東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、今日は何社さんから、クライアントさん含めて最近ちょっと多いなというお悩みですかね、企業さんの幹部とか役員の方から、中国人を雇用したんだけど、どうマネージメントと言うんですかね、したらいいんですかねみたいな、ちょっと困っているんですけどみたいな、お悩みをいただくことが定期的に結構あるじゃないですか。その辺をどうしたらいいのかみたいな、森辺さんなりの見解をお聞かせいただければと思うんですけれども。
森辺:難しいですけど、難しい問題というか、中国…、中国人とか中国人じゃないとか、あまり関係のないような感じもするんだけどもね、うちも中国の社員は。
東:多いですね。
森辺:出身の社員は多いし、中国人も、ほら、日本人って基本みんな一緒でしょう?
東:うんうん。
森辺:世代によって若干違いはあれど、同じ価値観と同じ常識と。
東:同じ方向を向いている感じがしますよね。(笑)
森辺:同じだね。もうみんな一緒だから、阿吽の呼吸みたいなね。僕、こうして何十年か、中国出身の人と付き合っていく中で何となく感じているのが、中国人はいろんな中国人がいるなというふうに思っていて。特に日本にいて日本で会う中国人と、中国本土の大陸で会う中国人って違うし、台湾人を何人(なにじん)と言うかはちょっと別にして、台湾のお友達とかも違うし、香港も違うし、ASEANなんかにいる人たちも違うしみたいなね。そう考えると、当然なんだけど、多様性だよね。
東:はい。(笑)
森辺:というふうに思うんだよね。だから、中国人だからどうこうとかっていうことというのはそんなに意識したことはないんだけど、日系企業のお悩みのあれは、言ったら、ほら、何だろうな、もうガンガン行くじゃない?
東:はいはい。
森辺:ガンガン行きますと。どちらかと言うと、結構年配の、何歳だろうな、40代以上の中国人である程度幹部職に日系企業でも就くような中国人。
東:部長クラスとかですね。
森辺:部長クラスとか、副部長とかはね、言ったら、その世代の人たちって、僕の印象なんだけども、みんながみんなそうじゃないとは思うけど、基本的にガンガン行くタイプが多いです。あまりロジックとか、そういうのはどうでもいいですと、儲かっていたらいいでしょう、売上出せたらいいでしょうということでガンガン行くタイプが結構多いのかなという気がしていて。そこに対して、企業なので怖いんだろうね、俗人的になり過ぎるというか、日本人がガンガン行きますだと、おお、行け行けという話なんだけど、中国の人にガンガン行かれると、いつ辞めてしまうかも分からないし、辞めてしまったら売上0になるし、どうしたらいいんだろうみたいな、たぶん恐怖心みたいなものもあるんだと思うんだよね。だから、プロセスがどうなっているとか、どういうつじつまでそれが売上が上がっているんだとか、そういうことまで知りたがるんだけども、その中国の担当者に言わせたら「売上が上がっているんだからいいでしょう」という話なんだよね。
東:(笑)そこのギャップが結構大きいということですよね。
森辺:ここ最近、特に聞くんだよね。たまたまなんだと思うんだけども。40代以上の中国人の中国出身の人に言わせてみたら、「もう日本企業はいいよ」と、「いや、日本人はいいよ」と、「石橋叩いて、叩いて、叩いて、全然進まないんだから、あなたたち中国のこと分かっていないんでしょうと、私分かっているんだから、私はガンガン行きますから」と思っているんだと思うんだよね。だから、どっちもどっちなんだよね。
東:(笑)はいはい。
森辺:という話なんだと思うんですよ、僕ね。だから、そこはそこであれなんだけど。また、日本人は優しいからね、僕だったら、僕の思っている通りにやってくれなかったら、「もう嫌」と言って、「はい、担当交代」と言って。
東:(笑)
森辺:極端な話、そういう話だと思うんだよね。
東:ちょっと、うちのスタッフが聞いていませんように。(笑)
森辺:いやいや、だって、こういうふうにやってほしいと思っているのに、そういうふうにやってもらえないんだとすると、それはストレスじゃない?
東:うん。
森辺:だって、責任取るのに、責任だけ取らされて、絶対このやり方じゃ失敗すると分かっているのに、「こうしてほしい」「ああしてほしい」というのを、だったら、おれだったらそこまで悩むんだったら担当変えちゃえば?と思うんですけどね。
東:はいはい。なかなかそこまで。
森辺:けど、日本企業はね、そこもいいとこなんですけどね、責任も取らせないけど、評価もそんなにされないみたいな、そこがわが国、わが日本企業の良いところだとは思うんだけども。でも、そうですよね、そういう悩みが多いですよね。時間ですか、そろそろ?
東:そうですね。では、引き続き次回も回答が出るか分かりませんけれども、引き続きお聞きしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。