東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、3回にわたり、本のディストリビューター周りの要約についてお話いただいたんですけれども。前回は最適なディストリビューターの選び方で、たぶんこの中にも入ってくると思うんですけども、この次の4-8の章で「スキルセットよりも「マインドセット」」とあるんですけれども、「オーナー社長の考え方と信頼できる相手か否かが重要」と書いてあるんですが、結構ここは、たぶん重要な部分ではあると思うんですが、まずスキルセットとは何か、マインドセットとは何か、ということを簡単にご説明いただいた上で、この章の要約をしていただければと思うんですが。
森辺:スキルセットというのは、ディストリビューターとしての機能そのもののことですよね。ディストリビューターがやるべきスキルをどれぐらい持っているんだろうかということを表していて、僕はこのスキルセットを3つだと思っていて。1つは顧客への「提案力」。もう1つが顧客への「配荷力」、デリバリーの能力ですよね。もう1つはディストリビューターというだけあって、やっぱり「資金力」がないと、ものを買って売るので、キャッシュが回らないとディストリビューターはできないので「資金力」の、この3つをスキルセットというふうに考えています。なので、例えばその企業がスキルセットを見るときに、自分たちが売りたい客に提案する能力があって、そこにしっかりチャネルを持っていて、自分たちがやりたい売上が例えば10億とするじゃない?
東:うんうん。
森辺:そうすると、10億売りたいのに10億の売上しかないディストリビューターとやったって、永遠にその10億は達成できないわけですから、資金力がないのでね。なので、そういうところを見ていきますよというのがこのスキルセット。
東:はい。
森辺:マインドセットというのは、実はこのスキルセットよりもすごく重要なんだけども。華僑って一族オーナー企業だと言ったじゃない?
東:はいはい。
森辺:そうすると、もうディストリビューターなんて高々数百億円ぐらいなんですよ、デカくても。そうすると、もうオーナーと直接話して、そのオーナーがどういう考え方の持ち主なんだ、自分たちがやろうとしていることにどれだけ共感してくれるんだと。共感してどれだけ投資をしようと思っているんだという彼らの、彼らというか、彼のだよね、オーナー本人のマインド、思い、熱量、そういうものを僕はマインドセットと言っていて、それがないと、いくらスキルセットがあっても、なかなか目標って達成しないよねと。
東:うんうん…。
森辺:スタートアップと一緒じゃん?
東:はい。
森辺:ベンチャー企業もスタートアップのときに、めちゃめちゃスキルセットの優秀なバリバリのトラックレコード、キャリアを持っている人をいっぱい集めたって、マインドセットがそこになかったら、そんなベンチャー、スタートアップで必ず失敗するのと一緒で。最初は、もうデコボコでも何でもいいから、とにかく「やるんだ」という思いの強い人たちが集まるわけじゃない?スタートアップの時期ってね。
東:はい。
森辺:なので、それと同じだと思うんですよ。新しく市場でモノを売るという。なので、ちょっとごめん、話が長くなっちゃったけど。
東:(笑)
森辺:スキルセットとマインドセットというのはそういうことです。
東:「マインドセットが重要だというのは、どうしてですか?」という質問が結構多いと思うんですけども。
森辺:今言った通りで、ある自分がやりたいこと、やりたい、自分が売りたい小売と売りたい売上がスキル的にオッケーなのであれば、クリアしているのであれば、もうあとは、最後はマインドセットで決めますよと。もっとはっきり言うと、企業理念、どういう企業理念を持っているのか。それが自分たちの企業理念と本当にしっかり合っているのか。フィロソフィーが合っていない会社と何かやっても、絶対違和感があってうまくいかないんですよ。なので、そこがどうなんだ。社風は企業理念が社風をつくりますから、そういうものがどうなの?と、社長の人柄はどうなの?みたいなところを見ていくんですけど、そこがやっぱり気持ちが通じてないと、さっき言ったスタートアップの話と一緒で、スキルが高い人間ばっかり集めたって、やろうと思ってないから無理じゃない?
東:うんうん。
森辺:それとすごく一緒で。それであれば、少々配荷力が足りなくても、頑張ろうと思っているやつは、その配荷力をつくりに行くし、提案力が少々欠けているんだったら、こちらで提案材料を提供するということもできるし、資金力が少々足りていないんだったら、逆に言うと、資本参加して彼らを取り込むということも選択肢としてはありだったりするわけじゃない?
東:はいはい。
森辺:そのほうがうまく結果が出るということもあるので、やっぱりマインドのない相手とやるというのはなかなか難しいよね、ということのお話ですと。
東:分かりました。では、今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。