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第256回 「輸出型チャネルビジネス」への大転換

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「輸出型チャネルビジネスへの大転換」ということでお話をしていきたいと思います。

現在、海外輸出を行っているんだが、なかなかうまく伸びていかない、もしくは成長に鈍化を感じているという企業は、その多くは今日お話する輸出型のチャネルビジネスにうまく移行ができていないという企業です。逆に言うと、輸出型のチャネルビジネスにしっかりと移行ができれば、皆さんの輸出はまだまだ伸ばすことができます。今日は、「輸出型チャネルビジネスへの大転換」について一緒に学んでいきましょう。

スライドをお願いします。まず、輸出型チャネルビジネスって一体何なのか?ということで、ちょっと定義についてお話をしていきたいと思うんですが。この図を使ってお話をしていきますが。まず、海外展開というのは大きく分けて2つのステージがあります。1つが輸出ステージ。この輸出ステージというのは、まず日本から現地に法人を出さずに輸出をしてビジネスを行うステージですよね。この現法ステージというのは、現地に法人を出す、生産工場を出す、現地に販売子会社を出すといって、現地に根付いてビジネスを行っていくステージ、この2つのステージがあって、基本的にはまず輸出でやっぱりビジネスを行って、ある程度見込みが持てて初めて、じゃあ、現地に工場を投資しましょう、現法をつくりましょう、もっとたくさん売っていきましょうということで現法ステージに移行するので、基本的にはステップ1で輸出ステージ、そして、ステップ2で現法ステージになるというのが基本的な海外展開の流れなんですよね。もちろん、もうこの国では輸出していたらプライスがそもそも合わないし、この国の成長というのは向こう30年非常に大きなものだということがほぼ確定しているので、わが社としては戦略的に投資をして最初から現法ステージとして行きますという、こういう国もあるはあるんですよね。ただ、一般的には、やっぱりまず輸出をやって、そして現法ステージに行くというのが一般的で。

輸出ステージというのは、やっぱり規模はそんなにスケールしていかないんですよね。小さな規模にしかならない。なぜならば、輸出をするということは関税がそこに掛かってくる、FTAとか、いろいろな税金の控除をする国、国よってさまざまですけども、協定が結ばれている国、そうでない国というのはいろいろあるんですが、基本的には関税が乗ってくる、輸送コストが乗ってくる、いろいろな中間流通が間に入るということで、基本的にはコストが高くなってしまうので、狙えるマーケットというのがある程度限られてしまうんですよね。そして、メーカー自身の目も行き届かないわけですね。現地に法人がないわけですから、日本で日本の国内の企業や消費者を見るようなかたちではビジネスができないわけですから、輸出の場合は。そうすると、やっぱり、ある程度の規模に限られてしまう。

一方で、現法ステージというのは、現地に工場をつくったり、販売法人をつくったり、販売子会社をつくったりするわけですから、日本と同じような環境でビジネスができるというので、もちろんそっちのほうが、当然高い売上を、もしくは高いシェアを狙うことができるわけなんですが、経営としてジャッジをする、現法ステージに行くというのはお金の掛かることなので、工場の投資、販売子会社の投資をするということなので、やっぱりそのジャッジに至るまでには輸出ステージである程度見込めないと、なかなかそういうステージには行かないということになるわけなんですけども。

この輸出ステージにも大きく分けて2タイプあるわけなんですけど、1つは輸出型の輸出ビジネス、そして、もう1つが今回のお題目である輸出型のチャネルビジネス。では、この輸出ビジネスとチャネルビジネス、輸出型というのは、単に輸出というのはビジネスモデルとして輸出をしているのでここは変わらないんです。輸出をしているんだけども、それが単なる輸出ビジネスなのか、それともチャネルビジネスなのかによって大きく成果が変わってくるわけですよね。同じ輸出をやっていても高い売上を出せるのがチャネルビジネスだし、低い売上しか出せないのが輸出ビジネスなわけですよね。では、輸出ビジネスってどういうものなの?ということを言うと、基本的には港から港のビジネスです。自分たちの商品を日本の港から相手国の港に出荷をするということで終わるビジネス。相手の港に自分たちの商品が着いてから、どういう中間流通を通じて、B2CのFMCGだったら、どういう小売に、どういうふうに並べられて、どういう消費者がそれを手に取って、もしくは手に取らずに、何を思ってそれを使って、食べて、リピートしているのか、していないのか、この一連の流れを理解をしていないのが輸出ビジネスなんですよ。逆に言うと、理解しているのがチャネルビジネスなんですね。日本国内でB2Cの企業が自分たちの商品がどういう中間流通、どういう小売にどう並べられて、そういう消費者がそれを手に取って、何を思っているのかを理解せずにビジネスをしているB2Cのメーカーなんて1社もいないはずなんですよ。メーカーにとっての生命線ですから、そこが。ただ、輸出ビジネスというのは多くの場合、「海外だからそこは考えなくていい」みたいな妄想に囚われてしまって、単に港から港のビジネスをしている。自社内に貿易部があるところは、貿易部みたいな古臭いネーミングの部署があって、そしてそこでえFOB Japanで海外のインポーターさんに売り切っておしまい。売り切りのビジネスで持続性、もしくは成長性があるかって、絶対ないですよね。売り切りですから。もしくは、日本国内の問屋さんに販売したものが並行品として海外に出て行く。並行品ほど、いわゆる怖いものはない。売り切りですから、並行業者がメーカーのこと、製品のことをどれだけ考えているかって、考えていないわけですよね。いかに高く売るか、売り切るかということしか考えてないわけですから。それがぼんぼん、並行品として海外に出てしまう。それによって、その並行品が自分たちが置くべきでないと判断するチャネルに置かれてしまったら、それだけでその商品のイメージがそこで定着をしてしまったりしてしまうわけですから、そういう危険性もあるわけですよね。

今までの輸出というのは、確かに輸出型の輸出ビジネスでやってきたんです。ここである程度のところまで行ったら必ずどん詰まる。でも、これを輸出型のチャネルビジネスに切り替えれば、これは大きく天井を突き破って、さらに上の天井に行ける。もちろん輸出ビジネスの限界というのがあります。現法ステージに行って、現産して現販するという、こちらはもう桁が違う成長ができますから、最終的にはこちらに行かないといけないんですが、まずは輸出ビジネスをやってしまっているなというふうに感じているところは、やっぱり、それを少しずつ輸出型チャネルビジネスに変えていく。自分たちでやっぱりしっかり理解しないといけない。自分たちの商品がどういう中間流通を通じて、どういう小売に、どう置かれて、どういう消費者の手に取られて、それがどう使われて、どういうふうにリピートしているのか、していないのかということをしっかりと理解をしないと、これを日本の問屋さんに聞いても、どの国に売っているというのは分かっても、どういう小売に、どういうふうに置かれてまで理解している問屋さんなんていうのは皆無ですから、それを自分たちで、やっぱりメーカー自身がしっかりと、そこは生命線ですから、理解をするということは非常に重要で。重要なのは、輸出のビジネスで全然構いません。ただ、輸出のビジネスでも、それを輸出型輸出ビジネスではなくて、輸出型チャネルビジネスに変えていくということが大変重要になってきます。

それでは今日はこれぐらいにして、皆さん、また次回お会いいたしましょう。