小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林真彩です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん、本日のPodcastですが、リスナーの皆さまからいただいた質問に対してお答えしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
森辺:よろしくお願いします。
小林:では、本日のご質問でございます。こちら製造業の方からのご質問でございます。「良いディストリビューターを選ぶポイントとは?ディストリビューターはどのように選定すべきでしょうか?良いディストリビューターを選ぶポイントを教えてください」とのことでございます。
森辺:良いディストリビューターね。そうだよね、これもよくある、よくもらう質問なんですけど。そうですね、何を考えているかと言うと、どう明確に回りくどくなく伝えるかということを、今ちょっと頭で整理しているんですけど。ポイントなので、お話をすると、良いディストリビューターを選ぶポイントって、まず、自分たちが自分たちのターゲットを明確にするということなんですね。この製造業がB2Cであっても、B2Bであっても、自分たちは誰に売りたいのかということを、まず、徹底的に明確にするということが重要で。これが明確になっていないと、良いディストリビューターには出会えないし。逆に、良いディストリビューターだと思ったところが、そうじゃなかったりするんですよね。自分たちは、誰に自分たちのサービスや商品を提供してお金をもらいたいのか。自分たちのターゲットは誰なんだ?と。B2Cだったら、どの国の、どの都市の、どのエリアに、どういう生活をしている、どういう消費者なんだ?じゃあ、その消費者が行く小売はどこなんだ?じゃあ、その小売に強いディストリビューターはどこなんだ?と言って、そのディストリビューターのところに行かないといけないのに、自分たち医のターゲットがぼやーっとしているから、何となく、デカくて強いところだったらそこに到達するだろうというところで、とにかくデカくて強いところって、ディストリビューターを探し始めちゃうわけですよね。デカくて強いところが、そりゃ言いますよね、「うちは全部行けるよ。ガンガンだよ。行ける。うちより良いところはない」と。だって、日本の、ディストリビューターは売れようが売れまいが、日本の企業の商品取り扱っていると言えたら、彼らにとってはプラスだから。とにかく組むというのはありだ。そうすると、実際、蓋を開けてみたら自分たちの狙っているところの半分ぐらいしかリーチできなかったとかっていうのはB2Cでも全然あって。B2Bでもそうですよね。自分たちが狙っているユーザーはどこなんだ?そのユーザーに口座がないディストリビューターと組んだら、そのディストリビューターは新規でそこに口座をつくりに行くわけでしょう。新規で口座つくりに行くのと、今、既存で口座があるところに営業するのとどっちが楽?と言ったら、圧倒的に今、現状、口座があるところとやったほうがいいじゃないですか。なので、まず、自分たちのターゲットを明確にするということがディストリビューター選びでは非常に重要ですというのが1つ。もう1つは、ディストリビューターを選ぶときのポイントというのは、自分たちが手が届くディストリビューターだけを集めて、そこからどれが良いですか?と決めるんじゃなくて、もうその国の、もしくはその都市のディストリビューターを全部可視化して、リストアップして縦に全部並べて、そこから絞り込んでいくということをやらないといけないね。昔は、何となく地元の金融機関が紹介してくれたどこどことか、現地の何とかが紹介してくれたどこどことか、それって紹介してくれていないところはあまり見ていないということだから、ほぼ自分の手の届くところの中から決めているわけでしょう?こんな限定的な決め方ってものすごく怖くて。網羅的に全部リストアップする。そこから絞り込んでいく。その絞り込んでいく過程でスキルセットとマインドセットという軸を使うんだけども。スキルセットというのはどういうのかと言うと、自分たちがさっき言ったターゲットにリーチするためにはどうでなければならないというのがあるわけじゃん。例えば、そのターゲットと口座がなければならないとか。ターゲットに対して年間30億売る、40億売るとなると、その会社の売上が30億40億じゃ、たぶんキャッシュが回らないから、絶対無理だから、じゃあ、もう、30億以下のディストリビューターは駄目だねと。100億円以上じゃないと駄目だねとか、200億円以上じゃないと駄目だねって話になってくるし。あと、自分たちの商品が冷凍食品とかアイスクリームだったら、コールドチェーンを持ってなきゃ駄目だねとか。