東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回に引き続き、『この1冊ですべてが分かる グローバル・マーケティングの基本』というかたちで本の1章ごとに説明をしていっているんですけども。前回は、1章の「なぜ今、グローバル・マーケティングが必要なのか」ということを取り上げたんですが、今回は、第2章の「先進グローバル消費財メーカーに学ぶアジア新興国のチャネル戦略」となっているんですけど、まず先進グローバル消費財メーカーというところでピンとくるリスナーさんもいれば、ちょっとまだどこだろう?というリスナーさんもいらっしゃると思うので、具体的にどういったメーカーさんを指すのかというのを教えていただければと思うんですが。
森辺:今回はB2Cの消費財メーカーの事例を結構頻繁に出していて、第2章では「先進グローバル消費財メーカーに学ぶアジア新興国のチャネル戦略」ということで、いわゆる世界の10大消費財メーカーですよ、P&Gとか、ネスレとか、ユニリーバとか、ケロッグとか、マースとか、ジェネラルミルズとか、そんなところを10大消費財メーカーと言っていると。彼らのグローバル戦略というのは非常に緻密で戦略的なんですよね。一方で、日本企業って非常に俗人的で、本社には戦略がなくて、「気合いと根性で何とかしろ」みたいな、もしくは、本社の人間が「自分たちは分かっている」というふうに勘違いをしている、これが一番厄介なんですけど、海外事業って、トップが分かっていると思い込んでいると、分かっていないのにね、その少ない知識の中での分かっているで進んでいくので、なかなか選択肢が狭まっちゃってうまくいかないというケースが往々にしてあるんですけど。そういうものと比較をして、どれだけ先進的な企業が戦略的かと、どれだけ日本企業が俗人的かみたいな話をこの章では書かせてもらっていると。
東:なるほど。そうすると、誰もが知っているようなユニリーバさんとか、コカ・コーラもそうでしょうし、そういったP&Gとかっていうのを先進グローバル消費財メーカーとしていると。
森辺:そうそう。
東:分かりました。この章では、15の小項目に分かれていますけども、森辺さんがここは読んでほしいとか、ここが重要だというのは、どの辺りなんですかね?
森辺:そうですね…。全部読んでほしいな。これな、15個。
東:(笑)
森辺:全部読んでほしいんだけど、15個ね。例えば、2-3の早期参入にこだわるというところなんだけど、早期参入にこだわる理由みたいなことを書いてるんだよね。ここが、いや、早く出るということは分かっているわけじゃない?
東:はい。
森辺:欧米の先進的な企業はスピードが速くて、日本企業は遅いということはもうみんな周知の事実であって。
東:はい。
森辺:「じゃあ、彼らがなぜこれだけ速く動けるの?」という、そのことを説明しているんだけども、ここはやっぱり僕も、そのインタビューをする中でそれを知ったときに衝撃を受けたので、「これは強いわ。日本企業とこんなに違うんだ、考え方のベースが」ということを感じたので、そこはぜひ読んでもらいたいし、あと、「2-5 導入期の戦略が違う」という、もうこれはいろんな企業が見てきていて、10年前から、まずここからやるんですと、自分たちの商品はプレミアムだから富裕層から行くんですと言って、結局いまだに中間層に入れていない消費財メーカーがごまんといるでしょう?
東:はい。
森辺:結局、最初の導入期戦略が違っちゃうと、その後ずっと本流の中間層には入れないんですよね。だから、腹くくるか、くくってやるか、やらないかみたいなところしかないんですけど。「導入期の戦略が違う」というところはぜひ読んでもらいたいですかね。
東:うーん。
森辺:あと、全部読んでもらいたいんだけど。そうですね…、「2-9 日本企業のチャネル・ストラクチャーとの違い」とかも結構いいし。あと、「2-7 導入期における伝統小売攻略のためのKPI」とかね、結構、この章は具体的に本当にこれからどうしよう、自分たちの販売チャネルどうやって組み替えていこうみたいな、既にほとんど出ているような、これから新しくというよりかは、もうあると。販売チャネルありますと。なんだけど、満足していません。さあ、どう組み換えていこうみたいな方が読むと一番良いんじゃないかなとは思うんだけども。
東:分かりました。じゃあ、ここは…、なるほど。主にチャネル戦略の重要なことを小分けにして小項目にして出してもらっているというような。
森辺:そうだね。先進企業との比較でね。4章でまた話するけど、実際のチャネル戦略をどうすべきかみたいな、参入戦略があってチャネル戦略があるので、そんな話はまた4章でやっているんですけどね。
東:はい。分かりました。今日はお時間が来たので、ここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。