小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastですが、番組に寄せられた質問について、森辺さん、お答えしていただきたいと思います。
森辺:お願いします。
小林:よろしくお願いいたします。早速質問です。こちらは、B2Cの食品メーカーさまからのご質問でございます。内容についてご紹介させていただきます。「これから本格的に海外進出を考えているのですが、国選びで迷っております。その際の参入する国の選ぶポイントについて教えていただけますでしょうか。また、これはどういう基準で参入する国を選ぶのか、それは経済規模なのか、競合が参入していないかどうかなど、その点含め、教えていただけますでしょうか」という質問です。
森辺:はい。食品メーカーさん?
小林:はい。
森辺:何系とか書いてある?
小林:書いていないですね。
森辺:ただ、食品メーカー?
小林:はい。
森辺:これから本格的に出ると?
小林:海外進出を考えている。
森辺:なるほどね。国選びは大変重要ですよね。その選定を間違えると、成功するものもしなくなっちゃうし。何を基準に選ぶのかと言うと、いろいろな基準があるんですけど、「これから本格的に」というフレーズが非常に今、気になったんですけどね、質問者さんのね。これから本格的に海外展開するということは、基本的には今まで海外展開をあまりしてきていないという前提があるんだとすると、進出する国選びを間違えると失敗する可能性が高いですよね。海外と言っても、難しい国と、比較的容易に行ける国といろいろあるので。そうすると、自分たちのケイパビリティに応じてどこに出るかみたいなのって、見ないといけないんですよね。そうすると、一時の中国とかってすごく難しかったんだけど、今の中国って、僕はアジアの中で最も金っ払いがいいのが、今、中国企業だと思っているので、やっぱり中国の一部都市ね、こういったところは1つありですよね。あと、香港とかシンガポール、台湾。今、韓国は日韓関係がちょっと問題あるからあれだけど、韓国。それから、シンガポールは言ったっけ?
小林:はい。
森辺:とか、そういったところは、言ったら、比較的先進ASEANと言われている、日本に近いような地域なので、こういうところのビジネスがやりやすい。マレーシア、タイぐらいになってくると、むしろ、マレーシアやタイに進出するんではなくて、バンコクやクアラルンプール、ジョホールに出るみたいな、そういう、たぶん、位置付けで都市を攻めるという感じになると思うんですよ。これから本格的で過去に海外進出をしたことがないのであれば、本当はVIP、ベトナムとかインドネシアとかフィリピンが今後ポテンシャリーが高くて、成長が非常に大きく見込まれていて、人口が億単位でしょう。SMTは、シンガポール、マレーシア、タイは数千万単位だから、全然数の原理で10倍以上変わってくるということは、将来性がVIPのほうが高いので、本当はそういうところを狙うべきなんだけど。VIPに行くと食品メーカーじゃない。だいぶ苦しいと思うのね。TTの攻略とかするとかしないとかというのも出てくると思うんだけれども、そういう意味でも。TTというのは伝統小売ね。なので、だいぶ難しいので、そういう国は避ける。メコン経済圏なんてもう絶対あり得ないし、インドとかももう全然あり得ないと思うのね。だって、ビギナーだからね。そういう、自分たちの社内の経営資源、もしくは、ケイパビリティで容易な国、容易じゃない国というのを決めていく。そうすると、それが1つの観点ですよね。要は、日本にマーケットが近いということは、自分たちの商品をそのまま変えずにある程度の調整だけで持ち込めるという国じゃないですか。
小林:うーん…。
森辺:要は、裕福度が自分たちに近いわけなので。なんだけど、メコンとかVIPとかベトナム、インドネシア、フィリピンに行くと、もうローカライズをしていかないといけないんですよね、製品そのものも。それをいきなりやるというのは、なかなか、たぶん、これから出るという、たぶん、これから出るということは、僕は大手じゃないと思うんだよね。大手とか中堅とかも書いていないと思うんだけど、中堅の食品メーカーじゃないかと思うんだよね。大手はもう、みんな出ているから。そうすると、輸出になるでしょう。次の観点が輸出でビジネスをすることになると思うのね。いきなり現地に生産工場をつくって現産現販するという、地産地消しようという話じゃないわけだと思うのよ。そうすると、やっぱり輸出でやっていくと。輸出でやるということは、値段が上がるということなので、そうするともう、それこそ本当に国を選ばないといけない。値段上がるものを、ベトナムで輸出品売るって、売れるところ限られちゃっているわけですよ。売れる、置ける棚が限られちゃって、インドネシアもそうだし、フィリピンもそうなので。やっぱり台湾とか、シンガポールとか、香港とか、そういうところを狙っていく。香港も今、ちょっともめているけどもね。そういうのは1つですよね。もう1つが、食品ってレギュレーションがあるので、FDAの認可を取らないといけないとか、Ingredientsの問題が非常にややこしくなるので。医薬品とかに比べたら全然楽なんだけども。半年1年かかるんですよ、いろいろね。なので、あと、放射能の問題で、もうすぐ全部うまく解禁になると思いますけど、そういう問題もあるので、そういう、いわゆるレギュレーションの問題、これも1つ国を選ぶときの問題になってくるというのは1つあるので。まとめると、たぶん、僕の仮説が、中堅の食品メーカーで、今までそんなに海外って本格的にやったことがなくて、どこかの問屋さんに国内で渡したものが勝手に流れているとか、そういうレベルで海外販売していますというようなレベルが、もう自社で本当に本格的に行くんですよという、そういう想定が合っているんだとすると、それでもいきなり現法を出してという話じゃないと思うのよ。現地で生産工場をつくってという話じゃないと思うのよ。営業法人とか駐在員事務所とか出すかもしれないけど、それでも、工場を出さないということは、日本でつくったものを輸出するという話なので、輸出をするビジネスですよね。そうすると、価格が上がってくるわけなので、1人あたりの所得の低い国というのは、なかなかうまくビジネスが進まないので、極力日本に近い国、つまりは、中国の一部都市、台湾、香港、それから…。
小林:シンガポール?
森辺:マカオ、シンガポール。マーケットは小さいかもしれないけど、まずそういったところから始めていくというのがたぶんよくて。行っても、バンコク、クアラルンプール、ジョホールぐらいまでじゃないかなというふうには思います。
小林:分かりました。
森辺:こんな感じで、お役に立てましたかね?
小林:うん。きっと、そう。お役に立てたと思います。
森辺:そうですか。
小林:はい。
森辺:分かりました。以上です。
小林:ありがとうございます。本日のPodcastはここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。