東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺:こんにちは。森辺一樹です。
東:「森辺一樹のグローバル・マーケティング~すべてはアジアで売るために~」いよいよ始まりましたが、森辺さん、どうですか?
森辺:照れますね、大変照れます。
東:これからどんな番組にしていきたいと思っていますか?
森辺:この「森辺一樹のグローバル・マーケティング~すべてはアジアで売るために~」を通じてですね、いろんなリスナーの皆さんにアジア新興国のマーケットをいかにして取っていくか、そんな情報が提供できたらなあというふうに考えております。
東:楽しみですね。
森辺:はい。
東:じゃあまずですね、森辺さんの簡単なプロフィールからお紹介いただいてもよろしいでしょうか?
森辺:はい。私はですね、1974年生まれでございまして、現在38歳でございます。今3社ほど会社を経営しておりまして、約11年ですかね、このアジア新興国マーケットにいかにして売っていくかというフィールドのリサーチであったりコンサルティングという支援の事業をずっとやってきた、そんなキャリアでございます。
東:11年間というのは、具体的に何をどこでどうやっていたみたいなことを教えていただいてもいいですか?
森辺:ちょうど2002年にですね、中国・香港で、ストラテジック・デシジョン・イニシアティブという、業界ではSDIというふうに呼ばれているんですが、新興国市場に特化したリサーチ会社を創業しまして、昨年から会長になっております。でその会社はですね、いわゆる産業調査と言われる、企業さんが海外に出る際の競合調査をしたり、流通構造を調べたり、業界構造を調べたり、そんなことをやる、そんな会社でございまして、クライアントが主に、7割が大手企業さんからの依頼でございまして、その他戦略系のコンサルティングファームであったり、民間のシンクタンクなんかのお仕事をしている、そんな会社でございます。
東:今2002年からとおっしゃったんですけれども、もう2002年から社長をやられているということは、だいぶ若いときに社長をやられていたと思うんですけれども、社長になりたいと思われたのは昔からそんな思いはあったんでしょうか?
森辺:社長になりたい、なりたいって、そんなふうには特に思ってないんですけど、ちょうど私ですね、中学校、高校とシンガポールというところにおりまして、当時日本人の学校が、高等学校がなかったのでアメリカンスクールに入れられまして、両親の仕事でシンガポールに移住をしたんですが、その際にアメリカンスクールって図書館にいろんなビジネス雑誌が置いてあるんですけどもね、Forbes(フォーブス)という雑誌が置いてありましてね、そのフォーブスが半年に一回とかに世界の億万長者ランキングという嫌らしいランキングをやるんですけれども、それが当時中学生の自分には非常に衝撃的で、わあ、こんな露骨なランキングがあるんだと。ただ、当時80年代でしたから、そのランキングを見たときに日本人が非常に上位を占めてましてですね、森ビルの社長さんであったり、西武の堤さんであったり、そんな方が上位を占めていたそんな時代でございまして、当時アメリカンスクールの日本人は少数派ですから、日本人が世界でこれだけ上位のランキングにいるということは僕はすごく誇らしくて、その人たちの職業欄を見たら全員社長って書いてあったんで、よし僕もいつか社長になってやろうというふうに、単純に幼いときに思ったという、そんな経緯でございまして、その社長になるために今まで自分が何か努力をしてきたわけって言ったら全くそんなことはないので、あまり偉そうなことは言えないかなというふうに思います。
東:なるほど。じゃあ実際に11年間社長をやってみて、感想というのはどうですかね?
森辺:一言で申し上げますと、できればこういう世界を知らずに生きていけたら幸せだったんだろうなというふうには思いますけども、一度やっぱり知ってしまうとですね、病み付きになるというか、まあ正直しんどいんですよね、孤独ですしね。しんどい仕事ではあるんですけど、やっぱりそれ以上にやりがいが強いので、そんなふうには思ったりしています。
東:去年SDIの社長から会長に退かれて、そんな中しんどい社長をまた1社、新しくスパイダーという会社を起こしてますけど、この会社は具体的に何をやってる会社なんでしょうか?
森辺:スパイダーは厳密に言うと2社ございまして、スパイダー・イニシアティブという、いわばホールディング会社ですかね――が1社ございまして、その下にスパイダー・エージェントという会社を2社設立しております。
東:スパイダー・イニシアティブとスパイダー・エージェント、この2つがあると。具体的にスパイダー・イニシアティブというのは何をやって、どういったメンバーでやられてるのかっていうのを教えていただいてよろしいですか?
