小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastの内容なんですけども、前回に引き続きまして、マーケティング研究協会主催のセミナーで参加者の皆さまから出た質問についてご回答いただきたいと思います。今回が第5回目なんですけども、質問をご紹介させていただきます。
森辺:お願いします。
小林:TTの推奨販売というのは可能なんでしょうか?という質問です。
森辺:またマニアックだね、本当に。この森部一樹のグローバルマーケティングね、内容が詰まらないよね、本当に。
小林:ちょっとマニアック。
森辺:TTの推奨販売が可能でしょうか?って、それ普通の人聞いていたら何の話しているのかよく分からないよね。でもね、これすごいいい質問だったんだよね。本当にこのマニアックな番組を毎月何万ダウンロードあるんだってね、これね。
小林:そうですね。リスナーの皆さまが。
森辺:あれ、何万? 何十万と言ってた?
小林:何十万です。
森辺:何十万か。だから、本当にありがたい話で。一生懸命答えますけども、TTというのはトラディショナルトレードね、伝統小売のことなんだけど、伝統小売で推奨販売してくれるの?と。要は、パパママショップのオーナーさんが、自分たちの商品を、来たお客さんに勧めてくれる?と。例えば、こんな商品あるんだけどどう?と。ドラッグストアに行くと、太田胃散くださいとか、アリナミンくださいとか言うと、はい、こちらアリナミンですと。そうすると、薬剤師の人が、これ、アリナミンじゃないんですけど、アリナミンと同じ成分を使ってより効き目がいいというジェネリックを勧めてくるじゃん、あれが推奨販売ってやつだね。値段も安いというやつなんだけど、あれをTTのオーナーがやってくれるのかということなんだよね。これ、トリッキーなんだけど、TT、一般的なTTね、これやってくれないのよ。もう、TTは指名買いなんです。
小林:指名買いとは何でしょうか?
森辺:指名買いとは、TTに来る人は買うものが決まっていて来るんだよね。もう、ほぼ100%。TTって特徴は右から左、1m~2mぐらいの狭い奥行きも2~3mの狭いところに限られた商品しか置けないわけじゃない? そうすると売り筋しか置かないんだよね。だから、MTの売れ筋トップ何十とかしか置いていなくて、20とか。要は、MTで売れているものがそこに置いてあるだけなのよ。だって、いっぱい売れないと困るから。なので、あんまり多品種じゃないんだよね。
小林:限られた商品しかないんですね。
森辺:限られた商品しかないですと。そうすると、買いに来るお客さんもそれを分かっていて、もう指名買いなんですよ。僕、あれを買いに来るとか。
小林:目的を持って。
森辺:目的を持ってもうこれと。だから、同じようなものを多くても2ブランドなんだよね。なので、基本的には推奨販売はしてもらえない。お金払って無理やりやらすというのはあるけど、そんなのあまり意味ないから。オーナーさんは指名買いの客しか来ないから、自動販売機と一緒ですよ。並んでいるものがあって、お客さんがそれ、コーラ飲みたいからコーラの自動販売機に来るとか、自動販売機の前に立って、ちょっとどれにしようかなって悩むのはあったとしても、基本的には指名買い。ただ、例外があって、ドラッグTTというのがあるのね。
小林:ドラッグTT。
森辺:例えば、ベトナムなんかでもドラッグストアのTT版、薬局のTT版ですね。すごいね、うーっと言ってちょっとパトカーが通って。すみません、皆さん。
小林:失礼いたしました。
森辺:ドラッグストアのTT版、ここはやっぱり推奨販売してくれるんですよ。日本と一緒、薬局と一緒で、だから、そういう意味では業種による。例えば、駄菓子屋に行って、駄菓子屋も今ないけど、菓子小売専門店に行って、これいいですよと言ってこないでしょ?
小林:そうですね。むしろ無人ですよね、今は。
森辺:なかなか勧めにくいじゃない? ロッテのチョコ買おうとしているのに明治のチョコいいですよとかね、言いにくいでしょ。
小林:はい。
森辺:このチョコは乳酸菌が入っていてとか、そんなのないじゃない?
小林:ないですね。
森辺:けど、薬局ってあるじゃない?
小林:ありますね。
森辺:うん。だから、そういう意味では薬局なんかも客は指名買いしに来るんだよね。だって、狭いもんね、当たり前だよね。なんだけども、そこで新しいもの、よりいいものを推奨販売してくれるというのはあり得る。ただ、普通の一般的なTTはないですよという、そういう話をしたんじゃないかな。
小林:なるほど。よく分かりました。ありがとうございます。お時間やってまいりましたので、ここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。