小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastの内容なんですけども、前回に引き続き、ダイヤモンドオンラインの記事に掲載されておりましたダイソンのことについてちょっとフォーカスしてお話いただきたいんですけども。
森辺:前回話しましたね。
小林:そうですね。前回はダイソンがEVにも参入して、さらには今後EAにも開発を進めているという記事で、ダイソンがいかに素晴らしい企業かということと、やはり日本企業と比較したら、どうしても日本企業は劣っておりまして。
森辺:そうだね。それは前回も話したよね。
小林:そうですね。
森辺:日本企業とダイソンの違いをね。
小林:違いです。比較をしていただいて、やはりダイソンは製品にこだわりすぎず、マーケティングが中心にあるということをおっしゃっていたんですけども、その辺のお話をまたフォーカスしていただきたいのと、やはりダイソンってこの世にいろんな家電を手掛けている企業で、このようにイノベーションというのを常に生み続けている企業ということで、なぜダイソンがこのようにしてイノベーションを生み続けられるのかという観点からもちょっとお話いただければと思います。
森辺:なかなかいい質問をするね。
小林:(笑)
森辺:ちょっと言い回しがまどろっこしかったけど。
小林:すみません。
森辺:秘書兼広報担当の小林真彩の分際でなかなかいい質問をするなあ。
小林:分際とは何ですか。
森辺:(笑)なかなかいい質問する。コンサルの事業部の連中から出てくるんだったら驚かないんだけど、広報担当からそういう質問が出てくるとはなかなかいいですね。
小林:ありがとうございます。
森辺:要は、まとめるとダイソンと日本企業の違いは一体何なんだと。日本企業のほうが先に家電つくっているのに、なんでダイソンはこんなにも成功していて、日本企業はこんなにも苦しんでいるんだということと、もう1つはダイソンがなぜこうして掃除機で成功した後、ヘアドライヤーで成功して、その後、今度はEVだ、EAだ、なんでこんなにイノベーションを起こし続けられるのかと、そういうことね。
小林:そうです。その2点ですね。
森辺:うん、了解。シンプルなんだけどね、1点目は、前回も少しお話したけども、企業経営の中心にマーケティングがあるかないかです。
小林:なるほど。
森辺:もう、技術力とか、生産とか、ものづくりとか、そういうものはすごく大切、これは製造業の土台なので、これなくして製造業は語れないわけですよね。なので、これが土台ではあるんだけども、中心であっちゃいけないんですよね。この高い技術力を顧客に知ってもらい、購買行動につなげるためにマーケティングが中心にあって、そのマーケティングを駆使して自分たちの高い技術力を価値に変える、つまりは、お金に変えるということが製造業が求められているビジネスなので、やっぱりマーケティングを中心に置かないとだめですよと。ダイソンは、僕は、常に高い技術力、高い吸引力と言い続けているじゃない? 独自のサイクロンなんちゃらと。だから、みんな、技術力が高いんだろうな、この人たちはと思っているんだけども、それがなぜお金に変わるかというと、それをしっかり価値として認めさせるためのマーケティングが彼らの企業経営の中心にあると僕は思っているのね。それが日本の家電メーカーとダイソンの大きな違い。もう1つ、イノベーションをなぜ起こし続けられるのかって、これはやっぱりジェームズ・ダイソンさんの存在が大きいんじゃないかなと思うんだよね。彼がつくった、一代でつくった会社でしょ。日本だってね、昔の会社はイノベーション起こしていたんだよね。ソニーだってそうだし、松下電器、パナソニックだってそうだし、本田宗一郎のいたホンダだってそうだし、昔は起こしていたんだよね。でも、今、パナソニックの社長、誰か知ってる? 知らないでしょ。ホンダの社長誰か知ってる? 知らないでしょ。
小林:はい。
森辺:ソニーの社長誰か知ってる? 知らないでしょ。名前出てこないんだよ、普通に聞いてもね。それぐらいの存在なの、なんて言ったら怒られるよね。聞いてないといいけど。
小林:そうですね。
森辺:なんだけど、結局、一般の人にそう聞いたって分からないんだもん。けど、ダイソンは、ジェームズ・ダイソンが社長だって分かるじゃない? でも、一昔前のホンダは、本田宗一郎が社長って分かっていて、松下も松下幸之助が社長って分かっていて、そうすると、そういうイノベーションを生み続けようとしている経営者がいるんだよね、ダイソンは、きっとね。1993年に生まれたばかりの会社だから、だから、イノベーションってそういう人がいないとなかなか生まれないから、ボケっとしていても生まれないじゃない? イノベーションって。
小林:そうですね。何か革新を起こさないとという。
森辺:だから、そういう人間が中にいる、だから、ダイソンが二代目、三代目、四代目になったときにどうかと言うと、ちょっとそれは分からないけど、けど、そういう会社と戦っていかないといけないというのは1つ大きいポイントだと思うんだよね。もう1つがやっぱり変化することを恐れないよね。今、流行りの言葉で言うと、トランスフォーム、みんな、トランスフォームしていかなきゃ、デジタルトランスフォーメーションなんてよく聞くでしょ。だから、変化をしていかないといけないんだけど、その変化って嫌なのよ。僕ら個人もそうだと思うんだけど、働き方を変えられるとか嫌じゃない? いい意味で、働き方改革で早く帰れるとかじゃなくて、今まで僕は毎日、朝、会社に来て、こういう仕事をしていたのに、こんな違うことをやれって、別の上司に言われたらすごい嫌なんだよね。だって、今までこういう温度感で働いていたのに、急に違う温度感になると反発するのと一緒で、居心地が悪くなって、企業も一緒で。今までこうしてきたものを急に変えるって、とてつもないエネルギーが必要になるから、なかなかやっぱり大きくなってしまった会社って変われないよね。イノベーションって変わることから変わらないと生まれないから、だから、そういう意味ではそこがやっぱり大きく影響しているんじゃないかなという気はするんだけどね。今度、米倉先生にも聞いてみようかね、ジェームズ・ダイソンと友達だと言っていたからね。
小林:すごいですね。
森辺:うん。もっといい話を聞けるかもしれないから、ちょっと聞いておく、聞いてというか、番組に呼んでくる。答えてもらおう。なんかそんな気がします、僕は。
小林:ありがとうございます。本日、お時間やってまいりましたので、ここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。