東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、もう1つ事例を前回と同様にお伝えしていきたいと思うんですけど。課題が、ASEAN某国の伝統小売への配荷が進まないと。診断が、現状の販売チャネルでは顧客ターゲットの数十%しか達成しておらず、新規の増加は0だったと。既存フォローの手が回っておらず、なかなかそれ以上進まないというかたちで、対策に関してちょっとご紹介していきたいんですけど。
森辺:B2Cですね?
東:はい。
森辺:ASEAN某国、伝統小売への配荷が進まないと。診断が、今言った通りの診断で。
東:はい。
森辺:でね、これね、診断結果を受けて、伝統小売向けの新たなチャネル・ストラクチャー、及び、伝統小売のストアカバレッジの獲得戦略をつくったということが非常に重要で。結局ね、伝統小売にそもそも売れるような販売チャネルになっていなかったんですよね。なので、伝統小売にはやっぱり伝統小売に合ったチャネルのストラクチャーをつくらないといけないので。
東:はい。
森辺:一方で、伝統小売のストアカバレッジ、いわゆる配荷する店舗数を伸ばすための戦略もつくらないといけないんですよ。これね、また話が長くなっちゃうんだけど、MTと同時並行的にやっていく必要があって、その辺の戦略の順番もなかなかばらばらでね、結局、MTにしっかり置かれていて、その周辺にあるTTを同時に攻めていくということを、ドミナントでいろんな地域を広げながら、徐々に徐々に進めていくということが必要なんだけども、そういう戦略自体もまったくなかったんですよね。それを策定しましたと。あと、TTとかって、組織体制と管理体制みたいなものをしっかり整えないと、なかなか配荷が進まないので、それも整えましたと。一方で、TTにおける商品形態とか価格帯というのが必ずあるじゃないですか。
東:うんうん。
森辺:MTにおける商品形態、要はパッケージ形態ね。10個入りを1個入りにしなきゃいけないとかね、1個入りとか1gあたりの単価は高いんだけども、いかに安く買えるかということはすごく重要で。少ない数、今欲しい分だけ買えるというような形態にしないといけない、伝統小売の場合は。そんなところにも手を入れましたよということをやったんですよね。
東:はいはい。
森辺:だいたいこういうことを全部やれば、なんかね、パズル合わせなんですよね。伝統小売に売るのに最低限合わせなきゃいけないパズルというのが3つぐらいあって、そのパズルを全部整えたら1年以内にTTにおける配荷率が250%以上上がりましたよと。以降も毎年160%ぐらいの成長をずっと維持しているので。単純な問題で引っ掛かっているというケースが結構多くて、その単純な問題をブレークスルーできていないのはもったいないなという企業はいっぱいいるので、そこをチューニングしたというだけなんですけどね。
東:なるほど。分かりました。これは、じゃあ、具体的には、やっぱり単純なとおっしゃいますけど、なかなか、お客さん側とかやっているメーカーさんは気付かない部分だと思うんですけども。この辺はどういうかたちで?
森辺:伝統小売に売りたいのであれば、伝統小売に合った、まず販売チャネルのストラクチャーをつくらないといけないですよということと、これはどういうことかと言うと、カタカナで申し訳ないんだけど、チャネル・ストラクチャーというのは、チャネルのデザインなんですよね。こういう1次店の下に2次店網、ディストリビューション・ネットワークを、こういうエリアに、こういうふうにつくってみたいな、網のようなストラクチャーをしっかりとつくらなきゃいけないというのが全体デザインですね。あと、ストアカバレッジを上げていくということが伝統小売は最大の目的というか、ポイントなので、それを上げるための戦略を策定するというのが2つ目。今度は、それをどういう組織で、どうやって管理していくんですかというものがあるので、それを決めていくというのが3つ目なんですね。これをまずやらないといけない、チャネルに関してはですね。商品に関しては、パッケージ形態と価格帯、ここの調整をしないと、ちょっとチャネルとは違うので、4Pで言うと、プロダクトとプライスの部分なんですけど、ここをチューニングすると、最低限の状態は整うので。この最低限のシンプルなところだけでもできていないという企業は非常に多いので、そこをチューニングしたというだけなんですけどね。
東:分かりました。今日は時間が来たので、ここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。