東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:前回、診断の話が出たんですけども。診断としてこういった依頼が、ちょっと企業名とかは言えないですけども、ざっくりした、どういった課題があって、どういった施策を打ってきたのかというのを、少し事例をご紹介したいと思うんですけども。1つは診断で依頼内容が、現状の販売チャネルでは顧客ターゲットの数十%にしか到達しておらず、新規顧客の増加はほとんど0でしたと。また、既存顧客のフォローにも手が回っておらず、慢性的な悪循環が生じていたと。これは機械メーカーさんで、アジアだったんですけども。これに対してどういう対策を打たれたのかというのを、森辺さんから。
森辺:機械メーカーか。これはあれか、課題が、症状がアジア全体で売上が伸びない。
東:診断がそうですね。
森辺:症状がね。
東:はい。
森辺:診断したら、現状の販売チャネルでは顧客ターゲットの数十%しか到達していなかったということだね。新規顧客の増加が0で、既存顧客のフォローにもという。そうそう、これね、対策としては、各国でほぼ明確な理由がないままね、1カ国1ディストリビューター制だったんですよ、この会社。その構造では、そもそも顧客ターゲットの数十%にしか到達できなかった、物理的にね。なので、複数、インダストリーが違うと、もちろんディストリビューターもこのインダストリーには強いけど、このインダストリーには弱いなんていうのはあるわけじゃない?
東:はいはい。
森辺:だから、インダストリー別にディストリビューターを分けたんですよ、複数活用。結構、日本企業は多いんですけど、結局、独占じゃなくて非独占なのに、1社しか使っていないみたいな。理由もそんなに、あまり深くないみたいな。なんですけど、取りあえずここに任せてやってみようみたいな。あまりほかを使うと申し訳ないしみたいなね。けど、何かあったら困るから、一応、非独占にしますねみたいなね、そんなかたちだったんだけども。でも、それじゃあ、もう本当にターゲットに物理的に到達しないんですよ。だって、そのディストリビューターはそんなに顧客を持っていなかったら。結局、インダストリーごとにターゲットにしっかりと当たるディストリビューターを設置したという、非常にシンプルな対策を打っただけなんですよね。
東:はいはい。
森辺:なんですけど、そんな当たり前のこともできていなかったので。そんな当たり前の状態になっていたということも理解できていなかった。結構なメーカーですよ、大手のね。1年以内に顧客が、既存の顧客と同様の社数に新規が増加したんですよね。同時に既存のディストリビューターには既存顧客のフォローに集中をさせて、なので、その既存の顧客からの売上も30%以上増加したという、以降毎年これが継続していると、もう何年も前の話ですけども、こういう事例ですね、B2B。
東:はいはい。
森辺:B2Cも1個いきますか?
東:これについてもう少しお伺いしたいんですけど。これは診断に対しては、どう診断するんですか?みたいな、たぶん疑問が、たぶん聞いている人はあると思うんですけれども。森辺さんなりに、調査の詳しいことというか、どういう視点で見ていくのかというのを少し共有してもらえればなと思うんですが。
森辺:基本的には、お客さんの現状の販売チャネルを可視化するということが1つなんですよね。可視化すると、お客さんの現状の販売チャネルに対するファクト、事実が明確になりますということじゃないですか。でも、これだけじゃ、やっぱり基準値は持てないんですよね。その明確になったものが、10なのか、50なのか、100なのか、何なのか分からないので、基準値を掴むためには、対象を探す必要があって。その対象になるのが、お客様が主として競合と捉えている企業であって。その主たる競合の販売チャネルも同時に可視化するわけですね。これで初めて基準値というものができる。お客様のチャネルと競合のチャネルが数値で分かるわけですから、競合が100という基準値だった場合に、自分たちは120なの?80なの?はたまた30なの?みたいなね。多くの場合は30とかのケースが多いんですよ、日本企業の場合は。
東:はいはい。
森辺:さすがにどんなに商品がよくても、チャネルのパフォーマンスレベル30じゃ勝てないよねという話になるので。基本的にはもう可視化ですよね。現地のフィールド調査で可視化するということですよね。
東:分かりました。今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。