森辺:基本的に私が次の10年、20年やりたいことがグローバル・マーケティングというものを基軸にして、日本の多くの企業、大企業から中小企業までそういう企業のグローバル展開をご支援をしていきたいなあというふうに思っております。で、このスパイダー・イニシアティブというのはまさにホールディング会社で、ここでやることはですね、サービスであったり事業の開発と投資を主に目的としておりますので、ホールディング会社だというふうに思っていただければと思います。で、このスパイダー・イニシアティブの第一弾の事業がグローバル・マーケティング講座を運営するスパイダー・エージェントということになるかと思います。
東:なるほど。では、そのスパイダー・イニシアティブというのはどういったメンバーで立ち上げられたんでしょうか?
森辺:このスパイダー・イニシアティブはですね、現在ナビゲーターをしていただいてる東忠男のまず紹介をさせていただくと、東くんとはですね、ちょうど出会いが2008年ですかね、2008年に私がSDIの社長をやってるときに、取材を受けた雑誌を持って突然アポに来られた。
東:そうです。途中に電話をしたんですよね。
森辺:そうですね。で、突然電話をしてきて会いたいというので、お会いをしましてですね。今でも覚えているんですが、会議室で何か一緒にやりたいと。こういうことを唐突に言われまして、話を聞いていると、うちに就職をしたいという訳でもなく、何か僕と一緒にやりたいという、そんな思いをぶつけられて、面白い人だなあというふうに思った印象があります。で、それからもう5年ですかね、定期的に食事をしたりいろんな人と何か議論をしたり、そんなことをずっとやってきた、そんな仲ですかね。で、東の詳細はspydergrp.comに経歴等々、掲載しておりますのでぜひ見ていただければと思います。
東:はい。続きまして。
森辺:次はですね、金津大輔という男でございまして、彼はですね、ちょうど先月の日経ビジネスで「中国の下着を変えた日本人」ということで。
東:そうですね。日経ビジネスの2013年2月11日号の82ページに載ってますので、ぜひ皆さんごらんになってみてください。
森辺:そうですね。見開き4ページですか、金津大輔の特集が組まれておって、彼は日本人ながら、中国で中国人の経営者とともに、アメリカ人もいたのかな、下着のeコマースのサイトを創業しておりまして、この会社が中国の下着eコマースでナンバーワンの会社でございまして、LA MIU(ラ・ミュー)という会社ですけども、ここの共同創業者で取締役をしておってですね。もともと彼との出会いは、あるクライアントの依頼で僕がこの彼の会社を買収しようとしましてですね、そのときに向こうの社長、CFO、ならびにこの共同創業者の金津が当時カウンターパートとしておりまして、いわゆる敵だったんですよね。
東:そんな敵がなぜ今は味方に?
森辺:M&Aという仕事はですね、クロージングに近づけば近づくほど非常に体力と精神力が必要になってくる、そんな仕事でございましてですね、その仕事を通じる中で、いつかこの金津大輔と一緒に仕事をしたいなあという思いが非常にあって、去年彼はめでたくこの会社をイグジットしまして、取締役も退任して、それでスパイダー・イニシアティブに合流をしたんですが、そんな経緯で彼と一緒に仕事をすることになったと。
東:残る1人はどういったメンバーでしょうか?
森辺:残る1人はですね、辻佳子という女性なんですが、彼女はアクセンチュア、デロイトで日本企業のアジア展開における進出と撤退のコンサルティングに従事をしておった人材でございまして、私もいわゆる大手のコンサルティングファームのコンサルタントをたくさん知っているんですけど、中でも現場力が非常にある優秀な女性でございまして、そのコンサルファームのあとは自身でもコンサルティング会社を立ち上げて、さらに中小企業基盤整備機構の最年少のシニアアドバイザーにもなっているんですね。
東:すごい経歴の持ち主ですね。
森辺:そうですね。で、中小企業から大企業まで支援をしてきた実績がある、そんな女性でございまして、でまあ、自身の会社も中企庁(中小企業庁)のシニアアドバイザーも辞めて、スパイダー・イニシアティブに合流をしてきたと。で結局、このメンバーを見てもらうと分かるんですけど、東さんもそうですけども、いわゆる東さんの場合は、日本電産でのキャリアが非常に長くて、中国の事業も立ち上げられて、いわゆる実務という面も持ちながら、そのあと3年はコンサルティングをずっとやっていたので、実務と支援の両方知ってると。で、金津は実務家でございますので、実務を知ってると。辻に関しては優秀なコンサルタント。で私も支援側の人間ですと。で、支援と実務者、この融合がやっぱり非常に重要でございまして、支援をする専門家だけの会社にしたくなかったという思いでこんなメンバーを集めております。
東:なるほど。その会社と、ビー・スタイルという会社と合弁して、もう1つの会社スパイダー・エージェントというのを立ち上げられたと思うんですけども、この会社の設立経緯を教えていただいてもよろしいですか?
