小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastなんですけども、前回に引き続き、マーケティング研究協会主催のセミナーで参加者の皆さまからいただいた質問に対してご回答いただきたいと思います。
森辺:お願いします。
小林:本日、4回目なんですけども、質問をご紹介させていただきます。Eコマースの台頭、特にASEANですね、これはどう、どのように森辺さんは考えるかという質問でございます。
森辺:そうですね、製造業の方からの質問で、Eコマースの台頭がと、どうなんだと。これって言ったら、売る場所が変わってくるということなんだよね。MTという、モダントレードという、オフラインの売り場と、あと、TTトラディショナルトレードというオフラインの売り場、そこにオンラインのEコマースが出てきていて。それがときにはメーカーにとって脅威になるわけで、それをどう捉えていますかという、そういう質問だったんだけど。僕が話したのは、まず、中国とASEANを切り分けなさいという話をしていて、Eコマースは。中国はもう、ご存じの通りの状況で、アリババTモールの絶対的な存在、あれは中国でしか成し得ないというか、あり得ない状態なので、1日で、独身の日ね、11月11日で3.5兆円以上売るわけだから、楽天の1年間の売上を超えるわけだよね。なので、中国とASEANを、その状態を一緒にしちゃだめで、中国に関してはもうやらざるを得ない、Tモールをね。1つやっぱり脅威なのは、ビッグデータとAIが出てきて、結局、あれだけの消費者に対して、彼らが商品を売っていくということは、膨大な顧客データを彼らは持つことになっているわけだよね。すでにもう持っていて。それがAIで分析されて、今、どこの地域のどういう人が何を望んでいるかということが誰よりも分かっているわけだよね。モノを売る製造業にとって一番重要なのって消費者が何を欲しているかじゃない? もっと言うと、消費者に何を求めさせるかということだと思うんだけど。そのビッグデータをすべてEコマースの事業者が握るということは、今までの産業構造って、つくるメーカーが一番偉かったんだよね。その下に問屋がいて小売がいてという、そういう産業構造だったわけだよね。だから、メーカーは問屋に「売ってくださってありがとうございます」とは言うものの、メーカーは絶対にメーカーが一番偉いというプライドを持って仕事をしていて。その問屋が今度小売に「売ってください。お願いします」とお願いするものの、やっぱり問屋と小売と言ったら、小売のほうがあれなのかな、パワーバランスがこう。就職の難易度で見たらいいですよ。「小売と問屋とメーカーとどこに就職するのが一番難しい?」と言ったら、いろんな産業が、業界あるけど、メーカーが一番難しいでしょ。その次、小売だよね。その次、問屋なんだよね。いやらしい話だけど、それが士農工商なわけですよ。今までの産業構造の士農工商だったと。それがEコマース企業が出てきて、ビッグデータを牛耳って、AIを駆使してデータ戦争を始めるということは、一番偉かったメーカーが下請工場に成り下がる世界が近づいてきている、あり得てきている、そんな怖い世界がやっぱりあって。メーカーはみんな危機感を持っているわけだよね。ASEANに関しては、まだまだEコマースが台頭していないから、中国のような状態ではないんだけど、けどやっぱりアリババがEコマースの会社を買収したりとかというのを積極的に進んでいるから。なおかつ、昔はヤマトや佐川みたいな、いわゆる、買ったものを、ネットで消費者が買ったものを誰が運ぶんですか、デリバリーするんですかと。あんな交通渋滞の中、ヤマトや佐川も機能なくて、そもそもそんな会社が、機能していなかったら結局運べないからと。でも、最近、ドローンの技術が出てきたり、もっと早いのが、グラブとかゴージェット、いわゆるウーバーの、ウーバーなくなっちゃったからASEANね、ああいうバイクで、バイクタクシーみたいなのがあるんですよ、ゴージェットとかグラブとか、ケータリングとかやっているんだけど、ああいう、インターネットの会社がヤマトや佐川になっていくわけですよ。日本でもあり得るよ、規制すると思うけどね、日本は、ウーバーも規制しているんだから、そんなの絶対規制すると思うんだけど、ヤマトや佐川を守ると思うんだけど。でも、暇な人が自分のバイクでパソコン、スマホを見て、A地点からB地点にモノを配達するって、これがシェアライドのウーバーのもともとの発想じゃない? それで、世界最大のタクシー会社になったわけでしょ。世界最大の物流会社もそうして生まれてくると、今度、Eコマースで買ったものが、瞬時に運べるような世界が来るからね。そんなに時間はかからないんじゃないかと僕は思っていて、ASEANも。そうすると、メーカーにとってEコマースは非常に脅威であると。
小林:脅威ですね。
森辺:じゃあ、メーカーはどうしたらいいの?という話なんだけど、メーカーもEコマースのサイトを自分たちでやればいいのかって単純な発想でやって、全然売れない自社サイトを持っているメーカーいっぱいあるでしょ?
小林:そうですね。
森辺:だから、そういうことでもなくて。そうなってくると、やっぱり価値として生きるのってブランドなんだよね。圧倒的にブランド。技術がすごく高くて、でも、技術って追い付かれるじゃん。どんどん、追い付かれるのが産業でしょ。だって、中国じゃ、つくれなかったものが今はつくれているわけだから、技術って追い付かれるんだよね。でも、ブランドって、ヨーロッパのブランド見て。時間が経てば経つほど、価値がどんどん、どんどん、高まっていくんだよね。だから、それを日用品でどうブランドをつくるかって、また少し難しさがあるんだけど、そういったものが、僕は、価値になるんじゃないかなってすごく思っているので、ウォッチをしていかないといけない。今、答えなんて誰も持っていないから、先を読みつつ事業展開をしていかないといけないんじゃないかな。
小林:分かりました。ありがとうございます。お時間、本日やってまいりましたので、ここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。