小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastの内容なんですけども、不定期シリーズで行っておりますマーケティング講座、マーケティングについてリスナーの皆さまと私、一緒に勉強していきたいということで始まったんですけども。本日はマーケティング講座ということでよろしくお願いいたします。
森辺:よろしくお願いします。
小林:本日の内容なんですけども、前回のマーケティング講座で4Pマーケティングミックスについて詳しく森辺さんからお話いただいたと思うんですけども、本日は、マーケティングでは4Pから4Cへというふうに言われているんですけども、本日は、4Cとは何なのか、また、4Pと4Cの違いについて、森辺さんからご説明いただけますでしょうか?
森辺:分かりました。4Pと4Cの違いね。
小林:そうです。
森辺:4Pに関しては、Product、Price、Place、Promotionということで前回お話をさせてもらったので、それがどうアジア新興国で重要かという話はしていますよと。その中で4Cなんだけど。結論から先に言うと、4Pはメーカー側の視点の話なんだよね。4Cは消費者側の視点の話。もっと言うと、4Pが売り手側の話で、4Cが買い手側から見たときの話。なので、どっちの視点で話をするかということなんだよね。例えば、分かりやすくちょっと極端に言うと、売り手側から見ると、「どのような製品を」「いくらで」「どのチャネルを通じて流通させて」「どんなプロモーションを打とうか」というのが4Pだよね。一方で、買い手側から見ると4Cというのは「CustomerSolution」「CustomerCost」、それから「Convenience」「Communication」の4つをとって4Cというふうに言っているんだけども、顧客にとってのソリューションだよね。どういうものなのか。カスタマーにとってのソリューション、カスタマーにとってのコストというのが、顧客コストがどうなんだと。あと、Convenienceというのは、流通チャネルといったら利便性でしょう? どこででも買えるほうが、少ない店舗でしか買えないよりも利便性が高いので、ネット含めて利便性が高い、Convenienceがあるのかどうなのか。プロモーションって何かと言うと、消費者とのコミュニケーションじゃない? なので、どのような手段を使って消費者とコミュニケーション取るか、コミュニケーションをメーカーと顧客が取るのかということなので、そういう略になるんだけど。これは、どっちの視点も重要なんだよね。
小林:そうですね。
森辺:両方すごく重要で、僕がアジア新興国で重要な4Pとか4C、僕は4Pというふうに一応言っているけど、これ実は4Pと4Cと両方のことなんだけど、消費財メーカーにとって重要なのは中間層なわけだよね、アジア新興国では。そうすると、現地の中間層が求めている製品なり商品を、現地の中間層が賄える価格、自分たちがいくらで売りたいか売れるかとかではなくて、顧客にとってのコストになるわけだから、買える価格でもだめで、僕は「賄えなきゃだめだ」と言っていて、消費財の場合はね。なぜならば、リピートしてもらって初めて消費財のビジネスというのはうまくいくわけだから、1回買うなんて誰でもできるわけなので、いかにリピートさせるかと言うと、「買える」では不十分で「賄える」ということはすごく重要で、賄える価格で。中間層が買いやすい売り場、これがつまりはMTだけじゃなくてTTにも並べなさいと言っているのはそういうことで。伝統小売がどうだ、近代小売がどうだって、そういう話をしているんではなくて、顧客にとって利便性の高いのはどういう流通チャネルにどう並んでいることなの?ということを言っているだけで、近代も伝統もどうでもいいんだよね。いうなれば、顧客にとっての利便性しか見ていなくて、結果、利便性を高めるんだったら、伝統に並べないと、それは4Cの1つのCを満たしていないですよと。だったら、売れるわけないでしょう?ということを言っていて。あと、最後のコミュニケーション。棚に並んだもの、無名なもの、日本では有名かもしれないけど、現地では無名なもの、棚に並べて誰かが手に取るかと言ったら手に取らないよね。いかに、コミュニケーションを顧客とするかということが重要で、棚に置くことと、それから置いたものがセールスルーされることというのは全く別の次元で、セールスルーされるためにはプロモーションが必要だし、顧客とのコミュニケーションが重要だということで、最後のPもCも重要ですよという話をしているということかな。なので、4Pと4Cというのはそういうこと。視点の違いです。こんなの屁理屈なんだよね。
小林:屁理屈。
森辺:(笑)言ったらね。僕が思うにはね。だから、学術的にこういうふうに学ぶのもいいんだけど、これを感覚値でどれだけ捉えられるかというのはマーケティングをしていく上ですごく重要で、肌感覚でこういった解釈や説明を意識せずとも、学者に説明されて「まあ、そうだろうね」と、「うん、そんな理解でいたよ」ぐらいの肌感覚でスーッと入っていなきゃだめで、全く分からなくて勉強して分かったというんじゃ、マーケティングってだめで、この4Pとか4Cという感覚を、センスとして。
小林:うん。刷り込む。
森辺:刷り込まれるという、脳と体と感情にね。学者にそれを体系立てて説明されて、「まあ、そうだろうね」と、「そんなこと当たり前に分かっているよ」という感じにならないと、なかなかわれわれのような実務家は現場でそれを使わないといけないから、学術的に知っているということは何の自慢にもならなくて、これを使って成果を出して初めて評価になるので、そういう意味では、感覚として捉えるということは重要ですと。
小林:じゃあ、教科書の丸暗記みたいな感じはだめってことですね?
森辺:もう全くそれは意味がない。
小林:(笑)使えるように。
森辺:のがマーケティングです。
小林:かしこまりました。じゃあ、本日は4Cについてご説明いただきました。ありがとうございます。
森辺:ありがとうございます。
小林:本日のPodcastはここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。