そういうスキル的な、自分たちのターゲットに対して商売をするうえで、スキルのセットとして絶対必要なものを持っているか持っていないかをまず見ていって、持っていないところを全部消去していく。そうすると、向こうがやりたいかやりたくないかとか、どうかということは別にして、物理的にスキルがあるかないかというのをまず見ていって絞りますと。そうしたら、基本的にやる気があったら、この人たちはスキルがあるからできるよねということになるでしょう。その後、今度はマインドセットというものを見るんだけども、要は、自分たちの商品に興味があるかとか、自分たちの戦略に対してどういう返答をしてくれるか。いや、そこはこうだから、こうしたほうがいいとかって、どれだけやる気があるかとか。あと、企業理念がどれぐらい近しいところにあるかとかっていうマインドセット。このマインドセットだけは、たかがディストリビューターなので、95%以上華僑ですよ。B2Cだったら数百億だし、B2Bだったら何千億というのもあると思うんだけども、基本的にはもうオーナー社長と、僕は会わないと絶対にそのディストリビューターを決めないので、オーナー社長と会う。なんでかと言ったら、右向け右なんですよね、日本企業以上に。ものすごいトップのリーダーシップが強いので。現場の部長が、もしくは取締役が「左でやりましょう」と言っていても、オーナー社長が出てきて突然「右」と言ったら、全員右に進んじゃうので、そんなのオーナー社長を握れてなかったら怖くてビジネスできないわけでね。それが組織的に機能している部分としていない部分もあるし、まだまだディストリビューター、日本でもそうでしょう、問屋さんなんてオーナーの力が大きく影響するわけじゃない、日本でも。それが華僑のビジネスと言ったら、ものすごい影響するわけですよ。なので、マインドセットを測るときはそういうところ。分かりやすく言うと、一緒にエベレスト登ろうよと言っていて、登ったことがない人を連れて行かないでしょう?
小林:はい。
森辺:それはスキルセット。そうすると、誰を連れて行くかと言ったら、エベレストに登ったことのある人、もしくは登山経験のある人、という人を選んでいくわけじゃない?小林さんはないから除外みたいなね。登山経験のある人を選びます。これはスキルセット。マインドセットというのは、登山経験はあるんだけど、「森辺とエベレストなんか登りたくないよ、つまらないし」って小林さんみたいに言うと。
小林:私?(笑)語弊が…。
森辺:たとえ、登山経験があってももう一緒に行かないみたいな。けど、「森辺さん、ぜひ一緒に行きましょう」と言ったら連れて行く、それがマインドセットというだけの話だから、実力とやる気がどうあるか、もっと簡単に言うとね。それで決めていくという。
小林:やる気のほうを重視するということですか?
森辺:最終的にはやる気のほうを重視するんだけど、でも、登ったことなくてやる気ばっかりだったらさすがに…でしょ?
小林:(笑)そうですね。
森辺:特にディストリビューションってすごい重要だから。自分の部下で、「いや、こいつちょっと足りないんだけど、ガッツあるし、かわいいから。やる気あるし、かわいいな」と言って、一緒にやろうという、そういうのとちょっと次元が違うから、さすがにスキルセットがないと、いくらマインドセットがあってもちょっと無理なんだけど、ディストリビューションは。なので、スキルセットを先に見ちゃって、物理的にリーチしていたら全部通すし、していなかったら1回そこで消去して。残ったところに対して、今度はマインドセットを見ていくという。そういうのが選ぶポイントなんじゃないかな。小林さんが言った通り、最後は、どれだけ自分たちの商品にリスクを負って一緒にやっていこうという意思が見られるか。われわれなんかは、ディストリビューターと契約する前段階から、今年度いくらやる、来年いくらやる、再来年いくらやると、契約と同時にどれぐらいの発注出せる?ということまで細かく決めていっちゃうんだけど、そういう細かい話をしていると、ふわーっとどこかへ行っちゃうディストリビューターもいるし、もっともっと詰めてくるやる気のあるディストリビューターもいるから、そこでだいたい決まるんだよね。メーカーとディストリビューターの力関係もそこで決まるから、ひたすら良い人日本人みたいな話にはならなくて。そこはしっかり締めるところは締めるし、仲良くするところは仲良くするで、しっかりやるということがすごく重要なので。そういうふうに決めていくというのが僕のやり方です。
小林:分かりました。ありがとうございます。
森辺:ありがとうございます。
小林:本日のPodcastはここまでにいたします。リスナーの皆さま、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。