東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回、前々回に続き、セミナーの情報を共有させていただいているんですけど。2部はアイリスオーヤマの大山会長が話されたということで、アイリスオーヤマ自体は名前を聞いたことはあっても、どんな人が経営していて、どんな会長なのかって、あまり知らない人も多いと思うんですが、ちょっと森辺さんがお会いした感覚とか、どんな話をされたのかというのをちょっと共有いただければと思うんですが。
森辺:僕ね、アイリスオーヤマの大山会長ってめちゃめちゃ怖い人かなって思っていたんだよね。
東:(笑)イメージが?
森辺:そう、米倉先生からも「怖いぞ」と脅かされていたのでね、怖いなと思っていたんですけどね、お会いして、控室みたいなところでお会いするじゃないですか。ご挨拶させてもらって、「今日1部をやります森辺です。2部の対談もよろしくお願いします」と挨拶するんですけどね、まあ、目が優しいんですよね。目の怖い人っているじゃないですか。
東:はい。
森辺:目がね、すごい優しくてね、仏様みたいでした。
東:へえー!
森辺:マスクをしているとね、目の力ってすごく伝わってくるんですね。僕ね、目がこう問いかけてくるというかね、なんかね、もうやっぱりあれだけのことを成し遂げるともう顔が仏様ですよね、そんな感じの方で。
東:はいはい。
森辺:ファンがやっぱり多いですね、大山会長って。すごいファンの方がいっぱいたぶん来られていて、「大山会長にこういうことを聞きたい」「ああいうことを聞きたい」って事前の質問もすごい集まっていてね。大山会長は資料なんか一切使わないね。僕みたいにPowerPointの資料をきっちりつくってうわーっとか、もうそういうことはやらないです。もうあれぐらいの方になるとね、もうフリートーク。
東:へえー!
森辺:それで1時間。
東:すごいですね!
森辺:うん。彼の、あの人みたいだったな。何だっけ…、まあいいや。でね、フリートークでアメリカの事業の話とか、もともとアイリスオーヤマは中小企業だったわけじゃないですか。その中小企業が何を思ってどうやって今の大企業になっていったか、もう1兆円が見えているんですよね、アイリスオーヤマって。今、家電事業に、半分が家電と言ったかな、売上のね。
東:そうでしょうね。
森辺:家電の業界が、大手の家電メーカーがこれだけ衰退していった中でね、「なぜこんなに伸びているの?」みたいな話。結局、結論を言うとね、ありがちな話なんだけど、お客様が、「顧客目線」ということをすごい言っていて。大山会長はずっと言っているんですよね、「ユーザーイン」「ユーザーイン」とずっと言っていて。マーケットインのさらに強烈なその先のバージョンという意味で大山会長は使われているんですけど、ユーザーインということをね。大山会長のマーケットインというのは、小売のことをマーケットと言っていて、の先の消費者のことをユーザー。なので、マーケットインではなくて、ユーザーインだということをおっしゃっているんだけども。顧客目線なんだと、顧客は真実なんていうのは口でも言わないと、分かっていないと、本人自体もね。だから、本当に顧客がどうしてほしいのかということを顧客を観察してね、狂人のようにたぶん顧客観察をしているんですよ、この人は何を困っているんだろうと。だって、その顧客も気付いていない。あの透明の収納ケースで大ヒットしたわけでしょう?アイリスオーヤマって。なんだけど、あの透明の収納ケースもさ、中身が見えると。だから、何をどこに入れたかがすぐ分かるという、そういうものが欲しいなんていうのは顧客は言ってくれないわけじゃないですか。でも、顧客が衣替えをして収納するというたぶん動作をずっと観察し続けて、「あれ?これって透明だったら便利なんじゃないの?」ということを思いついて、市場にそれを送り出してみたら爆発的にヒットしたみたいな、そういう話でね。もう、僕の印象は、狂人のように顧客に寄り添うという、顧客の不便を解決しまくるということからすべての商品が生まれていっているからあれだけヒットをするという、そういうことなんだと思うんだけど。
東:はい。
森辺:僕らも頭でそれを分かっていても、何て言うのかな、ビジネスって成功するのとしないのって当たり前のことをやるかやらないかだと本当僕は最近すごく思っていて。口ではそう思っていて、自分はそれをやれていると思っているんだけど、具体的に自分のプロセスを見ていくと全然やれていないみたいな、それをやった人は勝ちだし、やっていない人は勝てないみたいな話だと思うんだけど、すごいそういう話をしていた。だから、シンプルなんですけど、すごく正しくて。結論から言うと、多くの中小企業さんももっと狂人のように自分のつくっている商品とか提供しているサービスがね、B2Bならユーザーの本当のニーズ、心奥底のニーズ、もしくは消費者の心奥底のニーズを満たしているのかということをもう1度考え直せばね、伸び悩んでいる会社なんてまだまだ伸びるよみたいな、そういう話だったんですよね。
だから、あれ、500人の中小企業の経営者を中心に聞いていたと思うんですけど、すごくいい話になったんじゃないかなと思いましたね。狂人という言葉は使っていないけどもね、大山さんはね、僕はそういうふうに捉えたなと思っていて、この人はたぶん狂人のようにユーザー目線なんだなという、なんかそれが僕も衝撃的でしたね。
東:分かりました。じゃあ、ちょっと今日はきりがいいのでここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。