東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺:こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回に引き続き山本先生をお迎えして話しをしたいと思うんですけど、どんな話に…。
森辺:そうですね、今回はパルミサーノ・レポートに関してお話を進めていければなあというふうに思っております。リスナーの皆さんも何の話をしているのか、今、わかってない方非常に多いと思うので、まず先生にパルミサーノ・レポートとは、なるところからご説明をいただければと思います。
山本:わかりました。今から9年ぐらい前に、たまたまシリコンバレーにいる若手舎弟グループと、それから東京新宿に本社構えている翔泳社っていう出版社、そこの京部さん、それから日立、今は日立システムズっていう社名だけど、当時は日立システムズ&ソリューションズっていう会社名だったと思うけど、そこの方とシリコンバレー、シカゴなり、ニューヨークなり、取材活動あるいは調査活動でご一緒させてもらったときに、偶然会話の一つに、「最近面白いロムが出ている」っていうことをチラッと聞いて、なんだろうと思って検索していくと、いわゆるIBMパルミサーノ会長さんが、あんな大国の、アメリカの国の今後の30年先をおもんぱかったときに、私たちのような先輩は後輩や若い青年諸君にいったい何をしてあげなくちゃいけないのかといったことについて、四十数名の学者知識人からレポートを要請して、それをまとめた論文が出ているんだっていうから、おおーっと思って、とりあえず読んでみたら、ということで私自身読んで、そのタイトルは『Innovate America』というタイトルで、へえ、すごいなあと思って、もうそういう部分ではほぼ熟してきている環境が今アメリカだというふうに僕は見ていたけれども、いやなになに、30年先のわが国アメリカを見ていったときに、若い青年諸君に対してわれわれ先輩がいったい何をすべきなんだ、”What should we do?”っていうねえ、その辺のことで、四十数名から集めた論文のまとめが『Innovate America』だっていうんで、一気に、66ページ、あれ一気に読んだら、もうバイブレーション起こった、僕。で、そのバイブレーション起こった要因の中に三つあった、人材とか投資とか教育とかいう、で、やっぱりこれからのアメリカというものの期待値を越そう思たらこの三つが大きいと思う。そのためにはこの三つをやるべきだ、ということで書かれてあるけれども、「俺だったらいったい何がいいかなあ」って言ったらもう、「先生の場合やったらやっぱり教育、学校じゃないですか」って言われたんで、「うーん」とうめいて、「よし、学校やるかあ」ということで、同じやるんなら世界中に貢献できる、そういう人材創出を築いてもらえるような学校にしたいなあ、何も言葉だけができたからって、グローバルうんぬん、そんなん関係ない。
森辺:ああ、今すごいいいこと言いましたね。
山本:だからやっぱり、その感性を磨いてもらえれば、あるいはそれを気づいてもらえればいいんじゃないかなと思って。それもお金取ってやったんじゃ僕の今の年齢と周辺の環境見ていったときには、「だめだ、これは無料でやるべきだ、それにはまず場所だ」いうことで資生堂に相談したら、「わが社を使え」と言って、「これは鬼に金棒だ」というんで、内容をある程度まとめて、スタートしていった、っていうのがこの『Innovate America』が私にとって大きなエネルギー源です、学校創立の。はい。いまだに検索していただいたら、最後66ページで日本のそこそこのコンサルティング会社は、この論文をもとに結構面白いパブリシティ出されています…。
森辺:で、今ちょうど8期生。10期までは、
山本:頑張ります。
森辺:頑張ります、ということで、10期以降は?
