東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回に続き、あるアフリカの国の大使の方と会食する機会があったということなので。前回はちょっと脱線しちゃったんですけど、今回はちょっと、上品というお話が出たんですが、どんな感じの方なのか、大使となる人って。どういうことを話す、どういうことに興味があるのか、そういう、会話の中で話ができそうなことをちょっと共有していただければなと。
森辺:基本的に、教養があるというか、引き出しがものすごく多いんですよね。どういう題材で話を振っても、どの国の話をしても、政治・経済・文化、ありとあらゆることをやっぱり理解しているので、すごくね、会話が成立するんですよね。ものすごく詳しいし、自分の国をどう発展させるかということと日本とのつながりでどうしていきたいかと。TICADがコロナの前にあったじゃない?
東:そうですね。
森辺:あれでやっぱり勢いづいて、日本とアフリカの連携みたいなところで勢いづいていたんだけど、コロナでいろいろとそれが進みが遅くなってしまったりとかっていうことはたぶんいろいろあるんだと思うんだけども。基本的にすごくね、知識と教養が、当たり前っちゃ当たり前なんだけども、どんな話でも話せるよね。アフリカのことだけじゃなくてね、西側諸国のことにだってすごく精通しているし、日本のことにだってすごく精通しているし。やっぱりね、すごいよね。今回会ったその国の大使がたまたまね、すごく人格者で。大使って言うと、やっぱりね、何て言うのかな、もう品格があり過ぎちゃって、なかなかこう、何て言うんだろう、「私は大使」みたいな人が多いのよ。途上国というか、新興国の大使ってね、ものすごく威圧感があるというか。なんだけどもね、そういう方じゃなくて、興味を持つじゃない? あれ、僕が今まで会ってきた新興国のガバメントの人とはちょっと違うなと思って深堀っていくと、だいたい西洋で教育を受けているので、もともと豊かなんだろうね。なので、でも、とても素敵な方でしたと。
東:うん。
森辺:そんなことよりもね、僕ね、すごくね、何だろうな、日本と韓国と中国の話になったんだけど、中国のアフリカ進出がすごいじゃない?
東:すごいですね。
森辺:やっぱりひと言で言うと、いろんな支援を中国がしてくれているのでね、アフリカにね。彼らももちろん賢いので、そのbehind the scenesというか、裏にさ、どういう目論見があるかということは分かっているので、すごくそれは怖いと。特に2国間協定とかっていうのをやってしまうとね、すごくそれは怖いことだし。いろんな目的が裏にはあるということを分かっていますと。なんだけども、やっぱり民間企業になってくると、中国の札束外交とかって言っていると、僕、目を付けられちゃうかもしれないけど、いろんな支援をするね、ばらまいてくれるというところ。やっぱり手を差し伸べられたら、その手を掴むっていうのは、やっぱり今、現状でね。すごくアフリカが中国化しているということをすごく言っていたと。昔の日本の影響力が弱まっているという。日本は「アフリカがやっぱり遠い遠い」と言って出てこないということを言っていて。ASEANでまだうにょうにょしている状況の企業も多いし、インドも手付かずみたいなね、状況も多いから、実際、アフリカは遠いなというのはものすごくよく分かるんだけども。でも、やっぱり果敢に出ていっているね、中国・韓国・日本だということをすごく言っていて。彼らとしても、やっぱり日本にすごく期待をしているんだけども、なかなかそれがかなわないみたいな、そういう話が多いんだけど。ちょっと差し障りない範囲でちょっと会食のときの話をするとね。だから、やっぱり中国企業がものすごくアグレッシブにやっている中でわれわれはこれでいいのかなというのはすごく感じるところですよね。
東:中国が積極的に出ることに関しては、当然、否定はできないけどもウェルカム、出過ぎているという感覚を持っているという感じなんですか、そうすると。
森辺:おそらく政府のある一部の人たちというのは、ウェルカムをしながらもやっぱり警戒もちゃんとしているんだと思うのね。だけど、民間レベルでは。やっぱり警戒よりも利益とか。
東:そうですね。
森辺:支援とかっていうことのニーズのほうが強いから、やっぱり差し伸べられた手を掴まない手はないというね。
東:うんうん。
森辺:だって、タンザニアなんてさ、首都へ行ったら建物が1990年代とか2000年代ぐらいに中国で建っていたような建物がいっぱい建っていて、「あれ、なんかこの風景見たな」って、僕、何回も思ったことがあって。「中国じゃん」と思って。なぜアフリカが中国に見えるんだろうと思ったら、建物なんだよね。たぶん、あれは当時のビルの設計を、古くなった20年前の設計をそのまま使っているから、アフリカで20年前の工法でね、同じようなビルを建てているんだと思うんだよね。だから、すごいよ、建設会社もいっぱい出てきているしね。中国人いっぱいいるし、基本的に「ニーハオ」って言われるでしょう、アジア人を見たらね。
東:はいはい。
森辺:だから、まあまあ、そういうのは1つだよね。結構、時間だね、もうね。
東:そうですね。では、今日はここまでにして、また次回よろしくお願いします。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。