗だったら週販何万個売ったらプラスになるんだと、現地法人なんか出しちゃったら、現地に工場なんて抱えちゃったら、一生かかったってプラスにならないわけですよね。TTは対して50万店ぐらいあって、それをやっぱり一緒に取り組んでいかないといけない。1,500店舗を取るのは当たり前、プラス50万店のTTをどう攻略していくかということを考えないといけないし、ビーズマートとかファミリーマート、コンビニエンスストアもまだまだこれからだし、セブンイレブンも去年出たばっかりという中で、やっぱりベトナムなんかは伝統小売をしっかりやっていかないといけない。VIPですね、インドネシア、ベトナム、フィリピンは、しっかりTTをやらないとプラスにはならない市場である、ということが近代小売の店舗数、MTの店舗数からも言えると思います。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。