山本:可能ならば、ある程度準備はしだしているんですけれども、法人化したいなあと思って。もう僕もそれなりの歳だし、誰かバトンタッチもしなくちゃいけないし。
森辺:10年、15年は…。
山本:(笑)
森辺:もう、お肌のつやと話しっぷりを見ていると。
山本:いやいや。まあまあ、法人化してバトンタッチできれば。ただ10期までは僕の個性と独自なマインドでずうずうしくやっていきたいというのが、今の僕の現状ですね。
森辺:ふうん。で、このグローバルプロフェッショナルズ創造戦略プロジェクト無料公開スクールっていうのがあると思うんですけど、これは何になるんですかね。
山本:これはやはり、パルミサーノさんの訴えた教育というジャンルの延長線上で僕は何かができるかなっていったときに学校だなと思って、同じ学校やるんであれば、やっぱり日本の若い青年諸君の鋭敏な年齢層のときにびっくりするような気づきを持ってもらえるような環境あるいは場所、あるいは学校というような形でつくったのがこの一つの呼称ですね。で、北海道から九州から来てもらうからには、やっぱり月謝取ってまではまずいだろうと。電車賃だけでも相当かかると。だから無料で。原則は無料、原則は無料じゃなくて、完全無料。だから飯代は金出せということで継続しています。だから福岡からも札幌からもそれから日本で留学してそのまま日系企業に入った海外の中国の若い青年諸君、韓国の若い青年諸君、あるいはロシアの超優秀な青年男女が過去に入ってきてくれているし、これからも入ってくれる可能性もあるんで、私自身もまだまだ燃えていますね。
森辺:今月、これが…。
山本:8月17日、やります。そのときは電通、北京電通の親分が来ます。もう自費で来ます。もうこの学校のために結構燃えてもらえています。去年やってもらったときに彼自身が逆に「こんな学校あるのか」つって、「お金出してでもしゃべりに来たい」と言ってくれた。こんな講師、3、4人出てきているけどうれしい。もう7年続いている講師は4人います。GEの田口さん、それから東大の元橋くん、それからインターブランドの上條さん、それからPwCの田作さん。で、まだ「やらしてくれ」って言う人もいる。僕が選択する番。そして、その当日の、その時期の環境、状況によっては最適な講師を引っ張って、今度の8月17日は消費流通の分析の非常に優れた、メリルリンチの青木英彦っての呼んでいる。あれはすごいな。数字をストーリー化して、ひもときする人って少ない。それも消費市場環境コアにしてしゃべってくれる、同じ関西人で、神戸大学出た青年だけど。まあ青年ちゅうたかて、53か4だけど。僕から見たら青年。それ、彼と呼んでいるからね。面白いと思うよ。
森辺:先生、見た目は50ぐらいですけどね。
山本:(笑)
森辺:じゃあこれ、リスナーの皆さんもこれに参加したい場合はホームページで検索をして、申し込みを?
山本:そうです。まず応募して、4、5ページ多分書かされていると思います。それでその書かされた応募シート、僕はきちっと1ページから5ページ読破して、これはあかんっていうのは入れていません。よしとする人しか入れません。段ボール2箱ぐらいになりまっせ。だからもう、インク代で結構金かかる、プリントアウトするから。あのままで読めないからね、残らんもんやから、ちゃんとペーパーにして、プリントアウトして。
森辺:そりゃもう、無料でやっている公開スクールだけに、本気の学生にだけ来てくださいということで、中途半端な人はもうと。
山本:そうです。本気の人しか入れていません。2回休んだら首ですからね。
森辺:なるほど(笑)。すごいですね。
山本:はい。完全にね、やってもらいます。で、中途半端だなあと思うのが、大体、僕、必ず12回の中の2回は僕がやる。1回目と2回目。そのときにほぼ、参加者の資質レベルと参加者の良し悪しの判別の情報入手できるから、「悪いけど君辞めてくれ」と宣告をする人もいる。
森辺:へえ。徹底的ですね。
山本:はい。徹底しています。
森辺:すばらしい。でも先生、さっき言っていた、言葉とか文化の理解だけじゃ海外でマーケティングなんかできないっていうのは、まさに本当そうですよね。だから非常に面白いんじゃないかなと思って。
山本:はい、面白いですよ。
森辺:で、過去の講義のプログラムに関して、簡単にナビゲーターの東のほうからご紹介をさせていくと、過去、どんなやつがあるんですかね。今回はまあ電通さん、北京の董事長さんですかね、お招きするようですが。
東:1部が人間力養成講座ってなっていて、2部が戦略マーケティング講座という形になっていまして、去年の第1回目とかは、1部の人間力養成講座で「タイムマネジメント戦略」っていう形で山本先生がやられて、2部は「パナソニックの商品開発戦略~”ゴパン”」、古長さんっていう方がやられていたり、その次の回の、「米国製エリ-トは本当に凄いのか?」っていう、多分本になっていますよね、これ。それの佐々木編集長ですかね、東洋経済の編集部の記者の方、だったり。先生、人間力養成講座と戦略マーケティング講座って2部構成にしたのはなんで…?
