東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、今日は…。結構言われるのが、「森辺さんに相談したいんだけど、どう相談していいかよく分かりません」みたいなことをチラホラ言われることがあると思うんですけど。その辺について、どういうきっかけで相談をして、具体的に何をやってもらえるのか、というのがイメージできていないリスナーさんもいるし、言わば、コンサルを使ったことがあるとか、調査会社を使ったことがある人はイメージできるけど、それ以外の人はなかなかイメージができなかったりすると思うんですが、どんな感じで相談が始まって、どういうかたちで戦略構築みたいなことをやるのかという、その流れについて、リスナーの方にも共有いただければと思うんですけれども。
森辺:なるほどね。日々のデイリーワークというか、どういうかたちで相談が来て、どういうかたちで提案が行われてみたいな、その流れだよね。
東:そうですね。
森辺:まず、基本的にうちの会社って営業部がないんですよね。だから、営業マンがいません。なので、ほとんどの案件は、ご紹介か、お問合せというのが大半です。その中でやっぱり問題を抱えている会社が来られるというケースが多くて。新規で「これから海外、どこかの国に出ます」というケースよりも、むしろ、やっているんですと、「もう10年20年やっているんだけども、うまくいかないので、もう1回再構築をしたい」という依頼のほうが圧倒的です。比率で言うと、たぶん9割ぐらいそっち。新規でと言うと1割ぐらいなのかな…。もうほとんど大手は出ているので。なので、そういうケースが多くて、「問題を抱えているので相談に乗ってください」ということでヒアリングに伺わせていただく、というのがステップですよね。だいたい、これは20年近くもこんなことをやっていると、日本の企業が業種でこの会社でこの国で言ったら、たぶんこういうことで悩まれているんだろうなとか、問題点はもうここだろうなとか、ボトルネックはここだろうなというのは、想定がそもそもついてしまうので、ヒアリングを始めてすぐにある程度の解決策みたいなものがイメージできてしまうんですよね。これはまさに経験値というところなんだと思うんだけども。その解決策を提言すると、その通りだということになるので、その解決策に向けて情報収集をするということを今度はしていくんだけども。結局、「問題が本当にそこなのか」みたいなことをしっかりファクトベースで調べないといけないわけですよね。その調査をやっていって。そうすると、「やっぱり仮説通りだったね」という答えを、最終報告会でするわけなんです。その答えが明確になったら、じゃあ、今度、「答えに対して解決策を打ちましょう」というのがフェーズ2。解決策が解決されて、「それをさらに伸ばしていきましょう」みたいなことで、フェーズ3に進んでいくみたいな、そんなイメージがだいたい一般的な流れですかね。
東:最初の段階のご相談というのは、どういうかたちで来るのか、というのは?
森辺:もう漠然とですよね。「実はこんなことで困っています」と。「うまくいってないんです。なぜうまくいってないか分かりません」という人もいれば、「たぶん、こういうことだと思うんだ。ただ、具体的な数値がないし、具体的なファクトもないから、そこをまず調べないと、上司を動かすことができない」と。会社を動かせないと。要は会社って、「ここに問題があるので、こういう解決策を打ちます」と言って、すぐ解決を出してくれるかといったら、そうじゃなくて。「ここに問題があると思います」という、まず仮説があって、それが本当にそうなのかということを確認をして、本当にそうだということが分かったらそこにお金を注入して解決をするという、こういう流れなんだよね。だから、現場の担当者が、「ここに問題があるんです。すぐにお金出してください」、そういう訳にはいかないので、本当にその問題が確かなのかということをまず調査するということをステップとしてはやるんですね。大きくなればなるほど、そういうステップになると思うんだけども。だから、漠然とそういう問題を抱えて来られるし。…というのが大きいと思いますけれども。
東:そこから、じゃあ、いろいろ議論を重ねて、調査設計みたいなかたちを含めて実行していくみたいな感じになるんですかね?
森辺:そうですね。中には、上司がなかなかこういう問題を可視化して、解決策を導き出して、それを実行していくみたいなことに不慣れな上司、昭和な上司は特にそうなんだけども、そこに費用を掛けるということ自体が、言ったら、あまりいい印象がないという、そういう上司も中にはいるんですよ。だから、現場の担当者と一緒にその上司を説得する、その上司が首を縦に振るような提言をしていく、というふうなことをやったりもしますよね。
東:なるほど。分かりました。今日は時間が来たのでここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。