東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、今日は、最近、コロナの影響もあって少しリスナーさんが増えているというのもあるんですけど、初めて聞くリスナーさんは、過去を振り返って聞いていただける方もいれば、新しく、新しいものから順々に聞いていらっしゃるリスナーさんもいると思うんですけど、われわれの業務内容とか、われわれがよく使っているリサーチとか調査というのが何となく印象として消費者調査の印象が強いと思うんですけど、その辺について森辺さんから簡単に、リスナーさんに分かりやすいようなかたちでご説明いただけないでしょうか?
森辺:分かりました。弊社のホームページ、あまり調査は書いていないんだけども。もともと僕が前に創業した会社がグローバルの調査会社だったので、調査が強い会社というのはたぶんイメージをしてくださっている方も多いと思うんですけど。今の会社ではあまり調査ということは表向きにはうたっていないんだけど、基本的にわれわれの提供する価値のベースになっているのは調査で。調査って、何かと言うとインプットなんですよね。僕たちがお客さまに提供するのって戦略アウトプットじゃないですか。もしくは戦略を経て実行していく、販売を実行するという、これもまたアウトプットですよね。だから、お客さまに提供するものは常にアウトプットであって、そのアウトプットを、高いアウトプットをどうやって出すかって、もう絶対的に必要なのがインプットなんですよね。これは膨大なインプットの量、きめ細かいインプットの量がないと絶対高いアウトプットって出ないですよね。もちろん入れたインプットを、知識と経験がないともちろんこれも高いアウトプットにならないので、例えば100インプットを入れたら100アウトプットができるかと言ったらそうじゃなくて。もちろん100入れてそれを1000にできる人と、100入れても100にしかできない人とか、いろいろいるんだけど。じゃあ、高いアウトプットを出すにはここに知識と経験を掛けてやっていくわけなんだけど、そのために調査ってすごく重要で、いろんな調査を四六時中やっている会社ではありますよね。もちろん調査の依頼というのは非常に多くて、調査と言うと、どうしてもやっぱり消費者調査がたぶん。
東:一般の方には結構。
森辺:多いのかなと思うんだよね。インターネット調査とか、消費者の需要の調査とか。なので、ちょっと整理をすると、消費者系の調査と、実は産業系の調査って、調査って2つあるんですよね。消費者調査というのはまさに消費者のいわゆるインサイトを探っていくような調査で、手法がインターネットとか、訪問なのか、会場インタビューなのか、街頭インタビューなのか、何なのかというだけの話で、基本的には手法、グループインタビューとか、手法が違うというだけの話で、消費者のインサイトを探っていくというのが消費者調査で。一方で、産業調査ってどういうものかと言うと、例えば市場環境を調べたりとか、市場環境ってマクロ的なファンダメンタルズがどうなっているのかとか、各国で調べていくというのもそうだし、法規制とか、レギュレーション、それから商習慣、文化、そういうものがどうなっているのかというマクロ的な調査もそうだし。特にうちが強くていろいろなお客さまからご要望があるのが競合調査ですよね。欧米先進グローバル企業ももちろんそうですし、ローカルの地場の企業、場合によっては日本の競合企業の海外における展開が具体的にどうなっているのか、そういうものを調べていくという競合調査ですよね。大きく分けると、市場環境を調べる調査と競争環境を調べる調査というものにたぶん分かれてきて。あと、リストアップ調査とか、リストをつくって、いろいろなターゲットリストをつくっていったりとか、ディストリビューターのリストをつくったりとか、そういう調査ですよね。リストというのは、もちろん調査結果としてリストをお客さんに提供するというケースもあれば、そのリストをもとにお客さんにとって、例えば適切なディストリビューターをご推薦申し上げて、ご推薦申し上げるだけじゃ駄目で、そこにアポイントメントを取ってお客さまをお連れするとか、商談の代行をするとか、そういうことまで一貫してやるというのがわれわれの仕事なわけなんだけども、調査ってすごく重要で、そういうことをやっていますよと。実は日本の企業って調査好きだなと、調査ばかりやっているなと思われがちなんだけども、これってどちらかと言うと、B2Bは本当に調査していなくて、B2Cが消費者調査をやっているから調査好きという。調査と言うと、基本的にB2Cが何かやる消費者系の調査でしょうというイメージが非常に強いじゃない?
東:うんうん。
森辺:競合調査とか、市場環境の調査とか、競争環境の調査なんて、基本発想としてないんだね、日本企業って、特にB2Bはそれがなくて。けど、戦略をつくるのってインプットが少なかったら戦略なんて高い精度でできないからね。だって、インプットが少ないんだもん。インプットが少ないと思ったら、知識と経験も絶対少ないんですよ。なんでわれわれが仮にも20年もこの商売で食っていけているかと言うと、やっぱりインプットが多いんですよね。知識と経験が高いから、お客さんの役に立っているから、まだお金をいただいてご飯が食べれているということなわけで、なので、やっぱりこのB2Bを含めて産業系の調査を日本企業ももっともっとやらないと、欧米の先進的な企業にはますます差を付けられちゃう、そんなふうに思うんですよね。消費者調査よりも、もうB2Bが産業系の調査をやるということをやらないと駄目だなというふうにすごく感じます。
東:分かりました。森辺さん、今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。