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第115回 先進グローバル企業から学ぶKSF その3

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テキスト版

皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。今日は、欧米の先進的なグローバル消費財メーカーに学ぶキーサクセスファクター(KSF)その3ということで、インストア・マーケット・シェアを劇的に上げていく戦略的なプロモーション投資についてお話をします。過去何回かにわたって、この番組では、欧米の先進的なグローバル消費財メーカー、FMCGのメーカーですね、ユニリーバやネスレ、P&G、ジョンソン&ジョンソン、マースといった企業のキーサクセスファクター主要成功要因についてお話をしてきました。
1つ目の主要成功要因というのが、FMCGである限り、絶対的にターゲットは中間層であると。欧米の先進的な消費財メーカーは、中間層をど真ん中のターゲットとした戦略から絶対にブレないというお話を1つ目のキーサクセスファクターとしてお話をしました。
一方で、日本の消費財メーカーはものを日本で売ってきているもの、日本で売っているものから対して変えるということをしたがらないので、ターゲットが、中間層が大事だと分かっていながら、上ブレしてしまう、上位中間層とか、まずは富裕層からやろう、みたいなことになってしまうというお話をしたと思います。1つ目が中間層。
2つ目が、ストア・カバレッジを上げるための戦略的なチャネル投資だ、というお話をしました。基本的にはストアのカバレッジが上がらなければ、シェアや売上なんて絶対に上がりません。100店舗で売るのと、5万店舗で売るのでは、絶対に5万店舗のほうが、売上が上がるわけなので、いかにストア・カバレッジを上げていくか、そして、アジアASEANの最大の特徴は、流通が2タイプある、モダントレードとトラディショナルトレード、このTT、数十万、数百万あるTTを攻略するための戦略的なチャネル構築というのが、いわゆるキーサクセスファクターの2つ目だと。
今回は、そのストア・カバレッジを獲得しましたと。中間層をターゲットにストア・カバレッジを戦略的なディストリビューションチャネルで獲得をした。その次のアクションのお話ですよね。インストア・マーケット・シェアというのは、ストア・カバレッジが横軸だとしたら、インストア・マーケット・シェアは縦軸です。つまりは、その置いた並べた店で、どれだけ商品が縦に売れていくかということですね。インストア・マーケット・シェアというふうに、私は呼んでいますけど、これはどういうことかと言うと、例えば、1店舗の売上が100万だとすると。100万の売上で、例えば、チョコレートを売っていて、チョコの売上が5万円だったとすると、100万円のうちの5万円。この100万円を獲ろう、チョコレート単品でね、1つの商品で100万円を獲ろうって、これは不可能な話なので、何を基準にするかと言うと、このチョコの売上の平均値を基準にしないといけない。そうすると、チョコというのは5万円で、この5万円の売上を5社で奪い合っているんだとしたら、いかに自分たちが1万円以上、2万円、3万円の売上を獲っていくかというのがインストア・マーケット・シェアで、これを上げていくのは、チャネルの力ではなくて、プロモーションの力なんですね。プロモーションに投資するしかない。かと言って、闇雲にATLをバンバンやりなさいと言っているわけではなくて、いかにディストリビューションチャネルと、それから小売と協力をして、BTLである一定のストア、インストア・マーケット・シェアを上げていくかということがすごく重要で、いくらストア・カバレッジをチャネルの力で上げても、その商品がセルスルーして回っていかなかったら、半年以内には棚落ちします。TTのオーナーは、一度売れないと思ったものはもう二度と取り扱ってくれない。なかなか敗者復活戦が厳しいと。そんな中で戦略的なプロモーション投資をしていかないといけない。これをどう流通と一緒にやっていくかということが、インストア・マーケット・シェアを上げることなんです。このインストア・マーケット・シェアを上げるというのは戦略的なプロモーションで、これはチャネルとは全く次元の違う話。いかにプロモーションに投資をするか、いかに消費者が並んだ商品、店に並ぶということは、競合と隣同士並ぶということですね。チョコレートをあっち置いたり、こっち置いたり、そっち置いたりというのは、ドン・キホーテはやりますけど、一般的な流通は、チョコはチョコの棚にまとまるわけです。そうすると、そこには競合と同じ棚でさらされると。消費者が、そのいろんなメーカーのチョコを見ながら御社の商品を選ぶという、この選ぶ行為を実現するのはプロモーションの、戦略的なプロモーションの投資なんですよね。これをやっぱり怠っては決して商品は選ばれない、ということを欧米な先進的なグローバル消費財メーカーはしっかり理解をしているので、ターゲットを中間層にして、ストア・カバレッジをしっかり上げた後に、徹底的にチャネル(←プロモーション?)に投資をするということが非常にうまいというお話です。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。