山本:これは僕のこだわりがあってね。人間、一度しかない人生の糧の中で唯一大事なのはやっぱりその人の持ち合わせられた人格だと思う。その人格を基本にしたライフスタイルの中でいろんな人とのコミュニケーションをどうしても必然性を帯びてくる。そういうコミュニケーションの過程の中で、ものすごい有効利用できるのはマーケティング感性だというように私は認識しているんですよ。
森辺:またいいこと言いましたね。
山本:まだマーケティングという言葉でいくと、需要と供給のバランス感からの1つの仕組みだっていう概念でひもとくけれども、それよりももっと違うのは、人間と人間を絡ませるために介在するものがあるんだけど、その物の見方とか、その物自身の重要度とか、そのもの自身の流れていく世界とか、いうことを追っかけていこうとする場合はどうしてもマーケティングというロジックがあれば、より見やすいし、より広くなるし、より確認できやすい、いう僕は認識もっているんで、一個の人間でありながらマーケティング感性を持ち合わせられているという、そういう人格的存在の中でこそ、魅力のある一人として世界中に羽ばたいていきやすくなるんじゃないかっていうのが僕のコンセプトです。だからあえて人間力作りとマーケティング、僕の本職であるマーケティングを取り込んでいくべきだということ。ただ人間、人間って言うだけじゃあかんと。やっぱり銭もうけもうまくできるような人でもなきゃいかんし、あるいは人と人、コミュニケーションするときの、何が大切なのかも知らないかんし、あるいはいろんな人の幅を、あるいは数を多くしようと思えばただ単に座っているだけでもだめだろうし、やっぱり究極は周辺にどれぐらいの人脈、存在しているか、このボリュームいかんだと。幾らでかい会社の人と知っているっていうだけじゃね、僕は何も意味なさんという判断。やっぱり、世界中に何千人友いるか、こうしてすぐ電話でもできるような友達何人おるか、それによって相当自分の生き方変わるぞっていうのが僕の基本的なコンセプトです。それを若い青年諸君にも知ってほしいし気づいてほしいし、ということもある。で、人間力講座でもう一つ僕は非常にウェイトを置いているのは、日本の若い青年男女は例えば電車でもバスでも乗り物乗って、あるいはちょっとしたハンディキャップの人、目に入ったり、360度でなくてもいいから180度の中に入るような、ちょっと年老いた人がいたりすれば、喜んで「どうぞ」ちゅって、勇気持ってお連れして「ここへどうぞ、お座りください」というふうなビヘイビアをパーンと出せるような青年男女も僕はなってほしい、というのもすごくベーシックでは強い。みんな日本の若い男性女性、みんな今スマホとか何やかんや、本読んでいたらましだけど、ゲームとか何か、一生懸命やっているけれども、目の前こないして半分体こないなっている80、90のおじいちゃん、おばあちゃんおっても平気で、場合によっては居眠りしとんのもおると。もうそういうときはもう僕は殴りたくなるんだと。少なくともここへ来てくれる青年、君たち諸君はそんな人間になってほしくないと、いうこともあって私は君たちに気付いてほしいんだと、いうことも大きな一つの目的になっています。
東:私も人間力養成講座は6月ですかね、聞いたんですけど、すごい迫力で「ばか、あほ」みたいな(笑)。もうパワハラと思えることですけれども。
森辺:面白い講座ですね。でも先生、人間力、マーケティングを幾らわかっていても、学んでいても、人間力がなかったら、マーケティングのプロセスの中で一番重要な売り上げを上げるっていうところって、僕ね、すごく上がりにくいなと思っていて、これは日本でも、アジアでも、世界でも、何かすごく一緒で、この人間力とマーケティングを組み合わせたっていうコンセプト自体が、僕すごい素晴らしいなと思うんですけど、そういうことなんですよね、先生の授業はね。
山本:そう。全くそう。僕は化粧品小売店の奥様方に必ず言っているのは、やっぱり人間は反応の動物だと。ご自分が本当に大事にしているっていう経験値が多けりゃ多いほど、「いらっしゃいませ」っていう、その面前にするお客様も本能的に大事にするようなビヘイビア(behavior)が起こりますよということを言っているんですよ。だから自分が何か台無しにしているっていう人は、「いらっしゃいませ」っていう言葉も何か台無しにするようなお迎えの仕方を現実化するよと。それはもう「来てくれるな」と言うのと一緒だぞということを強調しています。
森辺:物買うときに、「いつもありがとうございます」って一言言われると、僕がいつも来ていること、この人はわかってくれているんだって、もうそこで買いますもんね。
山本:そういうことです。人間ってね、生まれながらに正直につくられていますよ。本能的にまず正直。だから僕はやっぱり30は、30以上の人とのコミュニケーションしづらいと思う。だからやっぱり50、80、100なるときに、そういう人とのコミュニケーション。だから自分は100のときに一番いいお客さん迎えやすいんですよ。キャパシティのある人とコミュニケーション。だからまずコミュニケーションのキャパを持ってな駄目でしょう。
森辺:なるほどね。ちょうど去年の第3回なんかは、中央大学の徐誠敏(ソソンミン)先生も講師になっていますね。面白いですね。
山本:面白い。
森辺:いや、リスナーの皆さんもぜひ、ご興味のある方は申し込みを、ホームページのほうで検索をしてですね、覚悟を決めて、本気になってお申し込みを(笑)、してみてください。じゃあ今回もそろそろお時間になりましたので、この辺で終わりたいと思います。山本先生、どうもありがとうございました。
山本:ありがとうございました。
東:ありがとうございました。