森辺:はい。この会社はですね、スパイダー・イニシアティブ、今ご紹介した4人が作り出す最初の第1弾の事業になるわけですが、この合弁で作ったスパイダー・エージェントは三原邦彦という、ビー・スタイルという、新宿に本社のある、今年商40億くらいの会社でございますが、この彼との合弁の会社でございまして、三原さんはですね、非常に人間力のあるおもしろい経営者でございまして、三原の詳細は詳しくはspyderagent.comに記載されているので、ぜひ見ていただければと思うんですが、彼がもともと私にグローバルビジネスをしたいということで、いろんなビジネスアイディアを相談に来てたんですね。で、通常だと相談に来られたらクライアントになりますので、そのままコンサルティングの支援なんかをしていくっていう、そういうかたちになるんですが、彼の場合はですね、これから世の中はますますグローバル化していくと。日本の優秀な男子は国外に出て戦うと。で国内を守るのは主婦の役割だと。こんな壮大なことを言いまして。
東:面白いこと言いますね。
森辺:それで、あれ、これ【有志】(00:14:49)なんだけど、私のやろうとしていることと非常に通じてるなと、そんなふうに感じましてですね、それで彼と一緒に合弁を立ち上げたっていうのが1つですね。もう1つが、いわゆる、我々というか私の周りにいる人間ってグローバルな人材が非常に多くてですね、そういうタイプとはまた違ったタイプ、これ経営をするっていうこととサービスを提供するって全く違う世界でございまして、その経営の観点で三原邦彦をですね、このスパイダーの事業に巻き込みたいという、そんな思いもあってですね、一緒に合弁を作ったという、そんな経緯でございます。
東:なるほど。そのスパイダー・エージェントで、三原さんとともに、今後どういった世界観を築き上げたいっていうのは、森辺さん、どう思われたんですか?
森辺:スパイダー・エージェントという会社は、基本的にはグローバル・マーケティング講座を運営する会社であると。で、このグローバル・マーケティング講座というのは、日本企業に対して海外でいかにシェアを取るか、アジアでいかに勝つかと、こんなノウハウを講座形式で教えていく、そんな会社なんですけどもね。結局、日本の企業ってものすごく素晴らしいものをたくさんもっていると。ただ、戦後の高度成長期から今時代が大きくパラダイムシフトを迎えて、いいものを作ってたら単純にそれで売れるという時代はもう終わっちゃった。で、そこに必要なのってこのグローバル・マーケティングというノウハウであって、それを教えることで日本の企業ってもっともっと良くなれるんですよね。ですからこのスパイダー・エージェントという会社を通じて、グローバル・マーケティングってものを普及していきたいと。で、そうすることによって今まで私が過去11年間で支援できた会社ってたかだか一千数百社、その世界をですね、次の10年、1万、2万、3万の企業を支援していける、そんな世界観をつくりたいなあというふうに思っています。
東:具体的に言うとどんな世界観になりますか?
森辺:例えるならば、リクナビのような世界というふうに申し上げたら…。
東:リクナビですか。
森辺:ええ。日本の学生さんが大学を卒業して就職をするときに、必ずリクナビを使って就職をするっていう、そういう商習慣ってこの10年、15年で完全に築かれていると思うんですよね。ただ一方で海外進出となると、何をしていいのかよく分からない、金融機関に相談する、たまたま出会ったコンサルタントに相談する、もしくは自力で分かんないけど神風特攻隊のように海外に出ていくとかですね、海外担当者を決めて、お前行ってこいと。そんな、いわゆる、やり方が体系化されていないんですよね。でその中で万に一つ当たる企業もいれば、大企業のように潤沢な資金があるので、ゆっくりとブレークイーブンすればいい企業もいれば、さまざまなんですけど、大半の企業はやっぱり苦労をして、結局は撤退をしてしまったとか、結局はマーケットシェアが取れないとかですね、そんなことになっているので、多くの企業はこのスパイダー・エージェントのグローバル・マーケティング講座を受けることによって、海外での成功確率が格段に上がっていくと、そんな世界観を作っていきたいなというふうに思っています。
東:なるほど。いわば日本企業が世界で戦うための武器がグローバル・マーケティング講座ととらえてよろしいでしょうか?
森辺:その通りだと思います。
東:では、このグローバル・マーケティング講座の今後の展開がすごい楽しみですね。
森辺:そうですね。ものすごく私も今わくわくしております。
東:分かりました。それでは、森辺さん、今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございます。またよろしくお願いします。
東:よろしくお願いします。