東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん…。森辺さん、1月でしたっけ、1月末ぐらいにミャンマーに行ってきていると思うんですけど。あんまりミャンマーのことについて、このPodcastでも触れていないですし、われわれが活動しているというのをあまり公にはしていないので、ミャンマーにまだ、当然、まだ行ったことがないというリスナーさんも結構いらっしゃると思うので、ミャンマーってどこにあって、どんな国で、概要から教えていただければと思うんですが。
森辺:そうですね、あまり海外出張、顧客のあれに関わるから、あまりこの番組でも話さないもんね。
東:はい。
森辺:そうなんですよ。ミャンマーに行ってきて。ミャンマーって、リスナーの皆さんはご存じだと思いますけど、ASEANの一国ですと。ASEANって大きく分けて3つに分けられるでしょう。SMT、シンガポール、マレーシア、タイランドの、僕は先進ASEANと言っていて、比較的日本に近い先進的なASEANが中心のSMTと。あと、今、成長著しい、いわゆるまさに新興国のVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンってね。最後に来るのがメコン経済圏でCLMとかっていうふうに言われますけど、カンボジア、ラオス、ミャンマー、CLMの、メコン経済圏CLMの中で最もいわゆる期待の星がミャンマーですと。そのヤンゴンという旧政治の中心地も、市場の中心地もヤンゴンだったということね、今は政治の中心地は移っちゃったんだけども、そのヤンゴンに行ってきたというのが1月かな。この、ちょっと番組がいつ放送になるのが分からないですけど、1月に行ってきましたよと。でね、何から話そうかな、人口かな。人口が今、5,000万人~6,000万人と言われていて、なんでこんなに大きな差があるのかと言うと、人口調査って10年に1回とか何十年に1回しかやらないじゃない?
東:そうですね。
森辺:最後に国が測ったのが2010何年とかだと、10年とかだったと思うんだけど。
東:(笑)結構、じゃあ、ときが経っているわけですね。
森辺:そうそう。そうすると、5,000~6,000万人いるんじゃないかと言われています。元々、軍事政権だったでしょう?
東:そうですね。
森辺:実はミャンマーって、僕はアンチミャンマー派だったんだよね。
東:はい。(笑)
森辺:アンチミャンマー派だったというか、2012年に軍事政権からアウンサン・スーチンさん率いるNLD、いわゆる民主化の政党が50何席中50何席取ったみたいな、ほとんどの議席を取ったという大勝利を収めたのが2012年にあって。元々、経済制裁とかアメリカにされたりしていたからそういうのが解けて、アウンサンスーチーさんがカムバックして。軍事政権が、まあまあいまだにいるんだけども。民主化したというタイミングで、猫も杓子もミャンマーという時代があって。
東:そうですね。
森辺:みんなでミャンマーへ行ったのよ。「ミャンマーのセミナーしてくれ」って、僕、いろんなところから言われて、ミャンマーのセミナーしたんだけども、「何を言っているんですか」と。「ミャンマーって、これからインフラ事業者がまず出て、インフラが整ったら自動車メーカーが出て、消費財メーカーが出て、そして、ようやく中堅・中小企業ですよ」みたいな。そんななのに、結構、中小企業のオーナーも行って、日本からの中古の、今は規制されちゃって中古の車は持ち込めないんだけど、中古のレクサスとかいっぱいヤンゴンは走っていて、すごい金持ちだと。ただ、中古のレクサスに乗っているのはみんな軍の人なのよ。
東:はい。
森辺:そんな時代があって。ホテルもバカ高かったの、当時。もう、しょんぼいホテルが4万5万してね。
東:ホテルがなかったですもんね、あんまり。
森辺:なかった、そうそう。なかったから、もう高いですと。停電もしまくって、もうぶわーっと行って、しゅんと終わったというのが2012年のミャンマー訪問。2012年~13、14年頃まで行ったのかな。一気に行って一気に終わったという。そこからもう、ミャンマー、しーん…、よね。
東:うーん。
森辺:結局、結論としてはベトナムの3割4割みたいな感じ。ベトナムを攻略できていない会社がミャンマーを攻略できるかと言うと、やっぱり難しくて。まだまだそんな市場で。
東:うーん。
森辺:ちょっと、大丈夫、時間?
東:大丈夫です。もうちょっと。
森辺:ちょっと説明すると、消費市場ができるまでって、新興国っていろんなこう…、いろんなというか、流れがあるでしょう、法則がね、大きな流れがあって。まず、これって、政府のいわゆる経済政策というのがあって。例えば、ミャンマーの場合だと、軍主導の政権から民主化の動きがあって、「外国の企業、どんどん来てください。どうぞ、稼いでください」というのがあって、それが2012年以降じゃない?
東:はい。
森辺:そこから外資系の企業が出ていくんだけども、新興国って、まず何が足りないってインフラが足りないんですよ。行ったら、電力が足りないんですよ。そうすると、電力づくりにまずジャイカとか日本の商社とか、ああいうところがまず出て電力つくって。電力ができてきて道路ができてくると、いよいよインフラ会社が出ていって。今まさに日本のインフラ系の業界がミャンマー儲かっているんですよ。だから、インフラ系が今まさに出ているところ。その後、自動車メーカーが、ミャンマーももう自動車メーカーがいくつか出ていますけど、出てきて、これから家電が出ていくという、そのちょっと手前。だから、インフラがジャイカとかのODAも今あるし、いくつかは重なるからさ、ODAが始まって、商社とか銀行とか、そういったところが、いわゆる工業区をつくり始めて、インフラを整え始めて、自動車が出始めて、「さあ、これから家電来るぞー!」という、そういう感じのところ。
東:なるほど。
森辺:それができると、工場がいろいろできて、家電が来たら、今度、消費財も来て、いろんなところから来て、その国が豊かになるじゃない?
東:うん、うん。
森辺:そこの国からの輸出が増えて、要は、究極、中国みたいになって世界の工場みたいになるわけですね。
東:はいはい…。
森辺:そのまだ途中という感じがミャンマーなんですよ。
東:そうすると、今後は、やっぱり有望な市場の1つになり得る可能性が?
森辺:ある!
東:あるんですかね。
森辺:うん、そうだと思います。
東:なるほど。
森辺:日系の、例えば、消費財のメーカーさんなんかは、どちらかと言うと、ベテランがその国をやっているという感じよね。
東:なるほどね。分かりました。じゃあ、引き続き、ミャンマーの件に関しては次回もお聞きしたいと思いますので、今回ここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。